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55と1/2、 真剣だからちゃんとしたい

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。


本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。

「と1/2」シリーズは不定期です。

4人でプチ忘年会をして、2人が帰った後、ゆりと片付けをしていた。

「あそこのお肉屋さんのメンチ、美味しかったね!また買おうっと」

「惣菜も美味かったなー。ちょっと高いけど、疲れた時には買って食べるのありだな」

ゆりが食器を洗って俺がテーブルを片付ける。

テーブルを片付けたら皿拭きだ。

「ありがとう」

「ゆりも皿洗いありがとうな。あいつら軽く片付けてくれてたからラクだわ」

俺が持ってた酒も開けたから結構飲んだけど、ちゃんと片付けて帰る2人。

律儀だなーって思う。

「蓮華も雨宮くんもちゃんとしてるよね。酔っ払ってても」

「なー。一回でもいいからベロンロンに酔わせてやってみたいわ」

そんな話をしていたら食器も片付いた。

同棲してから2人で家事をしている。

一応分担は決めてるけど、相手ができない時は代わりにやるし、感謝を伝える。

それが同棲を始めた時のルールだ。

もちろん、喧嘩も増えたけど、その後はちゃんと仲直りする。

というか、ゆりが心が広いのが一番な気がする。

「ゆり、まだ飲めそうか?飲めるならいい日本酒見つけたから一緒に飲まない?」

「飲みたい!じゃあお水と…イカの塩辛とか出す?」

「いいな。さっき買った柿ピーもつまむか」

2人で笑い合いながら準備をする。

こういう時間がずっと続けばいいのにと思う。

準備してリビングのソファーに座る。

つまみは柿ピー、イカの塩辛、さっき買ったいぶりがっこを刻んでとクリームチーズと混ぜてクラッカーに乗せたもの。

「じゃ、乾杯」

「乾杯」

カチンッとお猪口を当てる。

一口飲むと米の甘味が広がる。

「おー、美味い」

「飲みやすーい!気をつけないと」

ゆりが笑う顔は酔ってるなーとわかる。

同期4人組のうち、ゆりは普通だけど、他3人はまぁまぁ強い。

だから俺たちに合わせて飲もうとするからいつも止める。

「ちゃんと水も飲めよ?」

「わかってるよー」

ぷくっと頬を膨らませる姿が可愛いと思うのは心底惚れてるんだなって思う。


『滝って由里香のこと好きでしょ』

『は!?何、急に!!』

入社後の研修帰りに中倉と話してた時に急に言われた。

『何って…だって、由里香みたいな元気で癒し系タイプじゃない』

高校の時の彼女を思い出してるのだろう。

『ま、まぁ…』

『それにすっごい大事そうに見てる』

『え?』

『昔、滝が言ってたじゃない。智が私を本当に大事そうに見つめる時があるって。

あの時はわからなかったけど、今の滝を見てたらわかった気がする』

中倉は懐かしそうに、どこか悲しそうな顔をしていた。

『人って、好きな人を見つめる時って本当に優しい目をするんだなーって』

『…俺、そんなに?』

『うん。ベタ惚れしてるわね』

出会ってまだ数回しか会ってなかったのに、そんなに惚れてたんだって初めて気づいた。


「…人のこと言えないな」

ぽつりと呟くとゆりが不思議そうな顔をした。

「?何が?」

「んー?俺も智も似たもの同士だなーって」

日本酒を飲むとさっきよりも甘く感じる。

「あ!そうだよ!びっくりしちゃった」

クラッカーを手に取ってゆりがクスクス笑う。

「あのRuneの大嶋智と親友なんて。そんな人が彼氏だと思わなかったよ」

「あー…まぁ、色々あって言わないことにしてたんだ」

「色々?」

ちょっと言いにくいことだけど、ちゃんと伝えないとなー。

「ゆりには嫌な気持ちにさせる話なんだけど」

「うん」

「高校の時…智がデビューしてから俺が智と親友ってことが広がって、いろんな女子が近寄ってきたんだ」

「…うん」

「智目当てってわかる子はわかった。

そういう子は避けてたんだけど、普通に俺と付き合いたいって子がいて、付き合ってたんだけど」

今思い出しても気分が悪い。

「ある日、その子が友達と話してるの聞いたんだ。俺と付き合ってるのは智に会うためだけだって」

「…」

「その子とはすぐ別れて、高校の時は彼女作ることすらしなかった。大学行っても疑心暗鬼で付き合っても3ヶ月ぐらいだったな」

「え?そうなの?」

俺は苦笑する。

「高校の時は中倉も知ってる。聞いてみてもいいぞ?」

「…そこまで疑ってないよ」

「ありがとう」

小さく笑って座り直してゆりの手をとる。

「黙っててごめんな。智と親友ってわかっても忙しくて話せなかったし」

「展示会もあったからね」

「でも、ちゃんと智に紹介したかったのは本当だから。面と向かって、俺の自慢の彼女と親友だって」

そう言うとゆりはいつもの笑顔。

「うん、ありがとう」

「年明けにでも予定合わせて紹介するな」

「急がなくても大丈夫だよ。でも楽しみにしてる」

ありがとう!と抱きついてくるゆりを抱きしめ返す。

「…ありがとうな」


残りの人生をずっと一緒にいたいからちゃんとしたいんだ。

久しぶりの「と1/2」シリーズです。

連司と由里香のお話。

実は自分から好きになったのが由里香が初めてな連司くん、という設定です。

キュンキュンしちゃう。


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