第41話 呪縛
第41話 呪縛
リア…リア…
そう遠くから聞こえるような声で目を開けた。
リア「ここは…?」
リッド「やっと起きた!」
リッド「ここは…変なお姉さんの家だよ!」
?「変とは失礼だな」
リア「貴方は…?」
?「私?名を問われるのは久しいな…クアンだ」
クアン「この緑龍が貴様を抱え私の家に来たのだ」
かなり年季の入った木造の家だかそれなりに物がきちんと整理されている。
ベッドの上でリアはクアンを見つめる。
クアン「…なんだ?」
リア「何をしている方なんですか?」
クアン「管理者…」
リア「管理者?」
クアン「説明はそこの緑龍から聞きな」
リア「え?」
リア「ていうか緑龍って分かるんですね?」
緑龍「そりゃあ当たり前だよ!クアンはこの星が生まれた時から居るんだもん」
リア「え…?」
管理者…この世界のバランスを均衡に保つ者。また人間という種族を導く者でもある。
クアン「龍が力でこの世界を守るものだとしたら私は文化や暮らしをシステムや知識で守るものだ」
リア「システム?」
クアン「例えば…レベルや魔力量…それらを数値化したのは私だ」
リア「え?」
クアン「当たり前だろう?自然にその数字が出てくるわけがないだろう…レベルや数字の基準も随分昔に作ったものだ」
リア「そうだったんですね…」
クアン「所でお前たちこれからどうするんだ?」
クアン「銀龍の元へ戻るのか?」
リア「ギン様のことも知ってるのですか?」
クアン「あぁ、ずっと見ているからな…」
クアン「あいつはいま自分を探している…」
リア「自分?」
クアン「いや何でもない、久しぶりに人と話したせいか長話がすぎたな」
リッド「うーん、これからどうするかぁ」
クアン「とりあえずその女も連れてここから1番近いナタカリア王国にでも行けばいい」
リア「女…?」
リア「!?」
リア「エフナさん!」
エフナ「うーん…」
しばらくリアがエフナを揺すりエフナがゆっくりと目を開ける。
エフナ「リア?」
エフナ「あ…お母さんが目の前で…あれって夢だよね?」
クアン「夢じゃないぞ?」
リア「クアンさん!そんなこと…」
クアン「それに死んでいたから蘇生しといたぞ」
エフナ「え…?」
クアン「だが目が覚めるのは時間がかかりそうだがな」
リア「それならギン様に…!」
クアン「ダメだな…完全回復級の魔法にはいくつもの制限がある…銀龍であろうとあと1ヶ月は使えないであろう。
クアン「それに元々こいつには回復魔法が効かないものがあるのだろう…?」
エフナ「そうにゃ…私のお母さん…ルフルには呪いがかけられているのにゃ…」
リア「呪い?」
エフナ「シノギマ…」
リア「シノギマ?」
クアン「タチの悪い呪いの名前だよ」
リッド「…」
リア「呪い…?」
クアン「あぁ、この呪いはな…」
ドスン…
リア「え?今揺れませんでしたか?」
エフナ「揺れたにゃ!」
リッド「え?揺れたの?」
エフナ「リッドは飛んでるから分からないないにゃ」
リアの前に置かれているマグカップのお茶の水面が波紋を広げた。
ドスン、
遠くの方から聞こえる物凄く地に響き渡る足音。
クアン「巨災だな」
次回へ続く…