第19話 昔話
第19話 昔話
佐藤「第1層封印…解!」
種族 銀龍
Lv4000
【体力】446020/446020
【魔力】2768000/2768000
【神力】80000/80000
【魔法】sb/@nxmーa
佐藤 (なんか魔法の欄文字化けしてない?)
自身のステータスを見ていると…。
ルーク (何だ…何をしたんだあの男…)
ルーク(ついさっきまで自分より少し弱いくらいか同じくらいの強さだと思っていたのに…何だこの絶望感は…)
ルーク(なぁじいちゃんあの時と同じ感じがするよ…)
ーーーールークの昔話ーーーー
ルークは幼少期、祖父と一緒に町外れの森に住んでいた。森での狩りや薬草などを採取して生計を立てていた。
ルーク「ねぇ、じいちゃん」
祖父「なんだルーク?」
ルーク「僕はさ、大人になったらじいちゃんみたいな立派な冒険者になるんだ!」
祖父「そうかそれは楽しみじゃな」
祖父「ただなルーク、これだけ1つ約束してくれ」
ルーク「うん」
祖父「もし自分が勝てないと思った敵が居たらすぐに逃げるんじゃ!無謀にも立ち向かっちゃいかん!」
祖父「蛮勇と勇気を決して間違えちゃいかんぞ」
ルーク「わかった!」
祖父「ルークが立派な冒険者になるのが待ち遠しいわい」
ルークはこのまま平穏に大人になるまでこの森で祖父と暮らすと思っていた…あの日までは。
ルークと祖父は鹿を狩りに森の少し深い部分まで来ていた。
最近になって街の近くの森では獲物が居なくなってしまったためだ。
祖父「おい、ルーク逃げるんじゃ…!」
少し離れている祖父の位置から普段は聞かない。祖父らしくない大きな声が聞こえた。
ルーク「急にどうしたの?じいちゃん!?」
ルークが目にしたのは…祖父の目の前に立っていた真っ黒な姿で背が高く真っ白な目が2つある絶望の塊のような生き物…存在だった。
祖父「ルーク逃げるんじゃ…」
ルークが恐怖に浸っていると一瞬にして触手のようなものが伸び黒い塊に飲み込まれてしまった。
ルークの祖父は引退したとはいえ元Aランクの冒険者…そんな祖父が一瞬にして目の前で殺された。
ルーク「じいちゃん…無理だよ、本当に自分が勝てないと思った相手には逃げる事も出来ないよ」
圧倒的理不尽の前に人はただ畏怖するのみ。
黒い塊のようなものがルークを見つめる。
ルークは死を悟った。
黒い塊がルークに向かって進む時…
ビュンッ
?「遅れてすまない。君の祖父は救えなかったが君は必ず救う」
ルーク「貴方は?」
?「ワシの名前は貴族派筆頭騎士!ウィリアム・ライル!君の祖父…リストックの友人だ」
ルーク「筆頭騎士…?」
ライル (ルークにとんでもない数の結界が貼られておる…リストックのやつ…。)
黒い触手が2本、とんでもない速さでライルの方向に伸びてくる。
ルークはこの時瞬きはしてはいなかったはずだが
ライルに伸びていたはずの触手が一瞬にして木っ端微塵になっていった。
ルーク「これが、筆頭騎士…」
次は黒い触手が無数にライルに飛び交う。
ライル「ジャルト流…無窮流守!!」
目に見えない斬撃が重なり空間が光り輝く。
黒い塊は雄叫びをあげる。
この世の生物では無いような雄叫びを。
黒い塊は少し睨んだようにライルの方を見つめゆっくりと…静かにどこかへ消えていった。
ライル「暫くは大丈夫なはずだ」
ルーク「…ねぇ騎士のじぃさん」
ライル「なんだ」
ルーク「俺もあの黒い化け物を倒せるくらい強くなれるかな」
ライル「お前の頑張り次第じゃなれると思うがの」
ライル「…それにしてもお前さん泣かないんじゃの。リストック…お前のじぃさんが殺されたのに」
ルーク「じいちゃんは強い冒険者は泣かないって言ってたんだ。心で泣いて心を強くさせろって」
ライル「そうか…。」
その後ルークはライルに引き取られその後冒険者として名を馳せる話はまたの機会で話すことになるだろう…。
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ルーク「君…」
佐藤「ギンだ」
ルーク「ギン…さん…貴方人間じゃないでしょ?」
佐藤「え?」
次回に続く…