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Journal Journey ~魔王罪として処刑する~  作者: 柚須 佳
第12章 王宮書記官の旅6 真暦1498年2月
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4.再会

 ジャニィは、街道の十字路で馬車を止めていた。

 東の空に幾筋かの煙が上っているのが見えた。

 雲の切れ間へ吸い込まれる白い煙が、シュラバリーの屋敷の方角であることが気になっていた。


「うーん……祭事長が王子の馬車を使っていたってことは……王子は徒歩ってことになるのか? であれば、シュラバリーの屋敷を見てからでも追いつけるか……」

 ジャニィは、鞭を入れると、街道をそのまま東へ向けて進んでいった。


 しばらくすると、街道は緩やかな坂道になり、辺りが荒涼としてきた。

 木々は背を低くし、道の左右には大小の石ころが転がっていた。

 ヴォーアムの辺境と呼ばれるこの地方に来たのは初めてだった。

 ジャニィは辺りを見回しながら、シュラバリーの屋敷に続く道を見定めていた。

 狼煙のように筋を上げる白い煙は、今や北側に見えており、なんだか焦げ臭いような気もしてきた。

「この道であってるのか?」

 ジャニィは一人呟き、馬車を左折させた。


 そこからさらに小1時間はかかっただろうか?

 ジャニィは煙の元に辿り着いた。


「これがシュラバリーの屋敷なのか?」

 ジャニィは門から屋敷へ続く道を歩いていた。

 空からは黒い煤が降り続いており、前方には焼け崩れた屋敷と思われるものがあった。

 ところどころから、まだ白い煙が立ち上り、燻り続けているようだった。

 ジャニィが黒焦げの焼け跡に足を踏み入れると、足の裏に微かな暖かさを感じた。

「しかし、酷いな……なんで焼け落ちてるんだよ?」

 ジャニィは疑問に思い辺りを見回した。

 すると、左手の方に火災を逃れたのか、小さな小屋が建っていることに気が付いた。

「一応、あれも見てみるか」

 ジャニィは焼け跡から小道に戻り、小屋へ向かって歩きだした。

 遠目からでは良く分からなかったが、近づいてみると、小屋の脇に小さな墓らしきものが目に入った。

 あまりにも粗末な感じなので、ジャニィには犬か何かの墓のように思えた。


 ジャニィが、小屋の前までやって来ると、小屋の中に人の気配を感じた。

「誰かいるのか? まさかシンクフォイル? 大丈夫だ、落ち着け……」

 ジャニィは、小声で呟き、扉のノブに手を掛けた。

 そして、一呼吸置くと、勢いよく扉を開けて、小屋の中を確認した。

 すると、右奥にあるベッドの上で中腰になり、後頭部を押さえている王子の姿があった。

「おっ! ポンコツ王子か? こんなところで何してる?」

「えっ! ジャニィ?」

 ジャニィの言葉に驚いたのか、王子は、こちらに振り向き目を丸くしていた。

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