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ニートの異世界交響曲  作者: 田上武人
第2章 旅の準備
22/27

その22"2人の実力"

また間が空いてしまい、すみませんでした

2人の冒険者登録が終わり

クエストに行くことになった

目的地はクエンツェルより北

アルナの森と言う所

行った事が無いため[転移門]ゲートが使えず

アルナの森を目指し歩く。



剣の力や2人の実力を知りたかった俺としては

クエストはちょうど良い機会

さっき確認したら、2人のレベルは

ユーリカが7でクリティカが32

クリティカに関しては、ガルトさんも驚いていた

レベルは、身体能力·魔力の量·魔力の質の平均値

つまり、身体能力が低いクリティカは

魔力の量と魔力の質で補っていると言うこと

クリティカはパストラル王国でも有数の魔法使いで

その名を知る者も少なくない。

「ゴブリン10体の討伐

 こんなクエストで良かったの?」

「難しいクエストが良かった訳じゃないし

 魔法が使えればそれでいいのよ」

「そうです、私達のランクでは

 これくらいがちょうど良いです」

それにしても

シリウスは、ユーリカの隣を歩く白い猫

月影は、クリティカの肩に留まる黒い鳥

メビウスも鳥になり空を飛んでいる。

「月影はその姿が気に入ってるの?」

「この姿の方がユーリカ様や

 クリティカ様の御傍に居やすいので」

月影達にはユーリカとクリティカの

近くに居てくれと頼んである

確かに見た目が動物の方が変に思われなくてすむ

それに月影曰くどんな姿でも力は変わらないらしい

(まぁ、気にする事じゃないか)



話は変わり、今後の話をすることになった

現時点で四天国カルテットに行くのに

アリア王国を通る事しか決めていないため

詳しいルートを決める必要があった

「王都からアリア王国に行くのに

 3の都市があるけど

 山や川を迂回すると考えると

 最短距離は·······」

「そんなに考え込む事ですか?」

地図を凝視する俺を見てユーリカが

心配そうに言ってきた

「別にそう言う訳じゃないよ

 なんと言うか、悪い癖?」

「本当に悪い癖ね

 この前だって、何度呼んでも

 返事が無いんだから」

「本当ごめん

 ところでさ、行ってみたい町とかある?」

「特に無いですね、私は皆さんといれば

 どこでも楽しいですから」

「そうね、あなたに任せるわ」

2人はそう言ったが

どこの町にも行ったことが無い俺としては

その言葉が一番困ってしまう。

「月影達は?」

困った俺は月影達に聞いてみた

月影達は俺と同じように

町に行ったことは無いはず。

「主の行き先が、我らの行き先です」

そう月影は言った。

俺はなんとなくそう言うとわかっていた

わかっていたがもしかしたらと思って聞いた

だが、ダメだった

(はぁ、今日は徹夜かな)



「着いたみたいだね」

「ええ、そのようね」

森の手前まで来た俺達は何故か意気込んでしまう。

特にユーリカが緊張している様子

(無理もないか、姫様だもんな

これが普通か)

「大丈夫、何かあったら

 俺が何とかするから、それに月影達も居るし」

「はい!」

少しでも

肩の荷が下りれば良いと言う思いで言った俺は

安心した様子のユーリカを見て安堵する。

「この機会に、月影達の力も見たいんだけど」

「主のスキルを使えば

 見るよりも確かなのでは?」

そう言った月影だけでなく

シリウス、メビウスまでもが

同じことを言いたそうにしていた

その正論過ぎる言葉に、俺は心の中で納得してしまう

「百聞は一見にしかずと言う言葉があるように

 実際に見た方が早いだろ?」

「ひゃくぶん······何?その言葉?」

知らない言葉が気になったのか

クリティカが食いつく

「人から百回聞くよりも

 自分の目で一回見た方が確かって言う

 意味の言葉だよ」

「聞いたこと無いけど、どこの言葉?」

「···········旅の途中で聞いたんだ」

「そう」

納得したのか追及が無い、だが助かった

ここで「日本って言う国のことわざ」と言う

訳にもいかず、変に誤魔化してしまった。

森の中を歩き続けて数分、

目的のゴブリン達が見えてきた。

「さて、どうしようか」

「挟み撃ちはどうでしょうか?」

作戦を考えているとシリウスが発案する

内容はいたって簡単で

俺、ユーリカ、月影が現在地で待機し

反対側で

クリティカ、シリウス、メビウスが待機する。

そして、合図を出したら一斉に攻撃する。

もしユーリカ、クリティカの攻撃をかわし

こちらに向かってきた場合

月影、シリウス、メビウスが攻撃する。

と言うものだった。

この際、俺の出番が無いことはどうでも良いとして

この作戦なら当初の目的である

ユーリカとクリティカの実力が見ることができ

月影達の力も見ることができるかもしれない

「よし、それでいこう」

それぞれ動き配置につく

ゴブリンの数は全部で17体

シリウスの作戦で行けば

みんなの活躍が見れる可能性が高い

クリティカにはシリウスとメビウスが

ユーリカには俺と月影がいるから

万が一にも怪我をするとは思ってないが

無いとも言い切れないため今まで以上に慎重になる

{準備出来たわ}

{私も、大丈夫です}

クリティカの声が頭に届く

これは無属性魔法[念話]テレパシー

これは無属性適正のある人同士か

契約した眷獣と距離に関係なく会話ができる魔法。

眷獣となら適正が無くとも使えるが

それ以外だと無属性の適正が無くてはいけない

しかしユーリカもクリティカも

適正は持っているため問題ない

{行くよ、3、2、1、今だ!}

[念話]テレパシーで合図を送り

ユーリカとクリティカの2人は

潜んでいた草から飛び出し、魔法を使う

「[火矢]ファイヤーアロー!」

「[風刃]ウィンドエッジ!」

クリティカの放った[火矢]ファイヤーアローは

ゴブリンに当たり燃え上がり

ユーリカの放った[風刃]ウィンドエッジは

ゴブリンを切り刻む。

これで半数近くが倒せた

だが残ったゴブリン達は叫びながら

ユーリカとクリティカに迫る

「近づけさせませんよ[聖壁]ホーリーシールド」

シリウスが展開した魔法により阻まれ

ゴブリン達は動きを止める

「流石シリウス

 私も負けてられませんね、[死斬]デスサイス」

そう唱えると、月影の手に黒い鎌が現れ

月影はその鎌を横に振る

するとユーリカに迫っていたゴブリン達が

次から次へと倒れていく。

(なるほど

一定範囲内ならどこでも届くのか強力だな)

そして気づけばメビウスの方も終わった様子

彼の前には地面から飛び出した針に

ゴブリンが串刺しの状態になっていた。



「終わったね、それにしても

 みんな強いな、ちなみにお世辞じゃないよ」

「まぁ、こんなもんね」

「ありがとうございます、これからも頑張ります」

「ほどほどにね、それじゃあ戻ろうか」

俺は[転移門]ゲートを家に繋ぎ開く

こうしてクエストは何事もなく終わり

概ね満足できる結果となった。

今回も読んで頂きありがとうございます

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