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過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する  作者: ひなた


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16、 キミの好きなものは変わらない?

3月14日、ホワイトデー。

俺は買ったプレゼントの紙袋を持ってマネージャーの車に乗った。

「おはようございます!」

「おはよー。今日もよろしくねー」

そう言うとマネージャー君は元気に返事をしてくれた。

俺とは対照的で元気な年下マネ君はいつも楽しそうに仕事をしてくれている。

それがありがたかったりする。

前にチーフマネージャーになんで彼が俺の担当なのか聞いてみた。

『だって、あんた周りから元気もらうタイプじゃない。善とかいい例よ。

だから元気な子をつけたの。まあ、善だけじゃなくて晴人と瑛太からも元気もらってるんでしょうけど』

デビュー前から俺達を見てくれてるからなんでもお見通し。

「大嶋さん、その袋人気のスイーツ店ですよね」

そう言われて頷く。

「あ、まさかホワイトデーでですか?なーんて」

「え、そうだよ」

「え!!!!」

驚いて振り返ってきた。

「前!前!前見て!」

さすがに俺も焦る。

「すみません!思わず」

マネ君はシュンっとなった。本当、善ちゃんみたいだ。

「いいよ。驚かせちゃったのは俺だし」

「いえ!でもそれは車に置いてってくださいね。持ってるの撮られるかもしれないんで」

「うん」

女性に人気なスイーツ店。

バレンタインの時に見ていたテレビの特集で映ってた。

『美味しそうね』

『蓮華、こういうの好きだっけ?』

『食べたことはないけど、美味しそうだなって。でも人気店だから買うまでに時間かかるし、結局食べないで終わると思う』

そう言っていたのを思い出した。

俺も買いには行けないから、大学生の妹にお願いして買ってきてもらった。

『誰にあげるのー?お兄、食べないじゃん』

『蓮華だよ』

『え!!蓮華ちゃんとヨリ戻したの?』

『ううん。でもまた付き合えるように頑張ってる』

そう言うと、頑張って!と応援された。

蓮華に懐いてたもんなー。

「今日の帰りに寄るんですか?」

「うん。だから近くまで送ってもらえると」

「了解っす!」

マネ君は詮索をしてこないのがいい。

気にならないの?と聞いたことがある。

『気になるっちゃなりますが、それよりも寝たいが勝ってるんで気になる余裕ないっす』

って笑いながら言ってた。

俺だって眠いのにマネ君は送り迎えとかもあるから更に寝れてないだろう。

ありがたい。


***

夕方、仕事が終わって蓮華に連絡をしてみたら、ちょうど終わったらしい。

家に行っていいかと聞いたら、断ってもくるでしょ、と返された。

よくわかってる。

マネ君に送ってもらって、近くで降りる。

蓮華のマンションについてインターフォンを鳴らすとオートロックが開いた。

中に入ってまたインターフォンを押すと玄関が開いた。

「お疲れ」

「…お疲れ様。どうぞ」

中に入ると肉じゃがのいい匂い。

「うまそー」

「食べてくでしょ」

「うん、ありがとう」

当たり前のように用意してくれる蓮華。

それが本当に嬉しい。

「今日、俺が来るの知ってた?」

「滝からね。午後に連絡きたか?って聞かれて何が?って」

お昼に連絡する予定だったけど、取材が入ったからできなかったんだよね。

連司に感謝だ。

俺の定位置になりつつある蓮華の向かい側に座ってご飯を食べる。

「蓮華の味、好きだな」

「…ありがとう」

チラと見ると耳が赤い。


そういうところが可愛いんだ。


俺の右側には例の袋。

「蓮華、これ」

その袋を蓮華に渡す。蓮華は驚いた顔をした。

「これ、今人気のお店じゃない」

「うん、桜に頼んで買ってきてもらった。ホワイトデー」

「え?桜ちゃん?じゃあ、桜ちゃんにあげた方が」

「ちゃんと桜も自分の分買っていいよって言って買ってたから大丈夫だよ」

蓮華は申し訳なさそうにした。

妹の桜と仲良かったからなー。

「…私、別にちゃんとあげたわけじゃないのに」

「でも俺が嬉しかったから。俺の気持ち。受け取って」

そんなやりとりを何回かした後、蓮華は頷いた。

「ありがとう」

困ったような、嬉しそうな顔をしてお礼を言ってくれた。

袋の中は人気店のマドレーヌとマカロン。

昔、大好きと言っていたお菓子、変わらないかな?


俺の想いはお菓子に込めて。

きっと桜ちゃん(初登場の妹)はこの意味を知ってニヤニヤしてたでしょう


マドレーヌ:あなたとより特別な関係に

マカロン:あなたを特別な人だと思っている

※諸説あります

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