98、 いつか一緒にお花見しようね
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。
本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。
「と1/2」シリーズは不定期です。
「最近どうだ?」
4月、新入社員が入ってバタバタしていた。
OJTしたり、通常業務したり、新しい業務を任せられたりと、いつも以上に忙しい。
「どうって忙しいですけど?まぁ、滝チームリーダーに比べたらそうでもないかもでしれませんが?」
「なんでそこで嫌味が出るんだよ」
「疲れてんのよ」
こんなやりとりができるのは滝と雨宮ぐらいだ。
たまにはサンドバックになってもらいたい。
「裕也も新規案件で忙しそうだしなー」
「ああ、確かに」
年始から始まった案件に雨宮はメインとしてアサインされた。
だから飲みに行くことも少なくなった。
「何?飲み行きたいの?」
「そー。4人でそろそろ飲みてーなーって」
「…そんなに寂しがりやだった?」
「お前、そんな引いた目で見るなよ」
ため息をつく滝をよく見ると疲れた顔。
チームリーダーとして数字を追いつつメンバーをフォローしたりするのが大変なんだろう。
「でもそっか、最後に4人で飲んだのって年始の新年会か」
1月の3連休の土曜日に滝と由里香の家で飲んだのが最後だ。
その日は智はツアーだったので昼間からずっと飲んでた。
「そー。だからそろそろって思ってさ」
「それはそうかも」
滝の言うことに納得。
「じゃあさ」
私の提案に滝は嬉しそうに「ゆりと裕也に連絡しとく!」と次の訪問先に向かった。
【花見?】
「そう。いつもの4人で行こうって」
夜、智とテレビ電話をして今日滝に言ったことを話す。
あの後、滝から連絡が入った由里香と雨宮もOKだったので次の土曜に行くことになった。
「だから土曜日の朝はバタバタするかも。お弁当作るから」
【わかった。俺は午後からだから寝てるかもだけど】
「もちろん!ちゃんと寝て休んで」
熱を出した日からちゃんと寝るように智に言ってる。
さすがに智も反省したみたい。
「むしろ金曜は泊まらない方がいい?そしたら土曜の朝ゆっくりできるよね」
【え、そっちの方が無理なんだけど】
即答されて思わず苦笑。
【蓮華と会えるのが楽しみで毎週頑張ってるんだから】
「ありがとう」
【蓮華は楽しみじゃないの?】
「もちろん楽しみにしてる」
そう言うと嬉しそうに笑った。
【そのお弁当、俺も作って欲しいって言ったら困る?】
思わぬ質問にキョトンとする。
「全然大丈夫だけど、お弁当必要なスケジュールだっけ?」
午後からの日は10時ぐらいまでゆっくりして家を出てるイメージだ。
【いや、夜は20時には帰れる予定】
夜が遅いのかな?と思ってるとそうでもないみたいだ。
「じゃあお弁当必要?」
【蓮華、俺が出る前に家出るでしょ?だからお昼に家でお弁当食べたい】
ちょっと拗ねた智に私は思わず笑う。
「そういうことね。わかった、智のお弁当も作るね」
【やった】
嬉しそうな智に私は智の好きなおかずを作ろうと決めた。
【ね、蓮華】
「ん?」
【俺たちも一緒に花見、いつか行こうね】
「うん」
同じことを思ってたんだな、と嬉しくなった。
金曜日のランチに由里香とお弁当会議。
「みんなで飲めるの楽しみー!」
由里香も総務で中堅になりつつあるからちょっとげっそりしてる。
きっと仕事が増えたんだろう。
「お酒は男性陣が買って来てくれるからお弁当は各自で作ってちょっとしたつまみは当日に買いに行く?」
「うん!そうしよ!」
嬉しそうな由里香。
総務は年度末と年度末初めは忙しくて毎年ぐったりしてるのを見てるから私も嬉しくなる。
「由里香何作る?」
「どうしよっかなー」
二人で何を作るか決めていく。
「じゃあ、これで決定ってことで」
「うん!楽しみだなー!!」
ルンルンな由里香にクスッと笑う。
「私も4人で飲めるの楽しみ」
「ね!しかも花見って初めただもんね!」
「そうね」
「楽しみだなー♪」
ルンルンの由里香に私も頷いた。
久しぶりのお花見、楽しみにです。
久しぶりの同期組のお話でした。
社会人歴が長くなると責任と環境が変わって来ますよね。
智くんは電話の後、花見ができそうな場所をきっと探してる。
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