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過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する  作者: ひなた


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69/118

65、 気持ちを込めて

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。


本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。

「と1/2」シリーズは不定期です。

2月19日。

今日は午前に取材後、休みになるから蓮華の家でご飯だ。

楽しみでしょうがない。

今日はリクエストで煮魚だ。

「大嶋さん、なんだか嬉しそうですね」

ライターに言われてハッとする。

「え?そうですか?」

「ええ、とても」

「あははー…」

笑って誤魔化す。

三倉さんに注意されたから気を引き締めないと。

取材を終えてマネくんの運転する車に乗る。

「お疲れ様です。今日は家ですか?」

「ううん。今日は違うとこで降ろしてほしい」

蓮華の家の近くの住所を伝えるとマネくんはどこに行くかわかったみたい。

「了解です」

マネくんの運転を始めてからウトウトしてきた。

気づいたら寝ていたらしく、マネくんに起こされた。

「大嶋さん、着きましたよ」

「んあ?」

「お疲れですね」

苦笑するマネくん。俺よりもマネくんの方が疲れてると思うけど。

「ごめん、ありがとう」

「いえ、ではまた明日迎えに行きますね」

「うん、よろしくね。お疲れ様」

「お疲れ様です」

車から降りて歩き出す。

何回も通った道だけど、夜が多いから明るいのはちょっと新鮮。

周りを楽しんでると小さな花屋を見つけた。

外に置かれた花を見つめてると蓮華が嬉しそうに花を見つめていたことを思い出す。

俺はそのまま花屋に入って行った。


***

午前中に掃除をしてご飯を作る。

今日は煮魚とサラダ、キャベツの浅漬けとお味噌汁、ひじきご飯。

智が好きなものばかりだ。

時間は14:40。もうすぐ来るはずだ。

「そろそろかなー」

TVを見ているとインターホンが鳴った。

モニターを見ると智。オートロックを解除してしばらくするとインターホンまた鳴る。

玄関のドアを開けるとニコニコの智。

「お疲れ様、おかえりなさい」

「うん、ただいま」

外の冷気を連れて智が中に入る。

「外、やっぱり冷えるね」

「そうね。今日は日が出てるけど寒いらしいわね」

料理を温め直してる間に智は自分のダウンを定位位置になった場所にかける。

手を洗って一緒に料理を出してくれる。

「あー、いい匂い!腹減ったー」

「お待たせ。さ、食べよ?」

ビールのロング缶を2人で分けて乾杯をする。

「お疲れ様」

「かんぱーい」

カチンッとグラスを合わせて飲むと暖房で乾いていた喉にちょっと沁みる。

「今日も美味そうだなー、いただきます!」

ルンルンと文字を背負ってる智に苦笑する。

智は煮付けを食べるとまた頬がゆるむのがわかる。

「うっまーい!」

「よかった」

「やっぱり、蓮華のご飯最高だなー」

次々と食べる智に嬉しくなる。

「あ、今日お魚だから日本酒も買ったんだけど」

「飲む飲む」

お猪口とミニボトルの3種の飲み比べセットを持ってくる。

「美味しそうだなーって思って」

「飲み比べセット!いいね」

ウキウキして準備をする智。

智とお酒を飲みながら楽しくご飯を食べるのがやっぱり好きだな、と改めて思った。


ご飯を食べ終えて片付けをして冷蔵後から箱を出す。

「いっぱい食べたわね」

「うん、明日はライブの練習日だから消化される」

「…本当、羨ましいわね」

そう言って隣に座ると智は不思議そうな顔をした。

「蓮華?」

「…今年も、同じ生チョコなんだけど」

おずおずとラッピングした箱を差し出すと智の目が輝いた。

「ありがとう!準備してくれたんだ!嬉しい!」

「同じ抹茶とオレンジピールだよ?」

「言ったでしょ?俺、蓮華のチョコだけ食べれるって。食べていい?」

頷くとニコニコの智はラッピングを外して箱を開ける。

中にはいつもの生チョコ。

一緒に入れていたピックで1粒食べる智。

「んー、美味い!」

本当に嬉しそうにしてくれてホッとする。

「あと…これ」

後ろから出したのは透明な袋にラッピングしたミニマフィン。

「カップケーキ?」

「ミニマフィン。チーズとベーコンの甘くないマフィンなの」

由里香に手伝ってもらって作ったマフィン。

小さいサイズで数個袋に入れてある。

「智、甘いの苦手だから…でも、チョコもあげたいしって思って」

目を泳がせていると手が温かくなった。

見ると智の手に包まれてた。

「ありがとう。これももらっていい?」

顔が熱くなるのがわかる。コクンと頷くと智は袋を受け取った。

「こんなに用意してくれてありがとう。料理もあったのに大変じゃなかった?」

「全然!楽しみだったから」

自分の言葉に更に恥ずかしくなる。

ガサガサッと袋を開ける音。ふわっとチーズとベーコンの香ばしい匂い。

「うん!美味い!」

智を見るとさっきと同じように嬉しそうに食べてる。

「よかった」

「めちゃめちゃ嬉しい。本当にありがとう」

「口にあってよかった」

ふふっと笑うと智も後ろから何かを取り出して差し出してきた。

目の前にふわっと甘い香り。

「え?バラ…?」

そこには赤いバラの花束。

「これは俺からのバレンタイン」

はい、と渡されると赤いバラとかすみそう。

「なんで…」

「海外だと男性から女性に渡すでしょ?」

フニャッと笑う智にドキッとする。

「ありがとう…」

「うん」

嬉しくなって頬がゆるむ。

「ちなみに11本」

「11本?なんで?」

智がその意味を教えてくれた後、顔がずっと熱かった。


キミへの気持ちをお菓子と花に込めて

バレンタインのお話でした。

マフィンを贈る意味は「あなたは特別な存在」です。

そして11本のバラの意味は「最愛」。


智くん、実は花束がバレないように紙袋(ちゃんと閉じて)で持ってきてました。


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