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Journal Journey ~魔王罪として処刑する~  作者: 柚須 佳
第五章 白虹の盾(真歴一四九九年五月)
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8.市庁舎

 ジェニーは書き上げたスケッチを机の端に置くと、王子の前に座った。


「さて、市庁舎の件ね」やっとジェニーが本題に入った。

「ああ、どうしたら市庁舎に入れる?」王子が尋ねた。

「その前に一ついいかしら? なんでフッカ王に会おうとしているの?」

「戦争を起こした真意を聞きたくてね」

「それはまた興味深いわね。良い記事が書けそうじゃない」

「キミは根っからの記者だな」

「お褒めに頂きありがとう」ジェニーは憎たらしくお辞儀をしながら言った。

「で、入る方法は?」王子は再度訊ねた。


「難しいわよ。まず、市庁舎の番兵は夜でも持ち場を離れない。それにあの三叉橋よ。あの橋の袂には、それぞれの国の兵士がいるでしょ。ここを誰にも見られずに突破しなくてはならない」

「突破する? そんなことが可能なのか?」王子は質問した。

「まず無理よ」ジェニーはピシャリと言って続けた。

「なので、橋は渡らないの。川を利用するのよ。小舟で三叉橋くぐり抜けて、市庁舎前の下水道まで行く。そこからはその下水道を通って中庭に出る」

「詳しいな」王子は感心している。

「ええ、さっき行ったばかりですもの」

「さっき! それで追われていたのか?」王子はことの経緯を納得したが、疑問が一つ残る。

「なぜ、そんな危険をおかしてまで、市庁舎に入ったんだ?」

 ジェニーは言うべきか言わないべきか悩んでいるようだ。

「記事のためか?」王子が問いかける。


「うーん、いいか」ジェニーは言うことに決めたらしい。

「そうね、記事のためね」

 そこでジェニーは一息入れた。

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