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Journal Journey ~魔王罪として処刑する~  作者: 柚須 佳
第12章 王宮書記官の旅6 真暦1498年2月
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9.推理

 食事を取りながら、ジャニィは、自分の任務について一通り王子に話した。

 王子は、驚いていたが、一人旅じゃ不安だったので、すごく嬉しいと、的外れな感想をもらしていたが、ジャニィの任務については理解したようだった。


 食事が済み一段落すると、ジャニィはテーブルに座り手帳を広げた。


「なあ、王子、ちょっと聞いてくれないか?」

 ジャニィは、ベッドで寝転ぶ王子に向かって言った。

「昼間話したことは覚えているか?」

「うん? なに?」

 王子は、寝転びながら、顔だけをこちらに向けた。

「紋章のことだが……」

「うん、それがどうかしたの?」

「屋敷を調べながらも、ずっと考えていたんだが……こういうのはあると思うか?」


 王子は、ジャニィが真剣な顔つきになるのを見て取ると、少しだけ体を起こした。


「まず、墓もなく、焼け跡に骨もないシンクフォイルが生きていると仮定する。

そして、お前の紋章を奪ったのも、シンクフォイルだとすると、シンクフォイルが『真王の証』を手に入れる権利を得たことになるよな」

 王子は、少し考えてから「そうだね」と言った。

「で、その紋章を持ったまま旅をして、言葉を刻めばヴォーアムの王になれる。奴も王族だから刻むことは可能だろう。

で、ここがちょっと引っ掛かるんだが……例えば、お前が生きたままで、シンクフォイルが言葉を刻めば、シンクフォイルは王になれるのか?」

 そこまで話すと、ジャニィは、王子の返答を待った。


 王子は、右上の中空を見つめながら何やら考えているようだ。

「うーん、やっぱり無理なんじゃないかな? いくら『真王の証』を持っていたからって、僕がいれば、やっぱり僕が王になるんじゃないかな?」

「そうだよな……そこなんだよ。もし俺がシンクフォイルで王の座を狙っていたのなら、紋章を奪うだけじゃなく、お前を殺してるんだよな……」

 ジャニィが、平然と言うと、王子は少し身を引く仕草をした。

「ジャニィ……怖いこと言うね……」

 ジャニィは、王子の方をチラッと見ると、「ああ、悪かった」とだけ言って続けた。

「だとすると、紋章を奪ったのは、シンクフォイルじゃないのかもしれないな?」

 ジャニィは、そこで、手帳に目を落として考え出した。


 すると、王子が急に何かを閃いたのか声を上げた。

「あっ! そういえば、夜中寝ているときに一度だけマスケスが来た気がするよ」

「なに? 本当か?」

 ジャニィは、顔を上げた。

「うん、そうか、あの時に紋章を取られたのかも……でも、なんでマスケスが紋章を取るのかな?」

 王子が、首を傾げている。


「祭事長か……例えば、祭事長が紋章を奪ってシンクフォイルに手渡す。

そして、シンクフォイルには、お前が死んだと吹き込めば、あの真面目なシンクフォイルのことだ。きっと責任感から自分が王になると言うだろうな。

そうなれば、シンクフォイルが、お前を殺すことはないな。

でも、そうすると、祭事長は、なんのために、そんなことをしたんだ? それに祭事長が、お前を殺さなかったことも納得できないな……やっぱり、お前が生きてることが謎なんだよな……」

ジャニィは、右手のペンをクルクルと回しながら再び考え始めていた。

「酷いなー、ジャニィは僕をそんなに殺したいわけ?

あっ! 僕が死んじゃったら、ジャニィの任務も失敗になっちゃうじゃん! 護衛なんでしょ? それでいいの?」

 王子が、笑いながら言った。


 任務?

 俺の任務か……確かに俺の任務を知っていたのはエレファン王と祭事長だけだ!

 そうか! そういう可能性はあるかもしれないな。

 ジャニィは、手帳に何やら書き込むと、考えをまとめ始めた。

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