85、 可愛い妹なのです
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。
本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。
「と1/2」シリーズは不定期です。
智と付き合い始めて2ヶ月が経った。
「そう言えば引っ越し先決まったの?」
由里香とランチをしている時に聞かれた。
同棲はしないけど、家はバレてしまっているので引っ越すことにした。
「うん、今の家からはちょっと離れた場所にした」
「あの部屋いい感じの部屋だったのに残念」
由里香もよく遊びにきてくれていたから残念そうにしてる。
「今度の部屋も良さそうよ。通勤が15分ぐらい長くなったのが欠点ぐらいかな」
「朝の15分はきついよー」
お弁当を食べる由里香に苦笑しながら頷く。
今の家よりもちょっと遠くなるけど広めだし、キッチンも広い。
過ごしやすい部屋になりそうだなと今から楽しみ。
「引っ越しするって聞いたから一緒に住むのかと思ってたのに」
小声で言われてまた苦笑。
「その話にもなったけど、まだ早いかなって」
「んー、その気持ちはわからないでもない」
もぐもぐする由里香に影が落ちる。
「何がわからないでもないんだ?」
「連司!」
顔を上げると滝がいた。
「お疲れ様!今からご飯?」
「おー。打ち合わせが長引いてな」
由里香の隣に座ってお弁当を広げる滝。
その中身はさっき由里香が食べてたものと同じ。
「今日も美味そー」
「このピーマンの肉詰めは自信作!」
「マジ?いただきまーす」
楽しそうに食べてる2人を見て智に会いたくなった。
【今日、夜電話できたりする?】
そう送るとすぐに【もちろん!!】と返事が来て思わず笑ってしまった。
土曜日の今日は智が地方に行っているので自分の家で片付けを始めることにした。
断捨離もできるからいい機会だ。
「…思ったよりも捨てるものが多い」
服に使わないバック、読まなくなった本などなど。
普段から買ったら捨てるをしてるつもりだったけど、意外と残ってる。
「服とバックは由里香いるかな…あ、桜ちゃんに連絡するのもありかな」
いらなくなった服とバックを写真を撮って2人に送る。
服は私がもう着ないだけでまだまだ着れるし、由里香も好きな系統だ。
なんて思ってたら桜ちゃんから電話。
「もしも【蓮華ちゃん!!もらっていいの!?】
出た瞬間に耳がキーンとなる。
「さ、桜ちゃん落ち着いて」
【あ!ごめんなさい!】
慌てた様子の声に思わず笑う。
「引っ越しをするから断捨離しててね。状態もそんなに悪くないからどうかなって。
私のお古で申し訳ないけど」
【めちゃめちゃ欲しい!蓮華ちゃんになれちゃう!!】
智と2人兄妹だから私のことを本当の姉のように慕ってくれてるのが嬉しい。
「よかったらウチに来て試着してみる?」
【行く!今日空いてるから今から行っていい!?】
「え、散らかってていいならいいけど」
【1時間で行くから!!】
電話が切れてポカーンとしてしまった。
1時間後、本当に来た桜ちゃんはテンションが高い。
「お邪魔します!!」
「どうぞ。散らかっててごめんね」
「ううん!押しかけたのは私だから!」
部屋に案内して出していた服たちを見せる。
「わー!かわいい!」
「あの後も整理してちょっと増えたの。気になるのあれば試着していいからね」
「いいの!?嬉しい!」
そこからはファッションショー状態。
楽しそうに着替えてる桜ちゃんを見て微笑ましくなる。
ピロンッと携帯の通知音が鳴った。
【私は全然いいよ!残った服があったらまた教えて】
由里香に事情を説明して一旦待ってもらいたいと伝えた返事だ。
ありがとうとごめんのスタンプを送る。
「蓮華ちゃん、これどうやって着るの?」
「これはね」
2人で楽しくファッションショーをして持って帰る服とバックを決めていく。
「やっぱり蓮華ちゃんの服、綺麗なお姉さんって感じ!」
「そう?」
「うん!私も社会人になったらこういう服に着なきゃかなー」
その言葉にそっか、となった。
「そうだ。啓太と同い年だから就活だ」
「蓮華ちゃんの弟のこと?そうだよ」
啓太から就活についての相談も来るようになったと思ってたところだ。
「んー、でも就職先によるよ。ウチはオフィスカジュアルOKだけど商談に付いてく時はジャケットとパンツだし」
「そっかー。蓮華ちゃん、就活の相談とか送ってもいい?」
不安そうな桜ちゃん。
私はもちろん、と返事をした。
その日の夜、智が電話で「桜が自慢してくる!!」とちょっと不満そうだった。
妹ができたみたいで嬉しいのは内緒。
久しぶりの桜ちゃん登場でした。
実は啓太と同い年の桜ちゃん。
学校は全然違うのでお互いに名前だけ知ってる存在です。
そろそろ啓太にも智くんを会わせてあげないと。
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