始まりの日
とある国に生まれた少女二人の、成長録。
「お兄様、大好きですわ!」
「お前は俺のものだろう?」
「可愛い妹を、易々とあげれませんよ。」
兄が大好きな妹達と、妹が欲しい二人の少年の攻防戦。
その日。
目の前の美しい顔立ちの少女を目にした瞬間、まるで雷に撃たれたかのように全身が痺れたような錯覚をした。
私の暮らすこの国はウィスタル王国と呼ばれ、長い歴史を持つ大国であった。
心優しく、凛々しい王により治められたこの国は、精霊の恩恵を受けて緑豊かであり気候も素晴らしいものだった。
この国では王族の次に高い地位は宰相で、代々国王陛下の右腕を務めていた。
王族
宰相
そして、騎士団長と魔術師長。
騎士団長と魔術師長に並び、貴族の中でも一番上に立つ大公爵家
大公爵家は国でも二家しかなく、私の生まれた家はその大公爵家だった。
二つしかない大公爵と言うだけあり、お互いの家の付き合いは長く、仲も良好で最初に生まれた跡取りたる嫡男が同じ年だったと言うこともあり、今までの歴史の中でも今代の付き合いは一番良かった。
そして、次に生まれた娘も同姓の同い年と言う、稀にみない奇遇が重なり、両家はお祭り騒ぎとなったのだ。
大事に大事に育てられた天使は、五つを迎える頃に、初めての顔合わせをすることになる。
艶のある漆黒の髪と、爽やかな暁色の瞳、可憐な容姿をロストウェル大公爵の娘、シンシア
もう一人は、白金色の髪と、透けゆく瑠璃色の瞳の愛らしい容姿を持つカインズロッド大公爵の娘、クリスティナ。
お互いの父に見守られ、対面を果たした二人は、呆然と立ち尽くし、目を見開いた。
そして、小さく呟いた
「「異世界転生って、本当にあるんだ…」」
そしてこれが、生涯唯一無二の親友となる
少女二人の出会いだったーー…
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