134、 負けない
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。
本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。
「と1/2」シリーズは不定期です。
ライブがスタートした。
記事の反応はやはり大きく、ペンライトの色が極端に少なくなった。
うちわも記事を元に作ったであろうものもあった。
「智くん、気にしない」
瑛太がすれ違い様にマイクを外して言ってくれた。
俺は頷いた。
「ライブ、始まったなぁ」
家の時計を見て私は呟く。
あの記事が出てから智はどこか元気がなかった。
いつもはライブ前は「楽しみだ」とウキウキしていたのに。
SNSを見ても智に対してはまだ冷たい。
「…楽しめてるかな、智」
今回の記事は智への攻撃のようなものだった。
だから私への攻撃は少なかった。
会社では滝夫婦と雨宮が守ってくれているから仕事にも支障はない。
プライベートも特に変わらずだ。
「…智が少しでも楽しんでますように」
そう願うことしかできないのがもどかしい。
【帰ってきたら智の食べたいもの作るね】
ホテルの部屋に入ってソファーに座って携帯を見ると蓮華からメッセージ。
【ちなみに今日はきのこと鶏肉のグラタンとサラダにしたんだ】
そんなメッセージと一緒に写真がついてる。
蓮華のグラタンは俺の大好物の一つ。
【うまそー!帰ったら俺にも作って!!】
本当は電話がしたいけど、誰がどこで見てるかもわからない、こっそりカメラやマイクが入っているかもしれないからと電話しないと二人で決めた。
すぐに既読がついてOKのスタンプがされた。
クスッと笑っていると写真が送られてきた。
「…!」
そこには蓮華だけでなく、連司、裕也、由里香さんが写っていた。
蓮華が持っている紙には【楽しんできて!!】の文字。
「…ありがとう」
目頭が熱くなる。
こうなったのは自業自得だと思ってる
周りは支えてくれてる
でもやっぱりどこかキツくて
挫けてる場合じゃないと自分を奮い立たせるのに必死で
ここを乗り越えるのが俺の懺悔だ
溢れ出す涙を拭う。
『私はもう気にしてないから。色々あったけど、こうして今、智の隣に居られてるし、これからの未来も隣にいてもいいんでしょ?』
再会後、付き合い始めた頃に高校生の時の事を改めて謝罪した。
でも蓮華はニコニコ笑ってた。
『私もちゃんと覚悟してる。何言われても絶対に智の隣から離れないから』
ギュッと握られた手は温かく、なぜか泣きそうだった。
『何あっても離れないし、一緒に乗り越えるから』
蓮華はふふっと笑う。
『だから智ももう諦めないでね』
ツゥッと涙が流れるのがわかった。
『もちろん。もう絶対に離さない』
『うん、離さないでね』
蓮華の言葉に何度も頷いた。
「…頑張ろう」
蓮華には【ありがとう】とお礼を送った。
次の日。
アラームが鳴る前に目が覚めてベッドから出てカーテンを開けるといい天気。
「いい天気ー」
私は背伸びをして窓を開けるとふわっと風が吹いてるのがわかる。
寝室の時計を見るとまだ7時前。
「…ちょっと遠くのパン屋さんでモーニングしようかな」
お気に入りの穴場のパン屋が歩いて20分ぐらいのところにある。
イートインもできるそのパン屋はモーニングセットがある。
「よし」
水分補給をしたら顔を洗ってスキンケアをして着替える。
携帯と財布をミニバックに入れてパン屋に向かう。
のんびり散歩がてら歩いてパン屋に到着。
モーニングセットは好きなパン(それぞれの値段)とミニサラダ、ミニヨーグルトとドリンクが選べる。
今日の気分はクロックムッシュとチョコクロワッサン、ブラックコーヒー。
窓際の席に着いて写真を撮る。
【今日は早く起きれたからモーニングきちゃった!智もご飯ちゃんと食べてね】
写真と一緒に送信をしてパンを食べる。
離れてるけど幸せだな、と感じた。
9時に起きると蓮華からメッセージ。
「うわー…うまそー」
ウチからちょっと離れてる蓮華のお気に入りのパン屋のモーニングの写真。
蓮華と付き合う前まではご飯に興味なかったのに、今ではちゃんと食べてる。
だからパフォーマンスもいいって言われるようになった。
「…俺もちゃんとしよ」
落ち込んでる暇はない。俺はやるべきことをやるだけ。
「今日も頑張るかー」
ベットから降りて体を伸ばしてシャワーに向かった。
落ち込んでる暇はない、真摯に向きあっていくだけだ。
落ち込みそうな智くん。
でも蓮華さんの変わらない応援に改めて自分の過去に向き合うと決めました。
もちろん、周りの応援(メンバーや同期組、マネ陣)も糧になってます。
====
いいなど思った方は、ぜひブックマーク、評価をよろしくお願いします!
していただいたら作者のモチベーションもめちゃ上がって喜び狂い、発狂します( ´ ▽ ` )
感想もお待ちしております(^ ^)




