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ニートの異世界交響曲  作者: 田上武人
第2章 旅の準備
20/27

その20"武器製作"

「ふぅ、一苦労だな」

溜め息をつきながら

倒れたダイヤモンドゴーレムの核を回収する。

背後には無数のダイヤモンドゴーレムが

山のように積んであった。

「またオリハルコンか

 あとは、ミスリルだけなんだが」

オリハルコン、アダマンタイトは十分に集まった

だが、ミスリルだけが少し少ない

あと2体分で良いはずなのだが

その2体分が集まらない、

言ってしまえばオリハルコンと

アダマンタイトは30分ほどで集まった、

しかしそこから1時間は

ミスリルを欲しいがために費やしている。

ダイヤモンドゴーレムも数が少なくなってきた、

これ以上やるとバランスが崩れかねないため

あと数体しか倒せない。

「こんなときに限って運がない

 どうしようか、あっ」

ここでまたも閃いた、

それは[探知]ディテクションを用いた

ちょっとしたズル

[探知]ディテクションは

思い浮かべた物の場所がわかる魔法、

と言うことはミスリルを思い浮かべれば

場所がわかると言うこと。

早速試す、するとその場所は意外だった

そして驚いた

「上?まさかな·······」

ゆっくりと上を向く

ここに来る途中、とある看板にこう書いてあった。

"この先、ダイヤモンドドラゴンが観測された

注意せよ"と

この上は空、

ダイヤモンドゴーレムが飛んでいるはずもなく

嫌な予感は的中する。

そこには、日の光に当たり光輝く竜がいた。

それはまさに巨大なダイヤモンドのようだった

明らかに、こちらを睨んでいる。

ダイヤモンドドラゴンは

主にダイヤモンドゴーレムを餌としている。

大事な餌を取られたのが気に入らなかったのか

ダイヤモンドドラゴンは咆哮しこちらに向かってきた

「まるで、隕石だな」

手を空に掲げ、魔力を集中させ叫ぶ

「[空間切断]ディメンションカット」

たちまちダイヤモンドドラゴンは

真っ二つになり地に落ちた。

「これでよし」

ダイヤモンドドラゴンは

ダイヤモンドゴーレムを餌としていため

体内には凝縮された鉱石が多くあった。

ダイヤモンドゴーレムと

ダイヤモンドドラゴンの体を

[収納]ストレージで全て回収し

再び王都クエンツェルに戻るため

[瞬間移動]テレポーテーションを唱えた。



「持ってきました」

そう言って、おもむろに鉱石を机に置いた

ゲースさんは目を点にして見ていた

「早かったな、まぁ良いか、こっちだ」

案内され先程使った部屋に案内された

「こりゃぁすごい」

出した鉱石の量に驚くゲースさん

まだあることを伝えると、より一層驚いた

どうやら、必要量はそこまで多く無かったらしい

そして、ゲースさんの話によると

リクエストに答えられるとのこと

しかし鉱石の配分によって強度が変わってくる

なので、そこをどうするかを考えてくれと

「確かに強度は最高にしてほしいですが

 ミスリルを混ぜることで魔力を流しやく

 なると言うのは良いですね」

「確かに、ミスリルを使えば

 魔力を流しやくなる、が混ぜれば

 強度は最高ではなくなる」

魔力が流しやすくなれば、各属性の力が使えて

より多くの戦いかたができる。

しかし、壊れては元も子もない。

「物体を硬くできる魔法は無いんですか?」

「その手があったな」

魔法の名は、[強硬]ハードプロテクト

物体の強度を高める魔法

この魔法は使い手の魔力の質が関係なく

物体の元々の強度に+αで強度が高まるため

どれだけ硬くなるかは、

物体の元々の強度が関わってくる。

つまり元が脆ければ魔法を掛けても

壊れる事があると言うこと

となれば、

「では、ミスリルを4割ほど混ぜてください、

 残りの6割で強度をできるだけ

 あげてください」

「わかった、ちなみに代金のほうは?」

「これでどうですか?」

そう言って手に入れた

鉱石の4割ほどの量を出した

「こっ、こんなに?」

「これでお願いします

 あと、ミスリルを9割使った

 剣も作って欲しくて材料込みです

 そして、残りは代金として全てそちらに」

ゲースさんは快く受けてくれた。



店を後にし町を歩いていた。

王都だからと言うのもあるだろうが

とても賑やかで明るかった

長らく引きこもっていた俺からすれば

考えもしなかった光景でそこに俺がいる状況。

嫌でも考えてしまう、

"何故俺がここにいるのか"

俺は俺に起きた事がどうしても納得できずにいた

誰かが故意にやったことなのか

神の悪戯なのか

もしくは、

人間では理解のしようがない偶然なのか。

わかった所で別に

向こうに戻りたいとは思っていない。

ただ、"何故俺なのか"

それだけが気になっていた

(この事を言ったとき、

みんなはなんて思うかな?)

俺は怖かった、俺が異世界から来たと言ったとき、

みんながなんと言いなんと思うかを

また一人になるのではないかと。

様々な考えが頭の中を交錯する

「悩んでいてもしょうがないか

 もし、最悪の状況になっても

 そのとき考えよう」

楽観的な考え方、難しい事を考えたときは

必ずこうして終わらせる。

(茶菓子でもかってこうかな)

少し寄り道をして家に着く

お土産の茶菓子をポールさんに渡し

紅茶を入れにキッチンに向かった

俺は2人のいる大広間に向かう、

「ただいま」

「お帰りなさい」

「遅かったわね、で目的は達成できたの?」

「もちろん、完成が待ち遠しいよ」



ソファーに座り、紅茶を飲みながらくつろぐ

ポールさんがいれてくれた紅茶はやはり美味しい

「どんな武器を頼んだんですか?」

ユーリカは興味津々らしい

なので今日の出来事を一通り話す。

素材はどうしたの?と言われたときは戸惑ったが、

とりあえず、はぐらかしておいた。

話の中でクリティカの「いつ出発するの?」

で話は変わり、どうするかを考える。

「必要な物は大体揃ったし

 俺の剣が完成してから、かな」

旅に必要であろう物は揃え終わった

馬車に関しても、馬操と言う馬に乗ったり

馬車を走らせるのに必要なスキルも得た、

武器の剣ができれば、準備万端

いつでも出発できる。

「そうね」

「私はあまり自由に遠出したことがないので

 色々楽しみにしてました」

心の準備はできてるみたいで

2人は待ち遠しく思っていた。

「ああ、楽しもう」

(この旅で、俺の事が少しでもわかれば良いが、

第一に考えるべきは2人と楽しむことかな)

この旅は、2人だけでなく

俺にとっても初めての旅

不安が少しばかり残るが

2人いれば、その不安も無くなる

今思っても、

俺と2人が一緒になるなんて考えられない。

けど今は2人のために生きると決めた、

周りが文句を言えないくらいに

相応しい男になると。

人には突然訪れる転機があるらしい。

俺の身に起こったことが転機と思って

新たな人生を歩む、そう言うのも悪くない。

「どうしたの?」

微笑む俺を見てクリティカが聞いてきた、

「2人との旅が楽しみでね

 さて、そろそろご飯にしようか」

次で第二章は終わりの予定です

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