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54、 ちょっと会いたかったのは秘密

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。


更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。

夕方、展示会の設営も終わって会社に戻るといつもよりも賑やかだった。

「なんか、騒がしいなぁ」

「なーかーくーらー」

ガシッと肩を掴まれて思わず声が出る。

「ひっ!?」

「ちょっと顔かせ」

振り返ると疲れ切った滝がいた。

「ちょ、私これから書類処理…」

「いいから!」

腕を掴まれで休憩室に連れて行かれる。

行く途中、いろんな人に声をかけられる滝。

元々人気者だけど、今日はやけに多いな…と思った。


コーヒーを買う滝から衝撃なことを聞く。

「え?智が来たの?」

「そー。しかもハルまで」

グッタリした滝は近くの椅子に座る。

私もほうじ茶を買って座る。

「なんで?」

「正月特番のコーナーでうちの会社訪問があったらしい。

たまたま裕也のデスクで確認作業してたら智たちがシステム部に来たんだよ」

「すごいタイミング」

滝は頭を掻いた。

「マジでビビるって。会社で智に名前呼ばれるんだぞ?最初幻聴かと思ったわ」

「まぁ、ここにいるわけないからね」

「そこで友達ってバレたから周りの奴らから質問攻めで一日終わったわ」

「お疲れ」

苦笑して労う。

「お前、聞いてた?智たちが来るって」

「知らないわよ」

「だよなー。とりあえず、タイミングよく中倉いなくてよかったよ」

「え?」

コーヒー飲んで滝が立ち上がる。

「だって、そんなんテレビで流れてみろ。高校の同級生やら同学年の奴ら騒ぎ出すだろ」

「そんなことないでしょ」

「そんなことあるって。お前ら有名カップルだったし、過去のことなんてバラすやつ絶対いるし。

それにSNSで何か言われてみろ。智は慣れてるかもだけど、中倉の生活に支障出るようになるだろ」

そう言われると何にも言えない。

智と付き合い始めた時も嫌がらせがあったぐらいだ。

今色々知られると嫌がらせのレベルを超えて何かされそうだ。

「中倉のことは何も話さないで終わったから大丈夫だと思うけど、一応気をつけろよ」

それを言いたかったのか、と呼び出された理由を理解した。

「うん。ありがとう」

お礼を言うと滝は「おう」と答えた。


残業をして帰宅途中の電車。

ウトウトしていたら携帯が鳴った。

デスプレイには【智】の表示。

「…今日のことかな」

一旦切って、【電車だから15分後に電話するのでもいい?】と送るとOKのスタンプが返ってきた。

15分後、家に到着。手洗いをして水を飲みながら座って電話をする。

1コールで出たから驚く。

「あ、もしもし?」

【お疲れ、蓮華】

2週間ぶりぐらいの智の声に嬉しくなる。

ちょっと前までは1ヶ月以上会わない、電話してない状況だったのに。

「お疲れ様。ごめんね、電話出れなくて。今仕事?」

【今日はもう終わり。だから電話したんだ】

智もちょっと疲れた声。

年末年始に向けての仕事が尋常じゃないと言っていたのを思い出す。

「疲れてるでしょ?ちゃんと休んでね」

【蓮華の声聞いてたら元気になるよ?】

そう言われて顔が熱くなる。

智はこういうことをサラッと言う。

「…ばか」

【ふふ。あ、そうだ。今日、蓮華たちの会社に行ったよ】

智が思い出したように言う。

「そうらしいわね。滝が周りから質問攻め受けて疲れ切ってた」

【あちゃー。悪いことしたなー。でも連司見つけたから思わず声かけちゃったんだよね】

「智らしいわね」

【そう?いつもの連司と違ったから新鮮だねってハルくんと話してた】

「そう」

クスクス笑うと智も笑った。

【今日、蓮華いなかったんだってね】

「そうなの。明日からの展示会の準備で一日外出してたから」

【そっか、残念。会いたかったな】

その言葉にまた顔が熱くなる。

「…智は、年末まで忙しいの?」

【そうだね。大晦日〜元旦の年越し番組にも出るし】

「大変ね」

【もう慣れたけどね】

少しの沈黙。

全然会えないんだな、と思っていた。

【…年明けの仕事は、5日からなんだ】

智が呟くように言う。

「うん」

【2日は実家帰ったりするけど、3日は空いてる…と言うか空けてるんだ】

「…うん」

【…蓮華、3日って空いてるかな?】

嬉しくなって頬が緩む。

「うん、空いてる」

【一緒に過ごさない?外は人が多いから出れないけど、俺の家か蓮華の家で」

「お正月パーティー?」

そう聞くと智のふふっと笑う声が響く。

【そうだね。お正月パーティーしよう】

「うん」

そこからは他愛もないことを話して電話を切った。

スケジュールアプリの1月3日に【正月パーティー】と入れる。

「…楽しみだなぁ」

ふふっと笑って湯船にお湯を貯めるために立ち上がった。


本当はちょっと会いたかったって思ってたのは言わないんだ。

蓮華さんと智くん、電話のお話。

実は会いたかったと思いつつ、連司くんが羨ましかった蓮華さん。

そんな連司くんは質問攻めが凄すぎていつものしごデキオーラは皆無になりました。


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