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ニートの異世界交響曲  作者: 田上武人
第2章 旅の準備
17/27

その17"新たな脅威"

ジークの一件から1日経った

朝食が終わり

ユーリカ達と話していると

ポールさんが寄ってきて

「旦那様、只今シノワ家から使者がこられまして

旦那様宛に手紙が来ております」

と一枚の手紙を渡した。

今更だが、ユーリカ達と住み始めてから

ポールさんは、俺の事を「旦那様」と呼んでいる

最初は違和感しかなかったが

今ではさほど気になっていない。

「シノワ家?なんだろう」

手紙を開け中を確認する、

「なんて、書いてあるの?」

「なんか、屋敷に来てほしいみたい」

クリティカの質問に簡潔に答える

「至急とのことでしたが」

「至急ならしょうがないか

 昨日クリティカが言ってたことかな」

「その可能性が高いわね」

「やっぱりそうだよね

 さて、きっぱり断ってきますか」

「無理はしないでくださいね」

「逆上して、問題起こさないでね」

クリティカはいつもどうり

釘をさす見送りかたで、逆に安心する。

ここで問題を起こすわけにはいかないので

できることはやるつもり

「てか、俺に突っかかってくるのは

俺が侯爵になって気に入らないとか

ユーリカと一緒に居るからとかなのか?

この際、俺の実力を示せば良いのか?

それで解決するとは思ってないけど。

まぁ、いってくるよ」

みんなに見送りされて、家を出た。



今日は1日中やることがないので

武器について色々と調べようとしていた、

せっかく

レイピアといういい武器を見つけたのに

{主、今大丈夫ですか?}

頭に[念話]テレパシーで語りかけてきたのは

月影だった、

{月影か、大丈夫だけど何かあった?}

{それが、家の周りに数名怪しい者が}

ここで俺は何となく察した

「まったく、やっぱりか」

さっき、ポールさんが手紙を受けとるのを

俺は見ていた

だがその時に感じた悪意は普通じゃなかった、

とっさにシノワ家の使者を名乗った奴等を

フォースアイで確認したが

経歴にはとくに問題はなかった

ただ1つ、使者にしてはレベルが高かった

使者といったら、ポールさんみたいな人だと思っているからかも知れないが、

それでも使者がレベル30って高すぎでしょ

騎士団でもやっていけるレベル。

そして家を出たときにも

一応、周りをフォースアイ(第四の目)で見回ったが

レベルが23以上の人を数人見かけた。

俺達の家は

そこそこ良い家柄の人たちが住んでいる所にある

こんなにレベルが高い人が

普段からいる場所じゃない。

その時点で、

こうなるかもと思ったけど現実になるとは、

{わかった、けど今戻ることはできない

家の人の安全を確保して

シリウスに守らせてくれ

万が一、侵入してきたら月影とメビウスで

死なない程度に拘束してくれ}

{承知しました}

今戻って遅れたら

なに言われるかわかったもんじゃない

もしかしたらそれが目的かもしれない、

けど月影、シリウス、メビウスなら

あの程度じゃ戦った気にもならないかもしれない

あの3人を眷獣にしたのを知ってるのは

ほんの数人だけだから

侵入した人たちはきっと驚くだろうね。

「今は俺のできることをやらなくちゃね」

と、呟きシノワ家に歩みを進める。



「ここか」

屋敷の屋根に立ち、

先に状況を確認することにした、

「[反響]エコー」

[反響]エコーは超音波を発し

その反響で物の配置や形を知ることができる

見えないものにたいしてとても便利な魔法、

(なるほど、レベルはわからないが

武器を持っているのが、36····いや37人

武器を持ってないのが41人か)

人を呼んだ奴の取る対応じゃない

あんな大勢でもてなす気なら、

正気の沙汰じゃない

しかし、このまま潜入するわけにもいかず

屋敷の正面に行き、門番に話しかける

「すいません、

 これを受け取ったので来たのですが」

と言って手紙を渡す

かなり動揺していたが

すぐに屋敷の中に入って行った

(どうせ、来ると思ってなかったんだろうな)

数分後、一人の男性が屋敷から出てきた、

「お待ちしておりました

 カガミ.セイト様、どうぞこちらへ

 シノワ.ハウッド様がお待ちです」

どうやら、この家の執事らしい

俺は、なにも言わずに着いていく。

屋敷に入ってすぐわかった

常人でもわかる違和感のある空間

(ものすごい、悪意と殺気だ)

[反響]エコーを使っているため

屋敷の中が丸わかりだ。

だが、今のところ襲ってくる気配はなく

シノワ.ハウッドであろう人物の元に進んでいる

(襲ってこない、様子を窺っているのか?)

扉の向こうにいるのに

その前を通っても特に何もしてこない、

悪意と殺気はそのままだが。

ひとまず何事もなく部屋の前に着いた。

執事の人が扉をノックし

「カガミ.セイト様がいらっしゃいました」

やはりこの部屋にシノワ.ハウッドがいるのか

「入れ」

扉の向こうからの声に執事が扉を開け

俺を中に入れる

中に入った俺はソファに腰かける

執事は挨拶を済ませ部屋から出ていった、

(二人きりか、どちらにせよ変わらないが)

「今日は良く来てくれた」

「ええ、手紙を受け取ったと思ったら

 至急来てくれ、とのことでしたので

 驚きましたよ、でご用件は?」

後ろの方は相変わらず変化なし

話をしている間は何もしてこないと助かるのだが

「ここに呼んだのは

 君が、ジーク君との勝負に勝ったと

 聞いたからからだ」

(やっぱりその事か

ジークに勝ったのは確かだし

クリティカにどうなるかも話も聞いてる

しかしここはあえて聞くか)

「ええ、確かに勝ちましたが、それが何か?」

「有力な騎士に勝ったとなれば

 こちらとしてもほっとく訳にはいかない

 私は、騎士団を指揮している

 より大きい力を求めるのは当然だ」

シノワ.ハウッドは

この国の騎士団の指揮をしている一人

やろうと思えば、騎士団を動かす事もできる

聞いた話だと昔騎士団に所属し

タイラントドラゴンを倒したとされる有名な騎士で

騎士団を辞めても騎士の教育に力を入れているらしい

そんな正義感がある人がこんなことをするとは

実際、驚いている

それに確か、シノワ.ハウッドには

一人の息子がいるが、今は既に結婚していて

騎士団で活躍していると聞く

だとすると、狙いはユーリカでは無い

(やっぱりわからない

シノワ.ハウッド、何度フォースアイ(第四の目)を使っても

何を考えているのかわからない、スキルか?)

「ほっとく訳にはいかない?

 私にどうしろと?」

「話は簡単だ、君が騎士団に入るだけだ」

「それは、命令ですか?お願いですか?

 私は、その様な法は知りませんでしたが」

「黙って従え」

すごい威圧でシノワ.ハウッドは言った

だが、ここで引くわけにはいかない

「黙って従え、ですか強要するんですね

 では、扉の向こうにいる方々は

 そのためですか?」

そう言っても、シノワ.ハウッドは動揺しなかった

「何故だ、何故わかった」

だけどあっさり認めてしまった

目的は、ユーリカでは無く俺だったみたいだ

「この殺気なら子供でもわかりますよ」

「なるほど、だが

 これならどうだ?こい!」

そう叫ぶと、突然目の前に黒い服に身を包む

一人の男が出てきた。

(なんだ?後ろの連中は動いていない

こいつ、どこから出てきた?)

すかさずフォースアイ(第四の目)を発動する、

しかし、何も見えない

シノワ.ハウッドと違って

こいつは何一つとしてわからない。

ソファから飛んで扉の前に立つ

「お前が····カガミ.セイト····か?」

男が口を開きそう聞いてきた

「だったらなんだ?」

「俺たちは····黒の塔

 上は····お前が····気になって····いる

 それを····言いに····来た

 実力が····気になるが

 また····会うだろう

 その時で····いい」

そう言って、男は消えた、

(手下じゃないのか?

いかにも、切り札って感じに言ってたけど)

気づけば、シノワ.ハウッドは気を失っているし

悪意も殺気も無くなっていた

そして何より

扉の向こうにいたはずの奴等がいなくなっている

訳がわからない

急に出てきたと思ったら、急に消えた

しかし、あの男がただ者では無いことはわかった

「何者だ?それに黒の塔?聞いたことがないな

 はぁ、この先面倒な事が起きそうだ」

シノワ.ハウッドの目が覚めそうだし

とりあえず、話を聞く事にした。

今回も読んで頂きありがとうございます


謎に包まれた男の正体は?

追々明らかになっていきますので

適度にご期待ください

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