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過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する  作者: ひなた


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38、 素直になっていいのだろうか 

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。


更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。

あれから1ヶ月が経った。

誕生日以来、智は家には来なかった。連絡は続いてる。

智たちは初のドームが昨日行われたと朝のニュースで見る。

歌う姿はすごく楽しそう。

【TVでドーム公演の映像見たけど、楽しそうでよかった。今日も頑張って】

メッセージを送ってTVを眺める。

「…楽しそうだなぁ」

ポツリと呟いた自分の声が大きく聞こえた。

『蓮華に恋した時からずっとずっと愛してる』

あの日の智の言葉を思い出す。

こんなにキラキラした人にそんなことを言われていいのだろうか?

『頼むから幸せになってくれよ…!』

初めて見た滝の涙と言葉。

その言葉が嬉しかった。

「…幸せ、か」

開けていた窓からフワッと朝の風が入ってきた。

ピコンッと通知音がして見ると智からの返信。

【ありがとう!めちゃ楽しいよ!今日も頑張ってくるね】

楽しそうなのが文字でも伝わる。

思わずクスッと笑ってしまった。


今日は由里香と買い物。

欲しいものを買って公園にあるカフェのオープンスペースでアイスコーヒーを飲む。

「美味しい」

「暑いもんねー」

由里香が楽しそうに笑う。

いつも由里香は楽しそうにしてるのが羨ましいと思っていた。

「由里香っていつも楽しそうね」

「ん?そうだね」

ふふっと笑う由里香は可愛い。

「仕事は楽しいとは思わないけど」

「それはそう。…滝といる時もずっと楽しいの?」

すごいこと聞いてるな、と自覚しながら聞いてみる。

由里香は少し考える。

「楽しいけど…どっちかっていうと安心?」

「安心?」

「うん。楽しいこともあるし、嫌だなーって思うこともあるよ」

その言葉に驚く。

「由里香でも嫌だなって思うことあるのね」

「あるよー!!私だって人間だし!同棲して連司と喧嘩することも全然あるよ」

いつもラブラブな2人からは想像できない。

喧嘩、してたんだ。

「でもやっぱり一緒にいて一番安心するんだよね。自然体でいていいよーって言われてるみたいというか」

それはわかるかも。ふと、智の顔がよぎった。

「だから休憩所みたいな感じかな。そう思える人だからずっといたいなーって」

そう笑う由里香。

私はそっか、と呟いた。

「…蓮華、最近ちょっと元気ないよね」

「え?」

「無理にとは言わないけど、私ができることがあったら言ってね」

その言葉に苦笑する。

「私、そんなにわかりやすい?」

「わかりやすいよー。でもわかるのは私たち3人ぐらいだと思うけど」

えっへんとする由里香。

「3人もいれば十分よ」

私はコーヒーを一口飲む。

「…由里香は滝から私の元彼の事、何か聞いてる?」

「うん。あ、でも詳しくは聞いてないよ。元彼さんとまた会ってて、その元彼さんが連司の親友ってことぐらい」

滝は智ということは言ってないのか、と思う。

「そっか。…その元彼にね、誕生日お祝いしてもらったの。由里香と遊んだ日の夜に」

「え?そうだったの?」

「うん。向こうの家でご飯作ってもらってプレゼント貰ったんだけど…」

由里香が次の言葉を待ってくれてる。

「…一緒に、ずっとずっと忘れられなかったって、言われたの」

優しい風が吹いて近くの木の葉が揺れる。

遠くで子どもが楽しそうにしている声。

「向こうがフったのに」

「…でも、蓮華は嬉しかったんだ?」

驚いて由里香を見ると優しい顔。

「え…?」

「蓮華、嬉しそうだよ?」

クスッと笑われた。

「気づいてないと思うけど、蓮華嬉しそうにしてるんだよ。今年に入ってから嬉しそうだなーって思うことが増えたけど、元彼さんと再会したからかな?」

話してなかった由里香も感じるぐらいだから相当だったんだろうな。

「私は蓮華が話したいと思ってくれるまで待つし、詳しくは分からなくても話を聞くことはできるから」

由里香の笑顔にちょっと涙が出そうになった。

「…嬉しかったけど、それを受け止めていいのかなって不安になるの」

そう言うと由里香は小さくうん、と相槌を打つ。

「また、傷つきたくないって思っちゃうんだ」

カランッと氷が音を立てながら崩れる。

「そう思うほど蓮華も好きなんだね」

「…」

返事ができないでいると目の前に一口サイズに切ったケーキが現れた。

驚いて顔を上げると由里香が笑ってる。

「ほら、考えすぎて顔が疲れてるよ。糖分糖分」

差し出されたケーキを食べると甘いクリームの味が広がる。

「…美味しい」

「よかった」

由里香もケーキを食べる。

その顔は本当に美味しそう。

「私は蓮華を応援してるし、幸せになって欲しいなって思ってるんだよね」

「…うん」

「だから、素直になれるならなってもいいんじゃないかなって」

「え?」

「私には蓮華がその人と一緒にいたいって言ってるように聞こえるよ?」

どこか嬉しそうに笑う由里香。私は顔が熱くなるのがわかった。

「な…!!」

「だから誕生日も一緒にいたんでしょ?いっぱい傷ついた分、いっぱい甘えていい気がするけど」

「それは…」

「いっぱい我慢したんだから、もう素直になっていいって神様が言ってるんじゃない?」

その言葉にそうならいいな、と思った。


あの頃の2人にまたなれると期待していいだろうか。

由里香さんからのアドバイスに蓮華さんはどうするのでしょうか?

詳細を聞かなくとも的確にアドバイスできるのは、いつも蓮華を見守ってるからなんでしょうね。

だから連司くんは惚れたんでしょう。


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