108、 仲良しになるのは嬉しい
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本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。
本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。
「と1/2」シリーズは不定期です。
「…ご両親にご挨拶に行こうと思ってるんだ」
こう思ったのはきっかけがある。
それは蓮華の誕生日前のこと。
もうすぐ蓮華の誕生日と付き合って1年記念日がやってくる。
『この前の旅行が1年記念旅行だし、贅沢させてもらったよ?』
蓮華はそう言ってくれたけど、やっぱりそれぞれでお祝いしたい気持ちもある。
そんなことを考えながらプレゼントを探しているとハルくんが上から声をかけてきた。
「智くん、そろそろメイク順番」
見上げると、俺の座ってるソファーの背もたれに手をかけて見下ろしてくるハルくんはやっぱりイケメン。
「んー、ありがとう」
「何?ブレスレッド探してるの?」
俺の携帯の画面が見えたらしく、聞いてくる。
「あ、ごめん。見えたからつい」
「いいよ。ハルくんだし」
「信頼してもらって何より」
そんな会話をしているとハルくんは思い出したようだ。
「あ、もしかして?」
ふふっと笑って答えると納得したようだ。
「俺、おすすめのお店あるから後でURL送ろうか?」
「え、嬉しい。お願いしていい?」
「もちろん」
「ありがとう!」
お礼を言うとハルくんは「どういたしまして」と優しく笑った。
18時、今日の仕事が終わった後にハルくんがご飯に誘ってくれた。
「俺の家で飲まない?気になって取り寄せした日本酒が思ってたより大きくて」
「え、行く。連司誘う?」
「いいね。連司くん来てくれるかな?」
「来るよ」
連司にメッセージを送るとすぐに既読がついた。
【今日定時が帰れるから行くけど、俺がハルの家知っていいの?】
ハルくんに画面を見せるとハルくんは苦笑した。
「いいから誘ってるんだって送っておいて」
「オッケー」
そのまま返信すると連司から【なんか買っていくな】ときた。
ハルくんの家の近くにあるスーパーまで送ってもらって買い物。
そのまま家にお邪魔する。
「お邪魔しまーす」
「どうぞー」
ハルくんがスリッパを出してくれる。
中に入るとおしゃれな部屋。
「相変わらずおしゃれー」
「そうかな?」
買ったものを冷蔵庫に入れるハルくん。
「日本酒と一緒に取り寄せた馬刺しもあるんだ。みんなで食べよ」
「マジ!?嬉しい!」
お邪魔するからさっきのスーパーでの支払いは俺がしたけど足りない気がしてきた。
料理が得意なハルくんの手伝いをしながら連司を待つ。
「18時退勤だから19時までには着くと思う」
「よく知ってるね、智くん」
「毎回聞いてたからね」
ちょうど全部が揃った時にインターホンが鳴った。
「はーい」
【やっほー】
連司の声が聞こえてハルくんがドアをオートロックを開ける。
しばらくしたらまたインターホンが鳴る。
「はいはーい」
俺がドアを開けるとそこには連司と裕也。
「おつー」
「ども」
「いらっしゃい」
二人を中に入れる。
「ちょうど料理もできたんだ」
「マジ?俺たちも惣菜買ってきたぜ」
「てか、俺がここにいるのおかしいだろ…」
裕也が不満そうに言う。
「ハルにOKもらってるから大丈夫って言ってるだろ」
準備をしてる時に連司から【裕也もいいか?】と連絡が来てハルくんに確認してOKを出した。
中に入るとハルくんが料理を運んでた。
「いらっしゃい」
「おじゃましまーす」
「お久しぶりです」
裕也が頭を下げるとハルくんも頭を下げる。
「お久しぶりです。雨宮さんですよね」
「あ、はい」
「俺のことはハルでいいですよ。雨宮さんより年下だし」
「え、でも」
戸惑う裕也にハルくんはニコッと笑う。
「俺も裕也くんって呼ばせてください」
「…これか、お前が言ってた懐にスルッと入ってくる感じ」
「お、わかったか?」
連司がニヤニヤして裕也に言う。
「…じゃ、お互い敬語も無しならいいぞ」
「!うん!」
嬉しそうなハルくんを見て俺も嬉しくなる。
「じゃー、話もまとまったから食うか!」
連司が買ってきてくれた惣菜を並べる。
「酒も一応追加で」
裕也がハルくんに渡す。
「ありがとう。ビールだし、これで乾杯しよっか」
「うん」
俺も手伝ってみんな席に着く。
「じゃ、裕也とハルの友達記念に」
「なんだよそれ」
裕也が睨むが連司は気にしない。
「かんぱーい!」
「「「かんぱーい」」」
グラスとカチンッと合わせて飲む。
なんだかいつもより美味しい気がした。
より仲良くなれるのが嬉しいな。
ご挨拶の経緯を書こうとしたのにその前の段階が楽しすぎて…。
とにかく、ハルと裕也もお友達になりました。
次回こそご挨拶の経緯を書くぞ!!
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