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過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する  作者: ひなた


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36、 恋愛は"恋”しくて"愛”おしいもの

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。


更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。

目を覚ますと、カーテンからうっすら光が入っていた。

ベットから出てカーテンを開けると日はそんなに高くない。

時計を見ると6時ちょっと前。

窓を開けるとまだ朝の爽やかな空気。

「…おはよ」

小さく呟くとふわっと風が吹いた。

せっかく早起きをしたので散歩をする。

近所のパン屋でパンを買って、お気に入りのカフェでアイスコーヒーをテイクアウト。

少し離れた大きめの公園のベンチで朝ごはんを食べる。

木陰のベンチなので程よい気温だ。

買った卵サンドを食べてぼんやりする。

『蓮華に恋した時からずっとずっと愛してる』

昨日の智の言葉が頭を離れない。

「恋した時から愛してる、か…」

それはきっと私も同じ。

当時は恋だと思っていたけど、今思うと"恋”と言うには物足りない、深い深い"愛”。

大人になって気づくのは、あの頃が一番楽しかったといつでも思っているからだろう。

「…どうすればいいんだろ」

アイスコーヒーを飲むといつもより苦く感じた。


【今日、日帰りしていい?】

【いいけど、母さんだけよ?】

【大丈夫】

【じゃあ、お昼はオムライスにするわね】

家に帰ってから母さんに連絡する。ふと、母さんに会いたくなった。

1時間で帰れることがありがたい。

母さんが好きなプリンを買って実家に帰る。

「あら、早かったわね」

「今日、早起きだったんだ」

「そうなの?今、ケーキ焼いてるのよ。蓮華が好きなフォンダンショコラ」

「本当?嬉しい!!」

母さんがクスッと笑う。

「昨日誕生日だったからね。おめでとう」

「ありがとう」

なんだか気恥ずかしくなって手を洗いに行く。

リビングに行くとチキンライスのいい匂い。

「美味しそー」

「12時前だけど食べる?あと卵だけなの」

時計を見ると11:45。

「食べるー」

「じゃあ、蓮華はサラダとスープ用意して?」

「はーい」

母さんの隣に立ってレタスを洗う。チラッと見ると手際よく半熟トロトロ卵を作ってく母さん。

やっぱりすごいな、と思いながらサラダと温めなおしたスープをテーブルに並べていく。

そんなちょっとの時間に2人分の半熟トロトロオムライス。

我が家はケチャップじゃなくてお手製トマトソース。これがまた美味しいんだ。

「いただきまーす」

「はい、どうぞ」

オムライスを食べるといつもの安心する味。

「美味しいー!」

「よかった」

ふふっと笑った母さんもいただきます、と言ってオムライスを食べ始めた。


オムライスを堪能して2人で洗い物をしてフォンダンショコラも焼いて食べる。

「んー、やっぱ母さんのオムライスとフォンダンショコラ美味しい」

「よかった。蓮華昔から好きよね」

「うん。というか母さんの料理とお菓子は全部好きだよ」

「あら、ありがとう」

そんな会話をしていると母さんはアイスティーを置いた。

「今日はどうしたの?何かあった?」

「え…?なんで?」

「蓮華はいつも自分で抱えきれないことがあったら母さんとご飯したくなるからね。何かあったのかなって」

確かに、昔から悩み事があると母さんを誘ってご飯に行ったりした。

「…母さんには敵わないなぁ」

「母親ですもの。娘と息子の変化には敏感になるのよ」

控えめだけど強かな母には敵わない。

「実はね、年始から智と会ってるの」

そう言うと母さんは小さくと頷いた。

「あんな突き放すように別れたくせに…本当はまだ好きだって」

「…そう」

遠くでセミの声と子供が楽しそうにしている声が聞こえる。

「嘘つきって言いたかったけど…結局私もずっと好きだったから何も言えなくて」

カランッとアイスティーの氷が音を立てて崩れる。

「昨日もね、誕生日をお祝いしてもらって。キーケースもプレゼントしてもらって」

昨日の涙を流した智を思い出す。

「…愛してるって」

「うん」

「なんでって気持ちと嬉しい気持ちがごちゃ混ぜになってずっと泣いてたの」

グラスを揺らすとまた氷がカランッと音を立てる。

「…お父さんって無口じゃない?」

突然の母さんの言葉に驚きながらも頷く。

「でも愛情深い人でね。母さんに告白してくれた時もプロポーズしてくれた時も不器用だったの」

それはなんとなく想像できる。

無口だけど家族愛が強い父さん。母さんにプロポーズなんて顔真っ赤でしてそうだ。

「でも、その気持ちは本当だなって伝わったの」

無口でわかりにくい父さんと愛情を口にしてくれる母さん。

だから2人はうまく行ってるのかな。

「母さんね、智くんに会った時にいつも思ってたの。父さんと逆に思ってることを口にできちゃう子だなって」

「…」

「でも、大事だからこそ守りたい時は本音を隠す子なんだろって」

その通りだ。

気づいたら智に守られている事が多かった。

「恋愛って難しいわよね。相手のことを知ってるつもりでもわからないことが多かったり。

モヤッとすることがあっても好きだから一緒にいたいし」

ふふっと笑う母さん。

「一緒にいたいほど恋しくて、2人の時間を守りたいほど愛おしいのよね」

「…」

「蓮華の思うようにしてみたらどうかしら?智くんにワガママ言ってもいい立場だと母さんは思うわ」

そう言われて小さく、そうかな、と呟いた。


恋しくて愛おしい、母さんの言葉がストンッと落ちてきた。

いつでも見守る蓮華ママ。

蓮華さんが落ち着きたい時はいつも蓮華ママのところに行くのが、蓮華ママは嬉しかったりするのです。

そして蓮華パパは無口ながらに蓮華ママに一生懸命にアプローチしてたのです。


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