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過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する  作者: ひなた


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78、その時が来たのかもしれない 

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。


本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。

「と1/2」シリーズは不定期です。

「今年のライブ、冬なんだね」

【そうなんだよ】

ある金曜の夜。

智とテレビ電話をしている時に思い出した。

いつも夏ぐらいにやっていた記憶だ。

【今年からドームツアーになったから】

「そうだよね。おめでとう」

【ありがとう】

やっぱり疲れてる智。

「智、疲れてるでしょ?もう寝たら?」

【やだ。蓮華と電話できるタイミングも少ないんだから】

首を横にふる姿がなんだか幼い子みたいで可愛い。

「私は智が倒れる方が嫌よ?」

【…蓮華と話してる方が元気出るんだよ】

不貞腐れながら甘い言葉。

こっちが顔が赤くなる。

「もう!」

【へへっ】

むすっとしてると智がご飯を食べ始めた。

「えらい。ご飯食べてる」

【食べないと怒られるから】

「当たり前です」

そんななんでも無いような会話をしてる時に部屋の更新確認のハガキが目に入る。

「あー…そうだ、決めないと」

【ん?何が?】

「今年、部屋の更新なんだよね。この部屋気に入ってたけど今年は引っ越そうかな…」

記事の影響で部屋がバレてる可能性が高い。

嫌がらせはされてないけど、知らない人に付けられることも出てるし。

「気に入ってるからどうしようかなー」

【もしかして、記事のせいで?】

ハッとして智を見ると申し訳なさそうな顔。

「そんなこと無いよ!ただそろそろ引っ越してもいいかなって」

【でも気に入ってる部屋なのに引越しするの?】

痛いところを突かれて言葉に詰まる。

「うーん…まだ決めてないけどね」

【…】

智が納得してない顔をしていたけど、私は別の話をすることにした。


翌週、ランチを食べながら由里香に相談。

「部屋の更新がそろそろなんだけど」

「そうなの?」

「うん。引越ししようか悩んでる」

「え?だって今の部屋気に入ってなかった?」

驚く由里香に小さくため息をする。

「そうなんだけどねー…。まぁ、色々考えて引っ越した方がいいのかなーとも」

「あー…なるほど」

作ってきたお弁当のおかずである卵焼きを食べる。

ほんのり甘いのが我が家の味だ。

「…あのさ」

由里香が声をひそめて呟くので顔を近づける。

「そのお話はあっちにはしたの?」

気を使って名前を出さないでくれてるけど、智のことだ。

「うん。昨日」

「一緒に住もうってならなかったの?」

その言葉に思考が止まる。

「…ん?誰が?誰と?」

「蓮華とあの人」

「……え!?むぐっ」

思わず叫びそうになったのを由里香が口を塞いでくれた。

危なかった。

「あ、ありがとう」

「どういたしまして」

一息ついて考える。

「…そんなこと考えたことなかった」

「ええ?」

怪訝そうな由里香。

「そう言う話出たことないの?」

「…ちょっとは出たことあるけど、別にいつって話ではなかったし」

お正月に飲んだ時にいつか智の家に住むことになるとは確かに言われた。

でもあの時はまだまだ先のことだと思ってた。

「そ、それに別にそう言う関係じゃないし」

「あー…それはそうか」

由里香も自分のお弁当を一口食べる。

もぐもぐしながら考えてるみたい。

「でも…」

「でも?」

「…なんでもなーい」

ちょっとニヤニヤしている由里香を不思議に思いながらお弁当を食べた。


***

『今年は引っ越そうかな』

蓮華の言葉がずっと頭に残ってる。

それを聞いた瞬間に言いたかったのは「一緒に住もうよ」の一言。

でもまだそれを言える関係でもない。

「…どうしよっかな」

「どうしたの?」

呟くとハルくんが隣に座ってきた。

今日はみんなでライブのグッズ打ち合わせ。

「うーん…」

相談したいけど、ここだと言いずらい。

誰が聞いてるかわからないし。

「ハルくんって今日これだけ?」

「うん」

「俺もこれだけだから終わったらウチで飲まない?」

そう言うと蓮華関連だと理解してくれたのか、OK と返事をくれた。

すると俺たちも!!と善ちゃんと瑛太も騒いだのでみんなで宅飲みをすることになった。


打ち合わせ後、マネくんに送ってもらってみんなで飲み始める。

「で、蓮華さんと何かあったの?」

ハルくんに聞かれて首を横に振る。

「蓮華と何かあったわけじゃ無いけど」

「けど?」

「蓮華、今の家更新近くて引っ越すか悩んでて」

「ここに一緒に住んだらいいじゃん!」

善ちゃんが目をキラキラさせて言う。

俺は苦笑して答える。

「でもまだ付き合ってないし」

「付き合えばいいじゃん。てかまだ付き合ってないの?」

瑛太が怪訝そうに言う。

「俺たちが守るよって言ったじゃん」

「…そうだね」

何も言えないでいると、ハルくんが瑛太を落ち着かせる。

「瑛太、落ち着けって」

「ふんっ」

「智くん、ある意味そういうタイミングなんじゃない?」

「タイミング?」

頷くハルくん。

「変わるタイミングだよ」

その言葉がなんとなく腑に落ちた気がした。


その時が来たのかもしれない。

蓮華さんのお引越しをきっかけに智くんはどうするのでしょうか。


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