119、 いつから私はこんなに依存しているんだろう
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。
本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。
「と1/2」シリーズは不定期です。
気づいたら年末年始やバレンタインなどイベントが終わり、春を少し感じるようになった。
「…」
昼休憩、私は携帯のネットニュースを見てると由里香が隣に座った。
「お待たせー…ってどうしたの?元気ないじゃん」
「あー…うん」
由里香に携帯の画面を見せると智の主演舞台決定のネットニュース。
「わ、また決まったんだ」
「みたい」
智の仕事については私から聞くことは無いからこうやってニュースで知ることがほとんど。
でもそれは別に気にしてない。
私たち会社員だって同じことだし。
「…全然会えないなぁ」
ポツリと呟く私に由里香は何かを察したように手を取った。
「ね!今日の夜は空いてる?」
「今日は大丈夫だけど…」
金曜日だけど智が地方の仕事で明日の夜まで東京にいない。
「じゃあ蓮華の家、泊まりに行っていい?」
ニコニコの由里香に私は驚きながらも頷いた。
夜、インターフォンが鳴ったので玄関を開けると由里香がいた。
「いらっしゃい」
「おじゃましまーす」
由里香は一度家に帰ってお泊まりセットを持ってきた。
『お泊まりセット持ってくるのと家でシャワー浴びてきちゃうね!』
そう言っていたので私も帰ってシャワーを浴びて料理。
ウチに泊まる時のルーティーンみたいなものだ。
「わー!!いい匂い!!」
「急ぎで作ったから簡単なものなんだけど」
「蓮華の作った料理は全部美味しいから好き」
荷物を置いてルンルンで手を洗う由里香に私は小さく笑った。
由里香も部屋着に着替えて二人で乾杯をする。
「「お疲れさま」」
ビールを飲むと喉がキュッとする。
「んー!やっぱり美味しい」
由里香の美味しいは全力なので見てても嬉しいし気持ちがいい。
「よかった。由里香が持ってきてくれたサラダも美味しい」
「これね、近所のお惣菜屋さんにあるんだけど連司もお気に入りでよく買うの」
「へぇー、いいわね」
何気ない話をしつつ食事が進む。
ある程度食べてワインを飲みながらまったりしてると由里香が聞いてきた。
「蓮華、大嶋さんと会えてないの?」
「うーん、会えてないというかすれ違ってるというか」
「?」
不思議そうな顔の由里香に私は苦笑する。
「毎週末、智の家には行くんだけど私が寝てる時に帰ってきて、起きる前に家出てることが多いから」
「…わーぉ。本当にそういう生活してるんだ」
「うん。前からもちょこちょこあったけど、去年の夏ぐらいからは続いてるかな」
「じゃあ、ゆっくり二人でいることないの?」
「お正月はさすがにお休みだったから一緒にいたよ」
苦笑して言うと由里香はちょっと安心した顔。
「バレンタインとホワイトデーも夕飯は食べたけど、朝は起きたらいなかったし」
「そっかー、それは確かに寂しいね」
「うん…わかってたし、覚悟して付き合ってるけど、ちょっとね」
チビッとワインを飲む。
「電話もしてないの?」
「前よりは減ったかな。できる時もあるけど、智眠そうだから寝てもらってる」
「無理して体調崩したらって思ってるのかー」
「うん」
クルクルワイングラスを回しながら頷く。
「…なんかさ、欲深くなってる気がする」
「え?」
グラスを置いて膝を抱える。
「最初の頃は智と一緒にいられたり、電話できる関係になれただけで幸せだなって」
「うん」
「でも一緒にいればいるほど…もっと一緒にいたいなって。少しでも話したいって」
膝に顔を埋める。
「…寂しいなぁ」
私との未来の為に頑張ってくれてる智。
それだけでも幸せなことなのに、もっと一緒にいたいと思うのはワガママかな。
ちょっと泣きそうになっていると頭を撫でられた。
顔を上げると由里香がふふっと笑ってる。
「蓮華、可愛いなぁ」
「…可愛くはない」
「可愛いよ。大嶋さんのこと大好きすぎて寂しくなっちゃうなんて」
そのまま大人しく頭を撫でられる。
「…たまに思うの」
「うん」
「智と再会するまで、どうやって一人でいても平気だったんだっけって」
もう少し強かったはずなのにと思う。
「…ずっと、一人だったはずなのに」
「それだけ蓮華の中で大嶋さんは精神的に支えられてるんだね」
「…ん」
小さく頷くと由里香はクスッと笑った。
「蓮華、大嶋さんのことも考えて同棲はまだって言ってたけど、そろそろ考えてもいいんじゃない?」
「え?」
「平日、蓮華が帰った時とか、起きた時に大嶋さんに会えるかもしれないし」
由里香は幸せそうに微笑む。
「自分が相手の帰る場所って思えるのも幸せだよ」
嬉しそうに、幸せそうにしている由里香が羨ましくなった。
由里香さんとの女子会。
ハードワークの智さんに寂しく感じる蓮華さん。
仲良くなってもどこか壁というかピリついていた蓮華さんがこんなに可愛くなるのが嬉しい由里香さん。
由里香さん視点を久しぶりに書こうかな。
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