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異世界転生したら最上位種族の「銀龍」になりました。  作者: 黒瀬 瞬
ルアラス王国 レイシー街編
31/62

第31話 権能

第31話 権能



青い龍「懐かしき魔力を感じる…」


そう低い声が街に響き渡る。


リッド「あれは、蒼龍だよ」


リア「蒼龍って十の龍の一翼の?」


蒼龍「ずっとお待ちしておりました。銀龍様」


エフナ「え?銀龍って…」


蒼龍が佐藤の前で頭を下げ言う。


蒼龍「約束通り貴方様の力の1部を返しに来ました。」


佐藤「約束?力?」


リッド「おい!蒼龍!僕には挨拶は無いのか!」


蒼龍「これはこれは随分と可愛らしいフォルムになっていますね、緑龍」


リッド「もしかして力の1部って権能の事を言ってるのか?」


蒼龍「そうです、100年前に預かっておきました…反射の権能を」


佐藤「反射…?」


蒼龍「使い方は…そこの緑龍に教わってください…貴方様はまだ記憶を取り戻していないそうですから…」


エフナ「え、て事は伝説の龍が今3体もいるってことで…」


エフナが独り言のようにブツブツと何かを言っている。


佐藤「俺の方が混乱するんだが…エフナはそっとしておくか」


リッド「おい!蒼龍!僕の力の在り処を知らないか!」


蒼龍「全く…今銀龍様と喋っているのに…」


蒼龍「そうですね…緑龍の魔力を帯びていたスライムが東の森に居たような…」


リッド「スライムが持ってるんだ…」


嫌そうな顔をしてリッドがささやく。


佐藤「っていうか、いきなり龍なんて現れたら皆んなパニック状態に…」


リッド「大丈夫だよ。蒼龍の権能があれば」


佐藤「権能ってなんだよ!」


リッド「権能っていうのは、魔力や神力を一切使わないで使える魔法みたいなものだよ」


佐藤「そんな能力存在しちゃっていいわけ!?」


リッド「まぁ使いすぎると自身に負担がかかったりするし使える人が本当に少ないからね」


佐藤「なるほど?」


リッド「まぁその他にも色々とあるけど、ちなみに龍は全員権能持ちだよ」


リア「権能…聞いた事もありません…」


リッド「堂々と権能持っていることを言う人なんてそうそう居ないからね!龍は権能を使わなくても敵が来ても勝てちゃうしね」


エフナ「そうだ!早くこの事をギルド長に…」


蒼龍「いけませんよ…」


その言葉を蒼龍が口にした時…街の音…人の声、風の音、全ての音が…


佐藤「止まった…?」


リッド「蒼龍の権能は、停止の権能」


佐藤「停止…?」


蒼龍「あら、私の権能をもうひとつありますよ?」


さっきまでパニックになっていた街の人々の動きが…戻っていく…まるで…


蒼龍「逆再生の権能ですよ」


佐藤 (何でもありかよ)


蒼龍「ただしこの権能は1日1回しか使えませんし戻せる時間も制限がありますのでそこまで有能ではありませんよ」


佐藤 「それでも有能過ぎるだろ」


蒼龍「貴方様の権能よりは全然マシですよ」


今この時間で動いているのは佐藤とリッドと蒼龍だけ…


少し不自然な間が空いたあと蒼龍が喋り出す。


蒼龍「今回来たのは権能をお返しに来たのともう1つ…龍封石を盗られました。」


リッド「なんだって?」


佐藤「龍封石って?」


リッド「龍封石(りゅうふうせき)名前の通り、龍を封印する石のことだよ…上手く僕ら、龍に使われると魔力や能力を封じられたり最悪の場合は…龍自身その石に封印されてしまうものだよ」


リッド「いくらギン君でも封印される可能性は充分あるからね」


佐藤「え?こんなチート盛り沢山な俺でも封印されるのか!」


リッド「うん、だって作ったのギン君だし」


佐藤「…」


佐藤「俺かよ!」


蒼龍「緑龍が暴走したあの日以来、もしまた龍が暴れた時に人間でも対抗出来るようにと銀龍様が…」


佐藤「しかも原因リッドかよ」


蒼龍「それではそろそろ停止の権能の効果が切れそうなので私は自身のいるべき場所に戻ります」


佐藤「一緒に来ないのか」


蒼龍「有難いお言葉ですが…龍封石も取り戻さなければいけませんし…何かあればすぐ念話でお伝えください…助けに行きますので」


佐藤「分かった」


緑龍「気をつけて帰れよ!」


蒼龍「はい、それではまたお会いしましょう」


蒼龍がそう告げると翼を広げものすごい速さで空を飛び帰って行った。



次回に続く。


良ければTwitterやっているのでフォローよろしくお願いします。→@kurose446

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