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過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する  作者: ひなた


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40/119

37と1/2、 器用な同期たちは不器用である

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。


更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。

中倉の誕生日前日。

今日は定時に上がって俺達4人はいつもの居酒屋の個室にいた。

ちゃんと予約したから今日は個室だ。

「じゃ、前日だけど蓮華誕生日おめでと〜!」

「「おめー!!」」

「ありがとう」

カチンッと4人でジョッキを合わせる。

全員でビールを飲む。

俺がふうっと一息つくと隣の連司は半分以上飲んでた。

「っはーー!!うめーー!!」

その顔を見て、こう言うのをいい顔って言うんだろうなって思いながらお通しの枝豆を食う。

枝豆うまー。

「連司、本当に美味しそうに飲むよね」

「本当に」

ニコニコの西山と中倉。

俺達4人は同期仲良し組。

俺は連司と仲良くなって、西山と中倉は同期で有名な公開告白(笑)で仲良し。

で、連司と中倉が高校の同級生ってことで自然と4人でいることが多くなった。

連司が西山に惚れて中倉に頼んでたってのもあるけど。

「今日は厄介なお客さん相手にしたから余計なー」

ため息をつく連司に中倉は同意する。

「2人で行ったんか?」

「そう。私がそのお客さんの対応事務なのよ。最初から対応してるからって」

中倉もため息をつきながら連司を睨む。

「おい、俺が悪いわけじゃない。お前を担当にしたのは主任だ」

「その理由が滝と仲良いから上手くいくでしょっていう謎な理由よ」

「まー、そりゃそうなるだろ」

俺が言うと西山も苦笑して頷く。

「2人、阿吽の呼吸ってやつだよね」

「…嬉しくない」

「お前!」

連司が怒った。

俺達4人は仲良しだし、連司と西山は付き合ってるし、西山は中倉大好きだからこんな会話が成り立つんだろうなーと思う。

こいつらといるとラフでいられる。

「あ、ちなみに次の時は裕也も一緒だぞ。システムの説明で」

よろしく、と肩を叩かれてビールを吹き出しそうになる。

「連司、てめ…」

「やっぱ、システムの内容は専門家の方が説明が詳しくできるからなー」

ニヤニヤしてビールを飲んでやがる。

中倉を見ると頷いている。

「本当、ありがたいわねー」

「こう言う時は結託しやがって」

「お前を頼りにしてるってことだよ」

連司に肩を叩かれる。

サラッとそう言うむず痒いこと言うなよ。

「…雨宮、言いたいことはわかる」

「連司のそれは天然だから」

女性陣に言われてため息をつく。

相手をやる気にする言葉をサラッと言える戦友で友を持ったのが運命らしい。


仕事の話や中倉へのプレゼント(クッキーが有名なお店の西山セレクト詰め合わせ)を渡したりして、みんな程々に酔ってきた。

珍しく連司と中倉がいい感じに酔ってる。疲れてるんだなー。

「ちょっとトイレ」

「はーい」

中倉がトイレに立つ。

「そういえば、中倉って最近嬉しそうな顔するよな」

俺が言うと西山が頷いた。

「うん!いいことがあるみたい」

いつもどこか壁がある中倉。

でも最近は空気が柔らかい日が増えた。

「いい感じの人とかいるんかねー」

そう言ってハイボールを飲む。

ふと連司を見るとちょっと泣きそうな顔。

「連司、どうした?」

「ん?なんでもない。…俺って無力だなーって思っただけ」

そう言う連司は焼酎の水割りの残りを飲んだ後、壁に寄りかかってウトウトし始めた。

「…連司のやつ、何かあった?」

西山に聞くと首を横に振って苦笑する。

「連司は変わらずだけど…親友さんと蓮華のことで悩んでるっぽい」

「親友と中倉?」

「うん。私も詳しくは聞いてないけど、連司の親友さんが蓮華の元彼さんだったんだって」

「へぇ…」

高校の同級生ならありあえる話だ。

「連司、親友さんと会うといつも後悔した顔するの。『俺は何もできない』って」

「…」

「家で飲んで酔っ払った時ね、『2人に幸せになって欲しいと思うし、親友と中倉には話を聞くことしかできないんだ。親友とか、仕事の相棒って言ってるくせに俺は無力なんだよ』って言ってる。…私は話を聞いてくれる存在がいるだけでも幸せだと思うけどね」

西山が緑茶ハイを飲む。その顔はなんとも言えない顔。

「西山はそれを聞いて中倉に嫉妬する?」

そう聞くとキョトンとされた。そしてまた苦笑。

「蓮華に嫉妬なんてしないよ。2人がそう言う関係は絶対無いって何十回と聞いてるし、なんならその話出ると蓮華は本気で嫌がってるし。どっちかっていうと連司に嫉妬かな」

「連司に?」

「…私はまだ、蓮華にその話を聞いてないから」

その言葉にちょっとだけ同意した。

「あれ?滝、寝た?」

トイレに行って少し正常になった中倉が戻ってきた。

「まー、まだ終電まで時間あるし、もう少し飲もうぜ」

「さんせーい!明日の予定って私とのデートでしょ?」

中倉に抱きつく西山。本当に好きなんだなー。

「私はいいけど…雨宮は彼女さんいいの?」

聞かれて俺は大丈夫と答える。俺は彼女と同棲中だ。

「今日は彼女も残業だから大丈夫」

携帯を見るとちょうど彼女から【終電で帰ってきてね。裕也、飲み過ぎ注意ね】ときていた。

心が広い彼女だ。

目の前のイチャイチャを見ながら苦笑する。

「俺の自慢の同期達は器用なくせに不器用なヤツだなー」

そう言うと中倉は意味わからないという顔をし、西山は同意した。


器用なくせに人に頼ったりするのは不器用な同期達を見守ってやりましょう。

お初のシステム部のコミュ担当の裕也視点。

一番冷静にみんなを見ているのです。

無理に聞こうとは思わないけど、相談されないことにちょっとだけジェラってます。

可愛いやつめ。


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