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過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する  作者: ひなた


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42、 花言葉を知った日から特別な花になった

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。


更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。

智の誕生日から数日後。

土曜日の午前中に私は掃除をして買い出しをしていた。

「きのこと、栗と…」

今日は智が好きな栗の炊き込みご飯ときのことシャケのホイル焼きをメインに作る予定。

和食が好きなのは変わらないのはわかった。

記憶がある智が好きなメニューにした。

そして用意したプレゼントを思い出す。

「…喜んでくれるといいな」

ポツリと呟く自分に思わず苦笑してしまった。


料理をしていると気づけば夕方になっていた。

一人暮らしのキッチンはやっぱり時間がかかる。

「あ、そろそろかな」

16時に仕事が終わると言っていたのを思い出していたらチャイムが鳴った。

見ると智がいた。

オートロックを開けて、またチャイムが鳴ったので玄関のドアを開ける。

「お待たせ」

フニャッと笑う智に私は小さく笑う。

「お疲れ様。上がって」

「おじゃまします」

智を部屋に迎える。定位置になった場所に座った智。

それを見てなんだか嬉しくなった。

「ちょうどできたんだ」

ホイル焼きと胡麻とほうれん草の和物、味噌汁と栗ご飯、肉じゃがをローテーブルに置く。

智が嬉しそうにしていた。

「わ!俺の好きなのばっか!」

「口に合うといいけど」

最後にグラスとビールを出す。ロング缶を二人で分ける。

「智、お誕生日おめでとう」

「ありがとう」

カチンッと合わせて飲む姿は本当に嬉しそうだった。

「どれも美味しそう!」

「口に合うといいけど」

智はホイル焼きを食べると更に嬉しそう。

「うまい!」

「よかった」

すごい勢いで食べる智。

「そんなにお腹空いてた?」

「今日、蓮華のご飯食べるからお昼抜いた」

「え?お昼抜いたの?」

思わず聞き返す。

「うん。だって蓮華の料理たくさん食べたかったし」

サラッとそんなことを言うもんだから、私が恥ずかしくなる。

「栗ご飯もうめー!味噌汁はなめこ?」

「うん、なめことお豆腐」

「これも俺好きー」

「おかわりあるから言ってね」

そう言うと智は嬉しそうに頷いた。


久しぶりの蓮華のご飯は俺の好きなものばっかりだし、美味しくて作った分を全部食べてしまったのではないかと思うぐらいに食べた。

「うあー、食べた食べた」

「食べ過ぎじゃない?大丈夫…?」

「大丈夫。明日には消化されるから」

そう言うと羨ましいと言う顔をされてた。

「入らなかったら食べなくていいんだけど…お祝いのケーキの代わり」

テーブルに出されたのは小さなフルーツあんみつ。

あんみつの上には「Happy Birthday 智」とチョコプレート。

「あんみつだ」

「智、甘いの苦手だからケーキ以外でって考えたらこれしか思いつかなくて…」

蓮華が申し訳なさそうにしてる。

「食べれなかったらいいの!私食べるから。ただ、お誕生日プレートつけてお祝いしたかっただけだから」

「そっか、嬉しいよ」

お祝いするならちゃんとやりたい!と昔から言っていたのを思い出す。

「改めてお誕生日、おめでとう」

「ありがとう。いただくね」

一口食べたあんみつは甘さが控えめで俺でも食べれる。

フルーツも俺が好きなものばかり。

「美味い!これなら食べれる」

「よかった。あ、でも無理しないで残してもいいからね」

「大丈夫だよ」

食べ続ける俺にホッとした顔の蓮華。

「あ、あとこれ…」

蓮華は小さな紙袋を取り出した。

差し出されたので受け取る。

「これ?」

「…誕生日プレゼント」

「え…、いいの?」

驚いていると蓮華は顔を少し赤くして頷く。

「うん。好みだといいんだけど…」

「ありがとう!嬉しい!開けていい?」

こくんと頷く蓮華に俺は箱を取り出す。

綺麗なオレンジのリボンがついてラッピングされた箱。

ラッピングを外して箱を開ける。

「これ…コインケース?」

小さめな四角い皮のコインケース。

ちょうど探していたから嬉しい。

「うん。智、コインケースが欲しいって言ってたって教えてもらったから」

「教えてもらった…?ハルくんに?」

教えてもらった、と言うことにちょっとモヤッとした。

コインケースが欲しいと言っていたのはメンバーにだけだ。

蓮華が連絡を取れるとしたらハルくんだけ。

「う、うん。智が欲しいものって何かわからなくて…滝に聞いても知らないって言われたから間宮さんに聞いたの」

俺が不機嫌になったからだろうか、蓮華が不安そうな顔をする。

「ごめん…いらなかった?」

「え?ううん。嬉しいよ。ありがとう!」

慌てて笑顔を作る。でもきっと蓮華には本心ではないとバレている。

嫉妬深い自分にも困りものだと思いながらコインケースを開ける。

左右に開くタイプで大きさもちょうどいい。

「めっちゃ使いやすそ、う」

開いた内側には金木犀が描かれてる。


『智の誕生花は金木犀だよ』

昔、蓮華が金木犀の花の香りを楽しみながら教えてくれた。

『へー、そうなんだ』

『うん!金木犀の花言葉が好きなんだよねー!』

『花言葉?何?』

『んふふー、なーいしょ』

教えてくれなかったので、後で自分で調べた。

その花言葉を見て金木犀は特別な花になった。


「金木犀…」

「…智の花、だから」

呟く蓮華の顔は耳まで真っ赤。

自分が嫉妬していたことが恥ずかしくなる。

「蓮華、抱きしめていい?」

そう聞くと蓮華はさらに顔を赤くして小さく頷いてくれた。

俺はギュッと抱きしめる。

自分より小さく、細い。でも安心する体温。

「誕生日、電話くれたのも嬉しかったし、今日も本当に嬉しかった。俺の好きな料理いっぱい作ってくれて、俺の欲しいものプレゼントしてくれて」

蓮華が小さく抱き返してくれる。それが嬉しい。

「さっき、ムスッとしてたのはハルくんと連絡してたって知って…嫉妬した」

「…え?連絡してたって言ってもプレゼントのこと相談したのが初めてで…」

「うん、俺の為だってわかってるけど…でも嫉妬した」

さらにギュッと抱きしめる。

「俺、バカだなぁ…」

「…智?」

「…今の俺に嫉妬する資格なんてないのに…バカだ」

目が熱くなる。

ずっと抱きしめる俺に黙って抱き返してくれる蓮華の優しさに涙が溢れた。

キミを一度手放したことを、こんなにも後悔していると改めて感じたんだ


金木犀の花言葉は「初恋」と「真実の愛」。これは蓮華に対する俺そのものなんだ。

智くん、お祝いのお話でした。

欲しかったのはコインケースで、蓮華さんのキーケース同様に内側に金木犀が彫られてます。

コインケース(財布)をプレゼントする意味は「いつも一緒にいたい」「私を大切にしてね」だそうです。


金木犀の花言葉は「謙虚」「真実の愛」「初恋」「陶酔」「気高い人」です。

どれも智くんにピッタリ。


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