115、 弱ってるから気づくこと
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。
本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。
「と1/2」シリーズは不定期です。
…あ、これやったなぁ。
朝起きたら体のダルさと頭痛、喉の痛みを感じた。
そう思ったら更に体感する。
「…会社、連絡しなきゃ」
時計を見るといつも起きる6時半。
この時間に連絡しても誰もいない。
「…水飲もう」
ゆっくり歩いて冷蔵庫から水を取り出して飲む。
熱ってる体に冷たい水が通るのがわかる。
水を飲んだら少し意識がはっきりしてきた。
体温計で測ると37.8℃いう数字にため息。
数年に1回出る熱だ。
【熱出たから今日休みます。打ち合わせ同席だったのにごめん】
4人のグループメッセージに送信するとすぐに既読が付いた。
【蓮華大丈夫?ちゃんと寝てね!会社帰りにお見舞い行こうか?】
朝ごはんとお弁当を作ってるからこの時間に起きてるんだろう。
【うん、ありがとう。うつしちゃうといけないからお見舞いは大丈夫】
由里香に返信をして、ちょっとだけパンを齧って薬を飲んでまた寝ることにした。
ピコンッと通知音で目を覚ます。
【了解。お大事にな。打ち合わせは裕也がいるから大丈夫だ】
【ゆっくり休めよー。打ち合わせは連司がどうにかするだろう。俺は座ってるだけし】
【めちゃくちゃ裕也に投げるからな】
ポンポン朝から元気にやりとりしてる男性陣に呆れながらも【ごめん、ありがとう】と返信をした。
8時半ぐらいに会社に電話をしてゆっくり寝ることにした。
ふと意識が浮上する。
「…んー」
モゾッと布団に潜ろうとしたけど、今何時か気になって目をゆっくり開ける。
すると誰かがベットに寄りかかってるのが見えた。
「…?」
「あ、起きた?」
その声が誰かわかるまで時間がかかった。
「…さとし?」
「うん。体はどう?ダルい?」
おでこに智の手が当てられる。程よい冷たさを感じて目を瞑る。
「んー、まだ熱そうだなぁ。水飲む?」
「…ん」
小さく頷くと智がコップに水を入れて渡してくれる。
上半身だけ起こして水を飲む。
「ご飯食べた?」
「…パン齧った」
「あ、だから齧りかけのパンが置いてあったのか。雑炊作ったけど食べる?」
「んー…ちょっとだけ」
「わかった。待ってて」
智がキッチンに行くのを見届ける。
…なんで智いるの?
そんな疑問を思いつつボーッと眺める。
智が雑炊を用意をしてくれてるのを眺めてるとふんわりいい匂い。
「…いい匂い」
おかゆが苦手な私に合わせた雑炊を作ってくれたんだろうと嬉しくなる。
「はい、たまご雑炊」
お茶碗に盛られた雑炊を受け取って小さく一口食べる。
「…美味しい」
「よかった」
智も自分の分を持ってきていたので一緒に食べる。
「うん、美味い」
一緒に食べていると意識がはっきりしてきた。
「私…智に連絡したっけ?」
朝の記憶はいつメングループに連絡と会社に連絡したところまで。
智には連絡できてない。
「連司が連絡してくれたんだ。もし蓮華が俺に連絡できてなかったらって」
「…ごめんね、連絡できてなくて」
確かに今朝は会社に休む連絡しないとしか考えられなかった。
「ううん。それだけ辛かったでしょ?今からでも病院行く?」
智が心配そうに聞いてくれる。
「大丈夫。朝よりだいぶラクになったし、明日土曜日だから」
「そう?」
「うん」
実際に朝よりはだいぶラクになった。
「今何時?」
「今は午後の2時だよ」
智に言われてそんなに寝ていたんだと思う。
「智、お仕事は?」
「今日は午後からオフだったんだ。朝、連司から連絡もらったから来たんだ」
なるほど、と納得する。
合鍵を渡していたからそれで入ってきたのだろう。
「ごめんね」
「大丈夫、気にしないで。それより体温測ろう」
「…ん」
体温を測ると37℃まで下がっていた。
「どう?」
「朝よりは下がったよ」
「よかった」
智はホッとした顔をした。
智が作ってくれた雑炊を食べてまた薬を飲んで寝込む。
ボーッと智が洗い物をしてくれてるのを眺めて思う。
「…幸せだなぁ」
そう呟いて目を閉じると眠っていた。
次に意識が戻った時には智が私を抱き締めて眠っていた。
何時かな、と思って携帯を探そうとするけどギュッと抱きしめられてるから動けない。
でも多分だけど18時ぐらいかなって思ってる。
顔を上げると智の寝顔。
「…ありがとう」
頬に唇を当てると智がくすぐったそうにした。
弱っているからこそより必要に感じる
熱で弱ってるからこそ、誰かが近くにいる安心さをより感じた蓮華さん。
これをきっかけに何かが変わるのでしょうか。
蓮華さんは数年に1回、しかも休みの日に熱を出すタイプです。
今回は珍しく平日に出たみたいですね。
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