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1.1.2セント・ヴェルディー魔術学院

第1次ヴェルデルフィア戦争。

ヴェルデルフィア大陸北部を支配するガレザニア帝国が(しん)帝国属領燎州(りょうしゅう)島に侵攻したことで始まった戦争。真帝国と同盟国だったヴェルデルフィア帝国が参戦。大陸全土を巻き込む全面戦争となった。ちなみにシグルドの兄2人がこの戦争に駆り出されている。また、父である皇帝も親征している。皇帝が親征するのはエリウス王朝になって初めてのことで前代未聞だった。この戦争が始まって5年が経過しようとしていた。

チリンチリーン。

通学の準備をしていると呼び鈴が鳴った。ちなみに通学の準備とは制服に着替えたり教科書を用意したりである。アスハが玄関に向かう。

数分後、戸がノックされる。

「ご主人様、サクヤ様がお迎えに来られました。」

サクヤ・フォン・リッテンフェルト。

このVAOの主人公である。シグルドとは親友でありライバルである。もともとVAOとは炎龍によって国を奪われた亡国の姫騎士サクヤ・フォン・リッテンフェルトが炎龍を討伐することで勇者として名を馳せ、何十回もの戦争で勝ち進んでいくというストーリーである。シグルドは第1次オリーヴ戦争で戦死するという設定である。シグルドの戦死によって絶望するサクヤだが(闇堕ちする)周囲の助力により徐々に気力を取り戻していくというストーリーである。ちなみにサクヤは西の勇者だが東の勇者は魔王を討伐したシグルドである。またサクヤは魔導騎士のエースパイロットでもある。

「おはよう、シグルド。」

「おはよう、サクヤ。」

サクヤはショートカットの活発そうな美少女だった。これもVAOで見たことあるぞ。

俺はサクヤ、ユリシア、アスハと共に馬車に乗り込む。

「そういえばシグルド、今日はクラス替えの日だね。」

「そうなの、お兄ちゃん?」

ユリシアは普段はお兄様と呼んでいるがふとした瞬間、素になると昔のようにお兄ちゃん呼びになるという設定である。お兄ちゃん呼びは突然されるとドキッとする。だがとても可愛いと思う。こんな可愛い妹がいるなんてシグルドは幸せ者だと思った。ついプレイヤー視点になってしまうな、俺は。

「うん。みんな同じクラスになるといいな。」

そんなこんな雑談をしていると学校に着いた。

セント・ヴェルディー魔術学院。

魔導騎士に乗るパイロットとエンジニアを育成する魔術学校である。3つの特徴がある。第1に魔術学院ということで魔術学の基礎と応用、実戦を中等部・高等部の6年間で叩き込まれる。第2に中等部ではパイロット・エンジニア共通となっている。パイロット科志望のシグルドでもエンジニアとしての基礎を叩き込まれる。なぜならパイロットでもある程度は自分の機体を修理できなければ戦場では生き残れないからである。第3に教養である。教養としてヴェルデルフィア帝国の標準語ヴェルディー語、古代オリーヴ地域の共通語オリーヴ語、最近、世界共通語となりつつあるエールラント語、数学、歴史、地理、神学(国教であるオリーヴ教)、法学を学ぶ。

校門のすぐ近くでクラス替えの表が貼ってあった。

「やったー!!お兄様と同じクラスだ!!」

ユリシアとは同じクラスだったがサクヤ、アスハとは違うクラスだった。

「まさか違うクラスになるなんて……メイド失格です。」

「昼休み遊びにいくからねー。」

こうして俺たちは別れて教室に向かった。始業式ということで学校は半日で終わって家に帰った。

ここまで読んで下さってありがとうございます。

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