129、 忘れた頃にやってくる
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。
本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。
「と1/2」シリーズは不定期です。
由里香と滝の結婚報告から半年。
「どう?結婚式の準備」
「んー、頑張ってる」
ちょっと疲れてる由里香に苦笑する。
色々決めることが多いから大変みたい。
「でも楽しみなんだー」
「私も楽しみよ」
「んふふ」
そんなやりとりをしていたら後ろから聞こえてきた。
「ね、これやっぱり中倉さんじゃない?」
「えー、やっぱりそうなのかな?」
前にも聞いた言葉にピシッと体が固まる。
「…え?」
「…蓮華、後ろ見ないで」
由里香に言われて頷く。
私たちは聞き耳を立てる。
「でも前も記事出て中倉さんじゃないかってなったけど違うってなったじゃん」
「そうだけどさー、この写真は中倉さんじゃない?」
「んー、でも後ろ姿だし、はっきりしないじゃん?」
「えー」
聞いてると写真が出ているらしい。
SNSを開いてみると智のことで騒がれてるのがわかる。
「あ、きっとこれだ」
由里香が小さい声で呟く。
見せてくれた記事には【密かに深める純愛同棲】の見出しと智がマンションを出る姿と私がマンションに入る後ろ姿の写真が載っている。
油断した。
そう思っていると由里香が声をかけてくれる。
「蓮華、落ち着いて」
「うん、ありがとう」
「とりあえず今日はうち集合しよ」
その提案に私は頷いた。
由里香たちの家で同期組が集まる。
「久しぶりだな、こういうの」
「うん。油断してたなー」
「大嶋さんはなんか言ってるか?」
雨宮と滝の言葉に頷く。
「智は『ごめん、油断した』って同じこと言ってた」
「お前ら、相変わらず似たもの同士だな」
滝が呆れた顔をする。
「蓮華は今日も大嶋さんのマンション帰るんでしょ?大丈夫?見張られてるんじゃないの?」
由里香がハーブティーを淹れた。
「ありがとう。大丈夫、タクシーで帰って地下駐車場から入るから」
「それならまだ大丈夫だな」
雨宮が呟く。
「社内の反応は見ておかないとな。中倉が居づらい状態にされるのが困る」
「まー、でも前回厳重注意された例があるから大人しいんじゃね?仕事的には連司と一緒にいることが多いから連司の耳に入ると嫌がりそうだし」
「でもそれ以降に入社した子たちは知らないから」
由里香の言葉に二人は確かに、という顔をする。
「大丈夫、こう言うのはいつも通りにするのが一番よ」
私が言うとみんな驚いた顔をする。
「こっちが何かしら反応すると「やっぱりそうなんだ」ってなるから、いつも通りの方がいいって」
「なるほどな。智が言ってたのか?」
「そう」
『こういうのはいつも通りにしてる方がいいんだ』
智に聞いた時に教えてくれた。
それを聞いて私も納得した。
「だからみんなもいつも通りにしててくれるとありがたいかも」
「わかった、そうしよう」
雨宮が頷く。
「俺は権力使って叱るけどな」
「やめなさい。ただでさえパワハラとかモラハラに厳しい世の中なんだから」
滝の言葉に呆れて言う。
タクシーで家に帰ると智が先に帰っていた。
「ただいま」
「蓮華!おかえり!」
リビングに入って声をかけると智が駆け寄って抱きしめてくれる。
「ただいま。ごめんね、遅くなって」
「いいよ。みんなで作戦会議してくれたんでしょ?」
「うん。結局いつも通りにしようっで終わったけど」
苦笑すると智がちょっと泣きそうな顔でホッとした。
「智の方はどうだった?」
「メンバーはそのまま通常通りで俺はアポの無い記者は答えないようにって注意された」
「そっか」
「あと蓮華はマンションの出入りは歩きじゃなくてタクシーを使わせなさいって」
「うん、そうするね」
朝はタクシーアプリで呼んで2つ向こうぐらいの駅で降りればいいか、と考える。
「蓮華、ごめんね。俺がこういう仕事してるから」
智が更に強く抱きしめてくるので私も智の背中に腕を回す。
「大丈夫だよ。全部覚悟して智と一緒にいるって決めたんだから」
お互いに強く抱きしめる。
「何があっても大丈夫だよ。だって智がいてくれるから」
そう言うと智がより強く抱きしめてくれた。
大丈夫、二人で乗り越えられるから。
久しぶりの影ですが、蓮華さんは強くなりました。
次回は智くん視点予定です。
ここから最終章に入っていきます。
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