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Journal Journey ~魔王罪として処刑する~  作者: 柚須 佳
第12章 王宮書記官の旅6 真暦1498年2月
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3.行方

 ジャニィは、マスケスの後方にある王子の馬車を確認した。

 先ほどと変わらず、アルバの遺体が倒れ気味に馬車に座っているだけで、やはり王子のいる様子はなかった。

「ところで、祭事長、王子はどこにいるのですか?」

 ジャニィが、マスケスに問いかけると、マスケスは一瞬だけ顔を曇らせた。

「うむ、王子ですな……王子は『真王の証』を得る旅に出られましたぞ」

「えっ、こんな状況なのにですか?」ジャニィは驚いて聞き返した。

「こんな状況だからかもしれませんぞ。王子はこの病を憂いていましたからな。それに、この病が国中に広がることを恐れてましてな……民のためにも一刻も早く王になると決意されておりましたぞ」

「王子がですか?」

 ジャニィは、子供の頃から知る王子の顔を思い浮かべた。

「そうですぞ、立派になられましたな」

 マスケスは、感慨深げだが、やはりジャニィには、あの王子の言葉とは思えなかった。

「そうですか……で、その王子はどちらに向かわれましたか? 祭事長も知っての通り、私は王子の護衛を行わなければなりません」

 ジャニィがそこまで言うと、マスケスは何かを思い出したような顔になった。

「そうでしたな、ジャンセン君。後をつける係でしたな。王子は、この先の十字路を北に向かわれましたぞ」

 マスケスは、後ろを向き街道の先を指さした。

「十字路? シュラバリーの屋敷へ向かう手前の十字路ですか?」ジャニィは確認した。

「そうですな。その十字路ですな」

「そうですか、ありがとうございます」

 ジャニィが、礼を言うと、マスケスがお願いがあると言ってきた。

「ジャンセン君、御者をお借りできませんかな?」

「御者を? なぜです?」

「ふむ、夜通し看病しておりましてな。このままだと手綱を握ったまま眠ってしまいそうでしてな……」

 ジャニィには、珍しくマスケスが弱音を吐いているように見えた。

「ああ、そういうことですか。分かりました」

 ジャニィは、遠巻きに馬車の横からこちらを見ていた御者を呼びつけると、事の経緯を説明した。


「では、祭事長、私は王子の後を追いますので、これで」

「ふむ、では王子をお願いしましたぞ」

「ええ、祭事長もお気をつけて」

 ジャニィはそう言って馬車へ戻っていった。

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