89、 なんでもない日常と再会の電話
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。
本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。
「と1/2」シリーズは不定期です。
みんなで食事会をして数週間。
新しい家にも慣れて穏やかな日々を過ごしてる。
「智、そろそろ忙しい時期になるでしょ?」
「そうだね。ツアーもあるし」
ドームツアーになってから今まで春〜夏にやっていたライブも冬〜春にかけてやるようになった。
それに年末年始の仕事でいつも大変だと言っていた。
「じゃあ、あんまり家に来ない方がいい?」
「え!?なんで!?」
横にいる智がすごい勢いでこっちを見る。
「え、だって帰ってくるもの遅いでしょ?疲れてるのに私がいたらジャマかなって」
「違う違う!!逆だよ!!」
「え?」
「家に帰ったら蓮華がいてくれるって思うから頑張れるし、疲れも取れるの!!」
「ええ?」
疲れていたらすぐに寝た方がいいし、人がいない方がリラックスできると思うけど、と言いかけてやめた。
「あ、でも夜中に帰ってきて早朝に家出るからそう言う意味だと蓮華がちゃんと寝れないかも」
しゅんっとする智に苦笑する。
「私は土日休みだもの。寝不足になってもお昼寝しちゃえばいいし」
「でも」
「変わらず来ていいなら、私も智と会いたいな」
じゃなければこの家に来ている意味がない。
そう思ってるとギューッと抱きしめられた。
「よかった!ありがとう!」
「こちらこそありがとう。でも地方に行ってる時はどうしよっか?
日曜日はご飯作り置きしに来ようかなって思ってるけど」
「そこは蓮華に任せるよ。俺がいないのにわざわざ来てもらうの悪いし」
「…一週間、ご飯無しになるけど?」
そう言うとハッとした顔になった。
「それは困る」
智は私が日曜に作ったおかずや冷凍したものを食べて1週間を過ごしてる。
早い時は水曜日に食べ終わった連絡がくる。
「じゃあ作りにくるね」
「ありがとう」
クスクス笑うと智がちょっとムッとした顔をしてキスをしてきた。
「!」
「ふふ、顔赤い」
してやったりという顔をした智に私は同じようにキスをして智の顔を赤くしてやった。
「あら、ラブラブね」
翌週の土曜日。
久しぶりに実家に帰って母さんに智とのことを話す。
「ラブラブっていうか…」
「ラブラブじゃない。一回別れたとは思えないぐらい」
ふふっと笑う母さんに何も言えない。
「本当に2人がまた付き合えてよかったわ」
「…ありがとう」
そんな話をしていると後ろからドサッと音がした。
「?あ、啓太おかえり」
振り返ると啓太がいた。
「啓太、帰ってたのね」
母さんも振り返る。
啓太は目と口を大きく開けて固まってる。
「啓太?」
「…ねーちゃん、智くんと付き合ってるの?」
「言ってなかったっけ」
私の返事に啓太は「うえぇぇぇぇぇ!!」と叫んだ。
混乱する啓太を落ち着かせて3人でお茶タイム。
「啓太、驚きすぎでしょ」
「驚かない方がおかしいだろ」
「でも予想はしてたでしょ?蓮華が智くんとまた会ってるって聞いて」
母さんが聞くと啓太はウッとなった。
「そりゃ、そうなったらいいなって思ってはいたけど」
「あら、ならいいじゃない」
「そうだけどさー、ビビるじゃんやっぱ」
ため息をついてお茶を飲む啓太に苦笑する。
すると携帯が震えた。
「あれ、智だ」
「え!?」
「もしもし?」
電話に出ると啓太がさらに変な声出す。
【もしもし?今平気?】
「うん。仕事は?」
【今、待ち時間で楽屋にいる】
智と少し話していると啓太がソワソワする。
「ね、ちょっとだけテレビ電話にしていい?」
【?うん】
テレビ電話に切り替えると啓太にカメラを向けた。
「ちょ!姉ちゃん!!」
【あ、啓太くん?久しぶり!大きくなったなー】
智が嬉しそうに言うと啓太はどうしていいか分からずに固まってる。
「ちょっと、挨拶しなさいよ」
「さ、智くん久しぶり!!」
啓太が緊張で声が裏返ってる。
【うん。元気?】
「げ、元気!」
「啓太、緊張しすぎじゃない?」
母さんが言うと今度は智が緊張した顔。
【もしかして…おばさんもいる?】
「いるわよー。久しぶりね智くん」
【は、はい!!】
今度は智が声が裏返って私は思わず笑ってしまった。
再会はテレビ電話越しに。
いちゃいちゃしてるのが書きたかっただけです。
もちろん、蓮華ママにはちゅーのことまでは話してません。
啓太くん、電話の後は興奮冷めずにずっとうるさかったらしいです。
友達といる時は大人っぽいのにザ・弟になるのです。
(友達との様子は「メンバーカラーは無色透明を希望します!」を読んでみてください)
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