99、 何して過ごす?
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。
本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。
「と1/2」シリーズは不定期です。
目を覚ますと味噌汁のいい匂い。
「…いい匂い」
起きてリビングに行くとキッチンで朝ごはんを作ってる蓮華がいた。
「あ、おはよう智」
「…おはよ」
キッチンに行って後ろからギュッと抱きしめる。
「ごはん、ありがとう」
「どういたしまして。ほら、顔洗ってきて」
「ん」
洗面台に行き、顔を洗うと目が冴えてきた。
化粧水、(何がいいかわからないけどハルくんにおすすめされた)美容オイル、乳液を塗る。
リビングに戻るとテーブルにはご飯、味噌汁、焼き鮭、サラダが置かれた。
「美味そう」
「さ、食べよう?」
二人でいただきます、と言って味噌汁を飲む。
「うっまぁ」
「よかった」
蓮華がニコニコでサラダを食べる。
『GW、有給使って10連休しようかなって思ってるんだけど』
『10!?』
蓮華から聞いた時、驚きのあまりにビールを吹き出しそうになった。
『うん、有給使えって怒られたから』
なんでも一昨年、去年分が結構残っていて怒られたらしい。
『だから今回中日に使って10連休にしようかなって。周りもOKしてくれたし』
『でもまだ残ってるんでしょ?有給』
『まぁね』
俺たちは有給って概念がないから聞いてるとちょっと不思議だ。
『でね、前日からずっとここに泊まろうと思ってるんだけど、いいかな?』
『…もちろん!!!』
嬉しすぎて思わず抱きついた。
そして今日はGW初日。
昨日の夜から蓮華が泊まってる。
「昨日ね、スーパー寄ったら鮭が安かったから」
「朝から焼き魚、嬉しいなー」
「嬉しいよね」
他愛もない会話が嬉しいなと思う。
俺もGWは2日間休みがあるから蓮華とずっと一緒にいられる。
蓮華は俺がいない昼間は自分の家の掃除に帰ったり、実家に帰る予定らしい。
「智、今日の夜何が食べたい?」
「んー…ハンバーグかな」
「わかった、チーズ入れる?」
「入れる!そしたら俺ワイン買ってくるね」
「え、本当?嬉しい!」
朝なのにもう夜ご飯の話をしてるな、なんて思いながら嬉しくなる。
「蓮華は今日はどうするの?」
「今日は自分の家の掃除とか洗濯してくる予定。智が帰ってくる時にはハンバーグ焼くだけにしとくね」
「うん、ありがとう」
「ご飯がいい?パンなら私の家の近所の美味しいパン買ってくるよ?」
「んー…ワインならパンがいいかなぁ」
そんな会話ができるのが嬉しいと思いつつ朝ご飯を食べる。
俺は今日は10時入りなのでもうすぐタカくんが迎えにくる。
「今日も美味しかったー」
「よかった。ほら、そろそろお迎え来るから支度して!」
蓮華に催促されて歯を磨いて着替える。
そして迎えのチャイムが鳴った。
「じゃあ行ってきます」
「行ってらっしゃい。ハンバーグ作って待ってるね」
その言葉が嬉しくて思わず抱きしめた。
仕事は17時に終わってタカくんに寄り道をしてもらう。
「タカくんもこの後帰るだけならお酒奢るよ?」
「え!直帰っす!いいんですか!?」
俺の提案に嬉しそうに笑う。
「いいよ。そこの店に一緒に買い物しよっか」
「はい!」
ルンルンなタカくん。反応が可愛いんだよなー。
ちょっといい酒屋に行ってワインを選ぶ。
ハンバーグだから赤だけど白で美味しそうなのがあったから一緒に買うことにした。
「タカくん、何がいい?」
「えーっと…あんまり詳しくないんすよね」
「そうなの?じゃあこれとか飲みやすいよ」
いくつか候補をあげるとタカくんはクラフトビールを何本かに決めた。
「ありがとうございます!嬉しいー!風呂入ってる時に冷やして飲もーっと」
「ふふっ」
車に戻って家に向かってもらう。
蓮華にワインを買ったとメッセージを送ったらすぐに楽しみ!のスタンプ。
こんな日が10日もある。なんなら2日は一日中一緒にいられる。
幸せすぎる。
「…何して過ごそうかなぁ」
ポツリと呟くとタカくんがクスッと笑ったのがわかった。
キミとずっといられる毎日が楽しみだ。
ルンルンな智くん。
次回はその2日間について書く予定です。
GWって有給使って10日間とか取れるけど、社会復帰できそうだなって思っていつも取りません。
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