第33話 誤解
第33話 誤解
佐藤 「こんな時に使える魔法とか無いのかよ」
佐藤がそう口に出した途端、魔法陣が出現する。
広域探聴
街の人々の会話が佐藤の頭に一つ一つ響き渡る。
「今日は暑いわねえ」
「この商品お買い得だよぉ」
「お母さん、お腹すいたよぉ」
…
「誰か助けて…」
佐藤「居た」
ソフィアを見つけた佐藤はリッドに念話をする。
佐藤 (東の方にソフィアが連れ去られている)
リッド (見つけたの？本当に？僕たちが探してた方向と反対だ！)
佐藤 (先に行くからな)
リッド (少し遅れるけど、ギン君の魔力を追うよ！気をつけてね！)
念話を終えすぐさまソフィアの声を追う。
佐藤 (全く誰に気をつけてって言ってるんだか)
アジトに着いたのかソフィアの魔力が留まる。
佐藤「間に合え…」
…
誘拐犯「お嬢ちゃん、大人しくしなよ、どうせ誰も助けには来ねぇ」
佐藤「助けに来たぞー」
誘拐犯「何ぃー！？」
佐藤「お？無事だったか」
誘拐犯「どうやってここまで来た？いくつも隠蔽魔法で後を追えねぇようにしたんだが…」
佐藤「そうなの？全然気づかなかったぞ」
誘拐犯「そうか、まぁいい、ここで全部忘れちまうからなぁ」
誘拐犯が剣を取りだし佐藤の身体に突き刺さる。
誘拐犯「バカめ」
佐藤「そんくらいじゃ死なないよ」
誘拐犯「え？」
佐藤は転生してから1度も命の危機を感じた事がなかった。ルークと戦った時も今も剣を刺された時も…風船を頭にそっと落とす時に命の危機を感じる人がいるだろうか？佐藤は剣で切られそうになる時もそんな感覚になってしまっている。
実際、並の剣さばきでは佐藤の体に傷をつけることさえ許されない。
あっという間に誘拐犯を倒しソフィアを拘束していたロープを外した。
ソフィア「ありがとう…」
佐藤「どういたしまして」
ソフィア「怖かった…」
佐藤「そっか…とりあえず家…帰るか」
ソフィア「うん…！」
ソフィアが返事をした瞬間に壁が突き破れる音がする。
ドカァン…ガッシャン…！！
大きな音と共に出てきたのは20代くらいの白髪に赤い目をした少女…
？「そうか貴様が最近大事な民衆を拉致していると言われている誘拐犯か…」
佐藤「へ？」
シア「私の名前は民衆派筆頭騎士、シア・クアノーゼ」
シア「騎士の名を持って貴様を裁く…！」
次回に続く…
