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ニートの異世界交響曲  作者: 田上武人
第3章 旅の始まり
24/27

その24"野宿"

予想通りマニルに着く前に日が暮れ始め手前の森で野宿をする事になった。

この森は夜になると魔物が出現し色々とめんどくさいらしい。


今はみんなで野宿の準備をしている。

初めて会った時に旅人と言った以上旅のノウハウがわかっていなければならない

その為、旅や冒険に関する本を読み漁った、徹夜の理由はほとんどがこれである。

それが理由なのか、速読と言うスキルを得た。

「これをこうですか?」

「そう、うまく出来ているじゃないか」

俺はユーリカと一緒に周りの石を組み合わせ、かまどを作っている。

かまどがあれば温まる事が出来るし料理もできる、

それに光源ができるため魔物も寄ってこなくなり、一石三鳥の優れもの。

クリティカはメビウスと木の枝を集めに森の奥に、

シリウスと月影は近くの川に魚を捕りに行っている。

「とりあえず、6人分ならこれくらいの大きさで十分かな」

「完成ですね、初めてやりましたがうまく出来ましたね」

最後に金網を乗せて作業終了、かまどの完成

「調理する机にみんなの座る椅子、あと食器を置いて終わりかな」

【収納】ストレージで机、椅子、食器を取り出し

ユーリカと手分けして作業に取り掛かる

ユーリカは椅子を並べているので、俺は近くに机を置き、まな板と包丁を用意する、

ついでにかまどに鍋を置いて食器もその近くに置いておく。

そうこうしているうちにみんなが戻ってきたので夕食の準備をする

「そう言えば、みんなこういう感じの食事は初めて?」

「私は初めてじゃないわよ?他の国に遠征するときはだいたい一度はするわよ?」

クリティカは今までに何度か経験があるようで慣れた様子、

ユーリカにとっては初めての事だけどみんなと楽しそうにしている。

ユーリカは13歳で一国の姫、

普通ならこんなことするはずがない。だが、みんなが楽しいならそれで良い。



それより今考えるべきは、黒の塔とか言う謎の組織

(上はお前に興味がある、とかいってたな)

ハウッドさんに呼ばれ、彼の家に行ったときジャックと呼ばれていた奴が俺にそう言った、

思い返せば他にも、お前の力が気になるとか、いずれまた会うとも言っていた。

つまりまた黒の塔の奴らと会うことになる。

(黒の塔、聞いたことないな、それにあの嫌な空気

 ジャックと言う名前も偽名だろうし、こちらから探すことは無理か)

そこで俺は考えた、向こうから俺に近ずいてくるならその度に倒せば良いと、

これは俺が奴らに勝てる事を前提の考え、だがジャックのあの雰囲気、ただ者じゃない。

恐らく今の俺では勝つ事は出来ない。

勝負において一番大事なのは情報だと思う俺にとって俺の状況は最悪と言える。

今の俺は自分の能力を詳しく知らない、これは戦い事においてまずい状況。

自分の事を良く知るためにも、ギルドでクエストを受け戦い慣れておこうと決め、静かに拳を握る。



「そう言えば、月影達は今までなにしてたの?

 初めて会った時に、2000年ぶりに会ったって言ってたけど、

 2000年前って邪神が世界を滅ぼそうとしてた時期じゃなかった?」

「流石我らの主に値する方ですね

 仰る通り、2000年前は邪神と戦っておりました

 ちなみに召喚したのは、勇者オリガミ.ユウトでしたね」

月影の話で調理をしていた手が止まる。

「召喚された時は驚きましたよ」

メビウスに続いてシリウスも頷く

どうやらオリガミ.ユウトが初めて属性の王達を召喚した人物で2000年たった今、

再び俺が召喚を成し遂げたようだ。

それにしてもオリガミ.ユウトについての情報がほとんどない、

遥か昔の人だからと言ってここまで情報が出回ってないないのは不可解な事。

日本人のような名前をしていたから、もしかしたらと思い気にしだしたが、

結果としてそう名を付ける国の出身だっただけで結論は出なかった。

だからこそこうして出身の国へ行こうとしている。

そのオリガミ.ユウトに召喚された?それを聞けば誰が手を止めるだろう。

ふと我に返るとみんなの視線がこちらを向いていた

「大丈夫ですか?主」

月影の声で脳が理解し始める。

「あ、ああ、大丈夫、すぐ済ませるから、まってて」

 調理途中だった食材を切り終え、具材とその他もろもろ鍋に入れて煮込み始める。

「これで、出来上がりをまつだけ」

「あなたって料理出来たのね」

「長年、一人で生活してたからからね」

一人で生活しだしたのは最近の事じゃないのもあって

料理に限らず一人で生活する術は持っている。



「お腹いっぱいです、セイトさんのお料理おいしいです、わたしも作れるように頑張ります」

「俺も一緒に手伝うよ」

「まったく、主は完璧すぎますよ

 どんな育ち方をしたんですか?」

「確かに、あなたの生い立ち、気になるわね」

月影、クリティカに続いてユーリカ、メビウスそしてシリウスまでもが首を縦に振り、

知りたい様子だった。

(こまったな、話すのは良いけど、絶対場の空気が暗くなる)

{月影頼む、話をそらしてくれ}

{かしこまりました}

すると森の奥から遠吠えが聞こえてきたので

俺と月影で見に行く事になった。

こう言う時に月影の頭の回転の速さはとても助かる。

二人をメビウスとシリウスに任せ俺らは奥に進む

「二人には、先に寝ててって言ったけど寝るかな?

 それにしても、眷獣を使うなんて考えたね」

「流石にあの状況を話でそらすのは無理ですから

 この手を使わせていただきました」

そう言った月影の肩には一匹の黒鳥がいた

月影が言うには、トリックフォーゲルという召喚獣で特徴は声で、

聴いた事のある音ならどんな音でも出せるらしい。

「俺の過去を聞かないのか?まぁ、特別な過去はないけどさ」

「私は眷獣ですから、主の命に従ったまでです。それに、いずれ奥方たちに話すのでしょう?」

「ああ、これからも頼むよ?さて、問題は解決したし戻ろう、眠くなってきた」

その後は、月影と雑談をしながら戻った。

(明日の朝は狩りに出る予定だし早く寝よう)

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