表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Journal Journey ~魔王罪として処刑する~  作者: 柚須 佳
第五章 白虹の盾(真歴一四九九年五月)
39/87

13.時計塔

 市庁舎は中央の大ホールを中心に東西に分かれていた。

 東側は議事堂や会議室などがある政治向けの施設になっており、反対の西側は市民に向けた役所の機能と時計塔の基部になっていた。


 王子達は、その西側の時計塔の真下の小部屋に出た。

 その小部屋は倉庫として使用されているのか、木箱や樽が乱雑に置かれていた。

 今入ってきた扉の正面にも扉があり、きっと西棟の部屋へと続く扉だろうが、今は鍵がかかっていて開かなかった。また部屋の中央には、螺旋階段があり時計塔の機械部へと登れるようになっていた。


「どうやら上に上がるしかないみたいね」

 ジェニーが鍵のかかった扉を諦めて言った。

「時計塔を上ってもしかたないだろう。それより扉を開ける方法を考えた方が良くないか?」

 王子は辺りを見回して、散乱するガラクタの中に何か扉を開ける道具がないか探していた。

「そんなことないわよ、上の階も西棟につながっているはずよ。ここでもたもたしているよりかは上を目指した方が良いはずよ」

 ジェニーは螺旋階段を登り始めた。

「待ってくれ」王子はジェニーの後を追った。


 二階も同様に部屋の中はガラクタが散乱していた。部屋の東側に扉があったが、ここも鍵がかかっていた。

「ダメね」

 いち早く扉をチェックしたジェニーが早くも階段を登り三階を目指していた。


 予想外に三階の扉には鍵がかかっていなかった。ドアノブを回したジェニー本人が一番びっくりしたのか惚けた顔をしている。

「あっ、開いたわ」

「気を付けろ。中に誰かいるか?」

 王子はジェニーの肩に手をかけ、扉を開けるのを止めさせた。

「少しだけ開けて確認してみろ」

 王子にそう言われると、ジェニーはそっと扉を開け、中を覗いてみたが、人影は無さそうだった。

「大丈夫そうよ」

 王子とジェニーが扉を開けて西棟に入ると、少し先の曲がり角に人の影が映った。

「まずいな。巡回の兵がいるみたいだぞ! 隠れるぞ!」

 王子はそう言ってジェニーを引っ張りながら、一番近くにあった右側の扉を開け部屋の中に隠れた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ