81、 日常にしたいと思うのはわがままだろうか
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。
本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。
「と1/2」シリーズは不定期です。
智がお仕事に行ったのでテレビを見てボーッとしながらお見送りの事を思い出す。
『家にあるもの自由に使っていいからね』
『うん、わかった』
勝手に朝ごはん作った後だけどね、なんて思ってたらチュッとリップ音と唇に柔らかい感触がした。
『!!』
『んふふ。行ってきます』
『…行ってらっしゃい』
ギューッと抱きしめられ、見送った。
「…付き合ったら更に甘いんですけど」
淹れたコーヒーを飲みながら呟く。
『蓮華、かわいい』
『好き、大好き』
『愛してる』
昨日もベッドでずっと甘い言葉を囁かれてた。
思い出しても恥ずかしい。
「高校の時、こんなに甘い人だったけ?」
当時のことを思い出してもここまでではなかったと思う。
やっぱり、会っていない期間が彼をそうさせているのかもしれない。
熱くなった頬を押さえて一息つく。
テレビを見ながら今日の予定を立てる。
今日、明日は何も予定が無いからのんびりするけど、何もしないのはなぁ…。
とりあえず洗濯、掃除でもしてスーパーに行こうかな。
そんなことを思いながら残りのコーヒーを飲んだ。
***
レギュラー番組の収録で今日はグループでの仕事。
俺はルンルンで楽屋に入る。
「おはよ!」
元気に入ってきた俺にみんなキョトンッとしてる。
「お、おはよ」
「おはよー!!智くん!!」
「なんか、元気ですね?」
瑛太が怪訝そうに聞いてくる。
「ご飯食べてきたからかな?」
「珍しいね。朝食べてくるの」
ハルくんの隣に座るとハルくんが不思議そうにしてる。
「うん、今日作ってもらったんだ」
その言葉に楽屋の空気が止まった。
「…作ってもらった?」
「うん」
「智くんが作ったのではなくて?」
「うん」
「それって、もしかして…」
「うん!」
善ちゃん、瑛太、ハルくんの言葉に頷いていくと「えええーーーーー!!!」と叫び声が響いた。
【智の服、勝手に洗濯してもいい?】
蓮華からの連絡にOKのスタンプを送る。
朝一、メンバーか質問攻めだった。
『え、本当に?』
『お花ちゃんのことだよね?』
『マジで言ってます?』
みんなの質問に俺は「うん」しか答えなかった。
そしたら善ちゃんと瑛太は同じ反応。
『まじか…会わせろ!!』
瑛太に言われて頷いた。
言われなくても会ってもらうつもりだから苦笑した。
「連司くんには報告した?」
ハルくんとの待ち時間、ハルくんに聞かれて頷く。
「朝一番に」
朝、起きてシャワーを浴びる前にメッセージで報告をした。
そのせいか質問の嵐だった。
「ちゃんと直接報告するけどね」
「俺たちにもちゃんと2人揃って報告してね。特に瑛太が色々聞きたいだろうから」
苦笑するハルくんに俺は頷いた。
「とりあえず、おめでとう」
その言葉に泣きそうになった。
「ただいまー」
20時に家に帰るとパタパタ足音がした。
「お帰りなさい!」
蓮華が笑顔で迎えてくれる。
「うん、ただいま」
ギューッと抱きしめると蓮華も抱きしめ返してくれた。
「ご飯できてるよ。鯖の味噌煮」
「マジ!?食べる!!」
手を洗ってテーブルに行くと鯖の味噌煮とご飯と味噌汁とサラダ。
「うまそー!いただきます!!」
「いただきます」
一口食べるとめちゃくちゃ美味しい!!
「美味い!!」
「よかった。鯖のおかわりは無いけど、味噌汁の出汁で使った鰹節のなんちゃって佃煮はあるから」
蓮華が出してくれた佃煮はいつも蓮華の家で食べてたやつ。
「これ好きなんだ」
「よかった」
ふふっと笑う蓮華。
そんな蓮華を見て俺は更に欲深くなるのを感じた。
「俺、毎日蓮華の料理食べたい」
そう言うと蓮華は顔を真っ赤にさせた。
あ、プロポーズみたいだ。
「それは…いつかなるでしょ?」
「うん」
ニコニコで答えると蓮華は更に顔が真っ赤。
今日あった事を話しながらご飯を食べる。
本当にこの時間が好きだなーって思う。
ご飯も食べ終わって2人で片付けをして、ソファーでゆったり。
俺はあることを思い出して蓮華に声をかけた。
「あのさ、相談…というか提案があるんだけど」
俺の言葉に蓮華が不思議そうな顔をした。
こうやってずっと一緒にいるのが当たり前にしたいんだ。
しれっとみんなに報告をする智くん。
そりゃ、瑛太も怒りますわ。
智くんの提案とはなんでしょうね。
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