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過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する  作者: ひなた


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22、 そんなの初めて聞いた

4月末になり、新入社員が来てからのバタバタしていた日々も少しずつ落ち着いてきた。

「明日からGWだー!」

「死んだように寝るんだ…!!」

社会人1年目組は各々の予定を話している。

私はクスッと笑う。

「あいつら元気だなー」

「滝」

滝から差し出された書類を受け取る。

「滝たちは?内見巡り?」

「それと家具と家電見ようかなって。別にどっちかの持ってけばいいけど、いいのあればって」

3月に同棲しようってなった2人。

でも3月は忙しいのとちょうど引越しラッシュの時期だからと、このタイミングにずらしたらしい。

5月って穴場物件あるっていうし。

「中倉は?」

「特に何もないから実家に顔出そうかな」

「そっか」

何か言いたそうな滝。

ここだと場所が悪いから休憩室に引っ張った。

緑茶を買って窓によりかかる。

「で?何か言いたそうだったけど?」

「バレたか。あいつからは何か連絡来てないのか?GW」

「…来てないわよ」

滝は驚いた顔をした。

「え?マジ?」

「本当。なんなら連絡もそんなに多くないし」

「あー、今ドラマで忙しいっぽいもんな」

コーヒーを飲む滝に頷く。

ドラマが始まったから朝が早く、夜が遅いらしい。

「…体調、崩してないといいけど」

「大丈夫だろ。あいつ、どこでも一瞬で寝る特技あるし」

「そうかもだけど」

クックックッと滝が笑った。

「何?」

「いや、ちゃんと心配してるんだなって」

そう言われて顔が熱くなる。

「うるさい」

ドスッと隣にいる滝の脇腹を肘でどついてやった。


GW、1日目に家の掃除をして夕方に実家に帰った。

「ただいまー」

「姉ちゃんおかえり!」

啓太がリビングから出てきた。

荷物を持ってくれる。

「これ部屋?」

「うん、ありがとう。お土産にケーキあるよ」

「やり!」

嬉しそうに笑って私の部屋に荷物を運んでくれる。

できた弟だ。

「ただいま」

「「おかえり」」

両親が笑顔で迎えてくれる。

ホッとする瞬間。

夕飯を食べてお土産のケーキを食べて片付けをしていると啓太が隣に立った。

「手伝うよ」

「ありがとう。啓太、モテるでしょ?」

そう聞くとあははーっと笑っていた。

「どうなんだろなー。友達にはモテてるって言われてるけど」

「…無自覚」

「姉ちゃんに言われたくないし。昔、智くんが姉ちゃんモテてるって言ってたし」

「は?そんなこと言ってたの?」

驚いて啓太を見ると、啓太はやべっという顔をしていた。

「啓太?」

「あー…はい。智くんが遊びきた時に姉ちゃんがモテるから心配になるって言ってた」

「そんな感じにはしなかったけど…」

「男子と話してる時、めちゃめちゃ睨んでたって言ってたよ」

あの穏やかな智が?

「知らなかった…」

「智くん、結構独占欲強いよ?小学生の俺でもわかるぐらい」

苦笑する啓太に私はキュッと水を止めた。


お風呂も入り、あとは寝るだけの状態。

私は携帯と睨めっこ。

【忙しそうだけど、体調は大丈夫?啓太から聞いたけど、高校の時、周りに嫉妬してたの?】

想像がつかないから聞いてみたいけど、こんなの送れるわけがない。

滝に聞くのが早いが、由里香との時間を邪魔したくないし…。

「はー…」

らしくないことにため息。

「水飲もう…」

ベッドに携帯を投げ出して水を飲みに行く。

この時、ヒョコッと送信された音がしたのを気づかなった。

部屋に戻って携帯を見るとメッセージ着信のポップアップ。

「……え?」

その名前に顔が熱くなる。

「え?私送ってた?ええ?」

自意識過剰すぎるメッセージを送ったことに恥ずかしくてしょうがない。

ベッドに顔を埋める。

少し落ち着いてから携帯を開く。

【心配してくれてありがとう!なんとか大丈夫】

【高校の時、相当周りに嫉妬してたよ。蓮華が取られないようにって。連司に落ち着けってよく言われてたし】

【啓太くん、そんなんこと覚えたんだ。恥ずかしいな】

そんなメッセージにまた顔が熱くなる。

「…そうだったんだ」

『中倉、お前の彼氏のお守り大変なんだけど』

『なんで?てかお守りって…』

『お前、本当に愛されてるなー』

高校の時、そんな会話を滝とした。

それはこの事だったんだと気づく。

「…なんなのよ」

恥ずかしさと嬉しさといろんな感情が混ざってまだ寝れそうになさそうだ。


知らなかった事実にまた隠している気持ちが大きくなる。

啓太くんはきっとモテモテなナチュラル中身もイケメン男子。

蓮華さんはたまに出る天然部分が可愛いのです。

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