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過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する  作者: ひなた


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49、 いつか必ず

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。


更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。

誓いをしようと決めてデートに誘ったんだ

だから…


しばらく車を走らせて目的地に到着する。

ちょうど夕方になってきて暗くなってきた。

「着いたよ」

「ありがとう」

智と降りて向かうのは展望台。

昼間の景色も綺麗らしいけど、夕方のこの時間が一番綺麗らしい。

階段を登って到着すると目の前がひらけて風が吹く。

「わー!綺麗」

夕日と夜のグラデーションに街と海。

ポストカードとかにありそうな綺麗な景色に思わず無言になる。

「せっかくだから写真撮ろっか」

智の提案に頷く。

すると智が携帯をインカメラにして私に顔を近づける。

「ちょ!」

「寄らないと入んないから」

携帯で角度を調整する智の体温と香水の香りに顔が熱くなる。

「撮るよ?」

「う、うん」

「はいチーズ」

カシャッとシャッター音がした。

「キレイに撮れた。蓮華にも送るね」

見せてくれた写真は楽しそうに笑う私たちと綺麗な景色。

「うん。ありがとう」

送ってもらった写真を見る。

それを見て思い出して小さく笑う。

「どうしたの?」

「ううん。付き合ってた時、よくこうやって写真撮ってたなって」

「…そう、だね」

ハッとして慌てて謝る。

「あ、ごめん。別に責めてるとかじゃなくて、単純に思い出しただけで」

「蓮華」

名前を呼ばれてビクッとする。

顔を上げると真剣な目をした智がいて、何かが変わる予感がした。


蓮華の戸惑ったような顔を見て、可愛いなと思う自分は重症だと思う。

「俺たち、再会してもう少しで一年になるよね」

「そう、だね」

「俺が勝手に会いに行ったのに、蓮華は追い返さないで話してくれて嬉しかった」

どうして、という顔をしながらも家に入れてくれた。

その後も家に行けばご飯もご馳走してくれた。

それが俺にとってどれだけ嬉しかったか知らないだろ?

「蓮華は俺が来るのどう思ってた?」

そう聞くと蓮華は目を逸らした。

「それは…最初はなんでって思ってたけど」

「うん」

「…智と話したり、会えるんだって思うと楽しみだなって思ってた」

少し顔を赤くして言う蓮華。

楽しみにしていてくれたことが嬉しい。

「そっか。ありがとう」

「でも、智は大変じゃない?私と会うって気を張るだろうし」

きっと蓮華は写真を撮られたり、どこから情報が漏れるのを心配してくれているのだろう。

「ありがとう。俺は全然大丈夫。それに…何かあっても必ず蓮華を守るから」

「え…?」

だんだん暗くなっていき、電灯がついていく。

「あの頃の俺は蓮華とグループを両方守るってことができる自信がなくて」

「…うん」

「俺のせいで蓮華が傷つくことが多くなるかもって思ったら絶対に嫌だし、蓮華を泣かせたくない。

そう思ったら手を離すことが一番守れると思ったんだ」

結局は泣かせてしまったけど、と小さく呟く。

蓮華はジッと俺の言葉を聞いてくれている。

「メンバーからも連司からも怒られたよ。もっと人を頼れって」

「…うん」

「でも、俺は自分にもっと自信を付けたくて、ひたすら仕事をしてたんだ」

この頃はどこか必死でハルくんに心配されていた。

早く蓮華を守れるようにしたかった。

「そんな時に連司から蓮華と同じ会社になったって聞いて…彼氏がいないって聞いて、会いたいって思ったんだ」


仕事もレギュラーができて、ドラマにも出るようになった。

ライブも規模が大きくなってきて、メンバーにも甘えることを覚えた。

何よりも、グループも蓮華も守れるようになったと思えるようになってきた。


「しばらくは仕事が立て込んでたからすぐに会いに行けなかったけど、一旦落ち着いたからあの日会いに行ったんだ」

久しぶりに会ったキミは大人の女性になってた。

けど、どこか変わらない部分もあって、やっぱり好きだなって思った。

蓮華を見ると不安そうな、泣きそうな顔。

「俺さ、もう蓮華から離れられないんだ。この一年ですごく感じた」

手を取ると冷たくなっていて、そっと包み込む。

「だから気持ちも隠さずに伝えた」

「…う、ん」

「伝えた気持ちは高校の時から変わらない。ずっとずっと好きだし、今後も蓮華だけだ」

涙を堪える蓮華。

「もう二度と蓮華から離れないって誓うよ」

蓮華の涙が溢れ出す。俺も泣きそうだ。


「絶対に蓮華に伝えたい言葉があるんだ。それを伝えられるようになるまで、蓮華を必ず守る」

「…!!」

「だから…それまで一緒にいてもいい?」

この関係をちゃんとした言葉にはまだできない。

それはまだ俺が事務所に話すのに力が足りない。

でも必ず伝えるから、それまでキミを守るから一緒にいさせてほしい。

たとえ我が儘だと言われても。


「…っつ」

泣きながら頷いてくれた蓮華を抱きしめる。

「ありがとう」

「も、う、不安に、ならなくて、いいの…?」

ギュッと抱きしめ返される。

俺はさらに抱きしめる。

「うん。俺は絶対に蓮華だけだから。何を言われても俺を信じてほしい」

コクコクと頷いてくれる蓮華。俺は嬉しくて泣きそうになる。

蓮華が落ち着いてから体を離して、ポッケから1つの箱を出す。

「これ、よかったら」

「え?」

受け取った蓮華は箱を開ける。

そこにはワンポイントのネックレスが2つ。

「ネックレス?」

「そう。こっちがオパールのネックレス」

箱の中のネックレスと取って蓮華につける。

「こっちはルビーのネックレス。蓮華、俺に付けてくれる?」

頷いた蓮華はネックレスを取って俺に付けてくれた。

「俺は会えないことの方が多いから。蓮華の誕生石と俺の誕生石をお互い付けてたらいいかなって」

俺の説明に顔を赤くしながらも嬉しそうな蓮華に俺も嬉しくなった。


いつか必ず一緒にいられる言葉を指輪と一緒に伝えるから待っててほしい

智くんの意思表示のお話です。

いつか指輪を持って蓮華さんに伝えられるように智くんはより一層頑張ります。

オパールは10月(智くん)の誕生石、ルビーは7月(蓮華さん)の誕生石。

ネックレスが2人の支えになるでしょう。


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