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過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する  作者: ひなた


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139/140

133、 事実ではあるから受け止める

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。


本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。

「と1/2」シリーズは不定期です。

昼休憩中、啓太から電話があった。

「由里香、ごめん、弟から電話」

「いいよー出て出て」

頷いて電話に出る。

「どうしたの?珍しい」

【ごめん、急に。ネットニュース見た?】

心配そうな声に私は嫌な予感がする。

「見てないけど…もしかして?」

【そのもしかして。しかも今回結構酷い】

「…」

【嫌な気持ちになるとは思うけど知ってた方がいいかと思って】

啓太の優しさがありがたい。

「うん、ありがとう。URL送ってもらえる?」

【わかった、この後送る】

電話を切ると由里香が不安そうな顔でこっちを見てた。

「蓮華、もしかして…」

「うん。あ、きた」

啓太からもらったULRを開いて読んでいく。

「…これは」


「やばすぎでしょ」

瑛太が引いた顔で言う。

スマホには【初恋実った同棲愛の裏側にはデビューを優先した過去】の見出し。

内容を読むと学生時代の話も書かれている。

「”デビューの為に彼女をフったと当時は学校中の噂でした”って…」

「当時の学校での写真も載ってるし」

善ちゃんとハルくんも引いた顔。

グループでの仕事の後、三倉さんに呼ばれてみんなで事務所に行くとこの記事のことを知らされた。

「当時、同じ学校にいた人が提供したのね」

三倉さんは眉間を押さえる。

「この記事は確実に智を落としにきてるわね」

全員が頷く。

「ライブの申し込みのタイミングで来るとはな」

「部長」

部長が会議室に入ってきた。

「奴らには何をしても効かないってことがわかったな」

呆れたように言う部長。

「そうですね…」

「…俺のせいでご迷惑おかけして申し訳ありません」

部長と三倉さんに頭を下げると二人は大丈夫、と言ってくれた。

「それよりもこれからは周りが何言ってくるかわからないから気を張るように」

「はい」

俺は部長の言葉に頷いた。


仕事をしているとヒソヒソと話してる声が聞こえた。

「やっぱりあれ、中倉さんだよね」

「そうだよね。でもあれって大嶋くんが悪いよねー」

「なんか可哀想に思えちゃった」

例のネットニュースは智を悪く見えるように書かれていた。

「おーい、中倉これいいかー?」

彼女らの隣で大声で私を呼んだのは雨宮。

いつもはクールで会社では大声なんて出さない男が叫んでるから全員が驚く。

「え?は?」

「なんだよ、頼まれてた資料だよ」

ほら、と差し出されたのは頼んでいた資料。

「あ、ありがとう…てか、なんで叫んだの?」

「ちょっと耳障りな話が聞こえたからイラついてつい」

思わぬ言葉に驚く。

「へー…」

「なんだよ」

「ううん。そういうのでああいう感じするの滝夫婦ぐらいだったから」

滝と由里香はわかりやすく牽制する。

「ありがとう。頼りになる同期だわ」

「そうだろ?」

当たり前だ、という顔をする雨宮に思わず笑ってしまった。


家に帰ると蓮華がご飯を作ってくれていた。

「お帰りなさい」

「ただいま」

ギュッと抱きしめる。

「智、大丈夫?」

「…ん」

三倉さんたちとの会議の後にSNSを見た。

見なければいい話だけど見てしまう。

そこには心無い言葉もたくさん書かれていた。

「大丈夫」

「本当?」

「うん。俺がいけないから」

「え?」

心無い言葉でも事実もあるから何も言えないな、と思っていたら心が沈んでいった。

「俺が我慢すればいいから」

「智…」


わかってた

こうなることも覚悟してた

だからしょうがないんだ


今は耐えるしかないと言い聞かせる。

記事を見て荒れたSNS。

そこの言葉に心が折れそうになる智くん。

言葉は時に人を傷つける武器になるのです。

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