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過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する  作者: ひなた


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15/118

15、 親友って言われると照れくさいのは秘密

「蓮華の好みって変わってないかな」

「は?中倉?」

俺は飲もうとしたジョッキを置いた。


【今日、時間あったりする?】

智からの連絡に俺は二つ返事でOKをした。

今日はトラブルなく定時で帰れる日だったし、みんなと予定合わないから直帰だったし。

俺達が飲む時は決まった個人店の個室。

智の知り合いの店らしく、その店唯一の個室をいつも使わせてもらっている。

裏路地にある店だから若い人はほとんど来ないらしい。

SNSで拡散される時代だから、そう言う場所がいいんだろう。

そんでもって、普通に飯も美味いから俺も通い始めてる。

「むしろ俺、高校の時の好みとか知らんし」

「あー…そっか」

智が困ったように笑った。

「なんで?…って14日か」

「そう。そんなつもりはなかったかもしれないけど、もらったことには変わりはないから」

刺身を美味そうに食べる智。

ホワイトデーまであと1週間。お返しを考えてるんだろう。

バレンタインデーは俺自身はトラブったけど、中倉は帰れたからそれを智に伝えたら家に行ったらしい。

週明けに中倉にまた怒られた。

『私が帰ったタイミング連絡したでしょ』

『あー…はい。ちょうど連絡をしていて…すまん』

『まあ…いいわよ』

そう言った中倉の耳が赤くなっていた。

何か嬉しいことがあったんだろうな、と俺が嬉しくなった。

「当日に渡すのか?」

「んー、どうだろう。夕方に終わりだから夜に会えたらとは思ってるけど…」

「中倉は定時で帰れると思うぞ。仕事も山場も超えたし、ゆりは俺と一緒だし、裕也は彼女と過ごすって言ってたし」

中倉が飲みに行くのは俺達ぐらいだ。

全員が予定があれば直帰するしかないし、中倉自身も俺達意外と飲むことはないって前言ってたしな。

「そっか。じゃあ仕事の様子見て昼過ぎぐらいに連絡してみようかな」

「そーしろ。今年は金曜だから飲み過ぎても大丈夫だしな。あ、でもお前が仕事か」

「うん。でも昼からだから」

「ふーん。飲むなら次の日に響かんようにしろよ」

芸能人は大変だな、と思う。

TVで智が映っているのを見ると本当に俺の親友なのかと思う。

「連司ってたまに母さんって感じだよね」

「うるせー」

うちは両親が共働きで俺が長男だから下3人の面倒を見てきた。

そのせいか智みたいなことを周りから言われてきた。

ゆりはその安心感がいいって言ってくれるけど。

「ハルくんも連司みたいなんだよね。だからみんな頼っちゃうんだけど」

確かにTVで見てると間宮さんは仕切ったりしてるし、みんなを見守ってるって感じがする。

「間宮さんと同じなのは光栄だな」

そう言うと智は嬉しそうにした。

「自慢な親友とメンバーだよ」

「親友が多いことで」

俺がそう言うと智はキョトンとした顔をした。

「俺の親友は連司だけだよ」

「は?だって今、親友とメンバーって…」

「メンバーは戦友で兄弟って感じ。だから仕事のこともプライベートのことも話すけど」

智は持っていたビールをちびりと飲んだ。

「本当になんでも話せるのは連司だけだって」

耳が熱くなる。

「…光栄ですわ」

「へへーっ」

「…俺も親友はお前だけだよ」

グビッとビールを飲む。

智はさらに嬉しそうに笑った。

「今度ハルくんと飲もうよ!ハルくんも会ってみたいって言ってたし!」

「は?お前、俺の事もメンバーに話してんの?」

「当たり前じゃん!」

芸能人と飲むとかやばいだろ…って呟いたら俺も芸能人なんですけど?って智に言われた。


昔から言ってたけど、親友って言われるのはいつになっても照れくさい。

連司は二人にとっていなくてはならない存在なのです。


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