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過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する  作者: ひなた


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62、 頑張れる理由がある

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。


本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。

「と1/2」シリーズは不定期です。

1月も仕事は順調に進んでホッとしてる。

この仕事は場合によっては撮影日が伸びたりするから休みが無くなったりする。

今日は事務所でライブの打ち合わせ。

夏から冬にかけてライブだ。

「あれ?俺だけ?」

「みたいですね。座って待っててください。俺、経理に用事があって」

「オッケー」

マネくんに言われて椅子に座る。

ダラーッとしていたら携帯が震えた。

【今からお昼休憩。智は今から仕事だっけ?】

蓮華からのメッセージに頬が緩む。

【うん。今日はみんなで打ち合わせ。4人揃うの久しぶりなんだ】

ワクワクしてるスタンプを送って携帯を置く。

付き合っているとは言えないが、似たような関係。

早くちゃんと伝えられるようにしないと。

「…頑張んないと」

そう言って目を瞑るとガチャッとドアが開いた。

顔を上げると三倉さんだった。

「お疲れ様、智」

「お疲れ様です。お久しぶりですね」

「そうね。私が現場に行くことなくなったから」

昔はずっと三倉さんが現場にも着いてきてくれてたけど、

俺たちの仕事が増えて個人の仕事も増えたから個人にマネージャーをつけて

三倉さんは全体を管理してるチーフマネージャーだ。

「智、最近調子いいわね」

「え?あ、はい」

俺の前に座る三倉さん。なんか探られてるような雰囲気。

「立て続けにドラマや映画も入れてたから体調の心配してたけど、それも大丈夫そうね」

「それは大丈夫です。ちゃんと寝るようにしてるんで」

寝ないとダメな体質なので少なくとも3時間は寝るようにしている。

ハルくんや瑛太は徹夜でも大丈夫らしいから羨ましい。

「そう」

「三倉さん?何か聞きたいことでもあります?」

三倉さんが何かを言いたいんだろうと感じる。

そういうこともわかるようになったのが大人になったな、とふと思う。

三倉さんは小さくため息をついた。

「恋人、できた?」

「いいえ」

「本当に?」

「本当にできてません」

恋人はできていない。間違ってはいない。

ここで「できました」と言えないこの状態が悔しいし悲しい。

「…そう」

どう見ても納得していない三倉さん。

「なんで、そう思ったんですか?」

そう聞くと三倉さんはジッと見てくる。

「何年見てると思うのよ。最近、いつも以上に頑張ってるし、常にどこか楽しそうと言うか嬉しそうと言うか」

「…」

「何か、守りたいものができたんだろうなと思ったのよ」

さすが、ずっと見ててくれた人だ。

今はずっと一緒にはいないのにわかってる。

三倉さんは椅子から立ち上がった。

「とりあえずはいいわ。前も言ったけれど、プライベートでも気をつけなさい」

「はい」

「いつ見られてるか、撮られるかわからないから。今、ありがたいことに人気も出てるから特に恋愛ごとは」

「…はい」

頷くと三倉さんは「また打ち合わせの時くるわ」と言って出ていった。

『いつ見られてるか、撮られるかわからないから』

「…いやだなぁ」

気持ちが暗くなる。

『…大切だからこそ、ちゃんと考えなさい』

デビューが決まった次の日に言われた言葉を思い出した。


打ち合わせをして1時間。

ちょっと休憩することになった。

「瑛太、それなんのゲーム?」

「善にはできない頭脳パズル」

「何ー!!俺だってできるし!」

ギャーギャーしてる2人を眺めてお茶を飲む。

打ち合わせもボーッとした感じになってしまった。

「智くん、疲れてるの?」

ハルくんに聞かれて俺は苦笑する。

「ううん、疲れてはない」

「じゃあ…何かあった?」

あいかわらず気がつくな、と思った。

「うーん、あったっちゃあったし、ないっちゃない」

「何それ」

「俺の気持ちの問題、かな」

心配そうにしてくれるハルくん。

どうしようかな、って思ってると携帯が振えた。

【本当、メンバーさんが好きなのね。仲良し】

続けて写メが送られてきた。

【会社の自販機にRuneの広告が貼ってあった】

そうメッセージが届いて思わず笑う。

「?どうしたの?」

「これ」

蓮華からのメッセージを見せるとハルくんはああ、と納得した。

「気づいてくれたんだね」

「みたい。嬉しいな」

そう言いながら返信をする。

【そうなんだ!でも確かそれ、一週間前からだよ?】

飲み物を買って移動しているのか、すぐ返信がきた。

【え、嘘!最近仕事の話しながら買いに来てたから気づかなかったのかな】

ごめんの可愛いスタンプに暗かった気持ちが軽くなる。

やっぱり蓮華がいるから頑張れるんだな、と実感する。

「ねぇ、ハルくん」

ハルくんは俺を見る。

俺はネックレスを触りながら呟く。

「俺、頑張るよ。全部守れるように」

「…うん。俺も一緒に頑張るよ」

ハルくんはどう感じたのかわからないけど、そう言ってくれた。


今度こそ、守り切って見せるんだ。

久しぶりの三倉さん登場。

チーフマネージャーになってます。

ハルくんはきっとなんとなく言いたいことがわかってるでしょう。


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