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過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する  作者: ひなた


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138/140

132、 もどかしさとワガママと

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。


本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。

「と1/2」シリーズは不定期です。

グループの仕事の休憩中。

【こいつら、俺にも来たぞ】

名刺の写真と一緒にきたメッセージに背筋が凍る。

【中倉と顧客訪問の帰りに突撃されたから論破してやったけど】

ガタッと立ち上がる。

「嘘だろ…」

「智くん、どうしたの?」

善ちゃんが不思議そうな顔で聞いてくる。

ハルくんと瑛太も俺を見てる。

周りのスタッフもこっちを見てるに気づく。

「あ、なんでもないです」

座ってメッセージを送る。

【大丈夫だった?】

【平気。中倉も何も話さなかったから絡まれることもなかったし】

すぐに返事が来てホッとする。

「智くん、何かあったでしょ」

小声で聞いてくるハルくん。

「…これ」

みんなに連司とのメッセージを見せるとみんな顔がこわばる。

「やばすぎ」

瑛太がポツリと呟く。

「これ、三倉さんに送った方がいいよ」

善ちゃんの言葉に頷く。

「二人は大丈夫そうだからよかったけど…ちょっと考えないと」

ハルくんの言葉が俺の頭に重く響いた。


仕事の後、全員で事務所に移動。

さすがに今回のは事務所も動くみたいだ。

「お疲れ様です」

会議室に入ると三倉さんとマネージャー部門の部長、Runeを担当する全マネージャーがいた。

「お疲れ」

「お疲れ様。みんな座って」

三倉さんは前に会った時より少しやつれた気がする。

「今日は大嶋の件で集まってもらった」

部長がそういうとみんな頷く。

「本人達だけならここまでしないが、当事者以外の一般人の友人が週刊誌に突撃されたなら話は別だ」

「はい」

俺が返事をすると部長も頷く。

「しかも仕事をしている最中だったんだろ?それは迷惑極まりない」

「本人にはさっき電話して謝りました」

移動する時に連司に電話をした。

【ごめん、本当にごめん】

【別に智が謝ることないだろ。向こうが常識なさすぎるだけだし】

【でも…】

【てか常識あったら人のプライベート記事にしないか】

【まぁ…】

【とりあえず、お前は気にすんな。俺は大丈夫だから】

【…ありがとう】

心広い親友に感謝しかない。

「大丈夫そうか?」

「はい。鍛えた営業トーク力で追い返したって言ってました」

「心強いな」

部長は小さく笑う。

「事務所としても所属タレントの関係で一般の方が直接迷惑をかけているから週刊誌に抗議文を送る予定だ」

「抗議文?」

「タレントの関係で一般の方を巻き込むなと」

確かに一般の方という表現なら蓮華も連司も両方に当てはまる。

上手いな、と素直に思う。

「メンバーにも突撃は来る可能性は大だ。事務所を通すように言うように」

部長の言葉に全員で「はい」と答える。

「今、うちの事務所としてRuneを押ししている。だからこそメンバーはプライベートも意識するように」

全員でまた返事をすると部長は俺を見る。

「あと、この件でファンがまた騒ぎ出していると思う」

「…はい」

「その辺りも考えて行動をするように」

念押しをされて俺は頷いた。


家に帰ると蓮華がキッチンにいた。

「あ、お帰りなさい!ごめんね、気づかなく…て」

俺はバックを放り投げて抱きしめた。

「智?」

「…本当にごめん、迷惑かけて」

ギュッと腕に力を込める。

蓮華はそっと抱き返してくれた。

「大丈夫だよ?滝が追い返してくれたし」

「でも…」

「大丈夫だから」

蓮華の手の温もりに泣きそうになる。


自分で守れないもどかしさと手放したくないワガママな気持ちが混ざり合う


「蓮華、俺は蓮華を離さないから、何があっても」

そう言うと蓮華はクスッと小さく笑ったのが振動でわかる。

「うん、私もだよ」

「絶対だよ」

「うん」

俺はさらに強く抱きしめた。


何があっても離さない。

とうとう事務所が動き出しました。

部長がファンに対しての注意をしたと言うことは何かあるのでしょうか。


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