66、 会いたい気持ちを押さえきれなくなってきた
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。
本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。
「と1/2」シリーズは不定期です。
蓮華とのご飯の次の日。
俺はルンルンでドラマ撮影に向かう。
「大嶋さん、楽しそうですね」
マネくんがミラー越しに見てくる。
「うん」
昨日の蓮華とのご飯は楽しかった。
しかも家にはマフィンとチョコもあるから帰るのが楽しみ。
「よかったです、リフレッシュできたみたいで」
今回のドラマの役がちょっと難しく、行き詰まってたところがあったから心配してくれてたのだろう。
「うん。ありがとう心配してくれて」
「そんなの当たり前っす!」
ニッと笑う彼は本当に優しいな、と思った。
ドラマの現場に入って撮影が続く。
待ち時間で台本を確認してると隣に誰かが座った。
「?」
「お疲れ様です」
隣に座ったのは俺の後輩役の西田夏くん。
clear skyというグループのメンバーだ。
「お疲れ様」
「すみません、次のシーンが一緒なのでご相談が…」
「全然いいよ」
ナツくんとは今回初めてドラマを一緒にやるけど、しっかり者だ。
確か6個下って聞いてるけどそう思えないぐらい。
「ありがとうございます。なんとなく掴めた気がします」
「本当?ならよかった」
メモをしているナツくん。
その真面目な感じを見るとハルくんを思い出す。
「ナツくんって、うちのハルくんと似てるね」
「へ?」
「真面目でかわいい感じ」
そう言うとナツくんは不思議そうな顔をしつつ耳は赤くなってた。
今日の撮影が終わったのが午前1時。
マネくんが回してくれた車に乗って大きく息を吐く。
「はぁぁぁぁ」
「お疲れ様です」
マネくんは車の運転を始めた。
今日のシーンは結構重かった。
「あー…しんど」
「今日は結構重いシーンで終わりましたもんね」
「重いシーンで終わると気持ち引きずったままになるから困るんだよね」
そんなことをマネくんに言ってもしょうがないのはわかってる。
「明日は午後からなんで、この後はゆっくりしてちゃんと寝てくださいね」
「うん。ありがとう」
その後、ウトウトしてたら家に着いた。
マネくんにお礼を言って家に入るとすぐにソファーに座る。
「あー、疲れた…」
このまま寝てしまいたい気持ちがあるけど、ワックスもしてるからシャワーは浴びたい。
でも気持ちが乗らない。
「あー…どうしよう」
うだうだしてたらテーブルに置いてたマフィンを見つけた。
「…腹減ったなぁ」
立ち上がってマフィンを2個取り出して電子レンジで温める。
『食べる時は温めた方が美味しいかも』
蓮華が持たせてくれた時に言ってた。
温め終わるとふんわりとチーズとベーコンのいい匂い。
「うまそー」
昨日も食べて美味いのは知ってるのに思わず口にだす。
ソファーに戻って一口食べるとチーズとベーコン、ほんのり甘いマフィンの味が広がる。
「やっぱり美味い」
食べ続けるとなんだか体力が回復する気がする。
『智、ちょっとでも食べて寝ないと疲れも取れないよ』
蓮華が言っていた意味がわかった気がする。
でも、きっと蓮華が作ってくれた料理だからって言うのもある気がする。
「…あー、会いたい」
昨日会ったばかりなのに会いたい。
我ながら重症だ。
***
水曜日。
夕飯も食べてお風呂に入ろうかと思っていたら携帯が鳴った。
「もしもし?」
【蓮華、今平気?】
智の疲れた声が聞こえてきた。
相当疲れてる気がする。
「うん、平気」
【ごめんね、確認もしないで電話して】
「いいけど…どうしたの?疲れた声してるけど」
そう聞くと智は困ったように笑った。
【ちょっと仕事がね】
「…無理しないでね?」
【うん、ありがとう】
少し沈黙が続いた。本当にどうしたんだろう?
「智?本当に大丈夫?」
【…んー、早く蓮華に会いたい】
「え?」
【蓮華に会いたいって気持ちで爆発しそう】
智の言葉に顔が熱くなる。
「…爆発はされたら困る」
【うん。でもそんぐらい会いたい】
「…私もだよ」
そう呟くと智はふふっと笑った。
一日でも離れたくないぐらいキミといたいんです。
バレンタインの後のお話。
楽しかったし、嬉しかったからこその反動ですね。
そして「メンバーカラーは無色透明を希望します!! 」のナツくん登場してもらいました。
時間軸はこちらのお話の方が無色透明より未来のお話です。
====
いいなど思った方は、ぜひブックマーク、評価をよろしくお願いします!
していただいたら作者のモチベーションもめちゃ上がって喜び狂い、発狂します( ´ ▽ ` )
感想もお待ちしております(^ ^)




