その15"武器"
今回は変更ではなく、付け加えます
今回からルビをつけます
1~14までの部分にも付け加えますので
ご了承ください
昨日ユーリカとクリティカに言ったとおり
騎士団の様子を見にきた
先程、カサブランカ王に許可を取りに行ったら
笑いながら理由を聞かれた
「武器をどうしようかと迷っていたので
騎士団の様子を見に行けば
何かしらヒントになると思ったからです」
と言ったおいた
城の裏側の王国騎士団の本部に行き
訓練場を見に行った
訓練場に行くまで俺が通ると少し騒がしくなった
ユーリカ、クリティカと婚約したことは
まだ公表してないはずだが
ちょっとした噂になっていた。
俺のイメージでは、騎士団と言うと
ゴツい人が多いと思っていたが
実際に見てみるとそうではなかった
いない訳ではないが
ほとんどは、普通の見た目で
どちらかと言えば爽やか系の青年が多かった
ゴツい見た目をしているのは
ごく一部で、歴戦の猛者
いわゆるベテランだけだった
意外に女性の騎士もいて
俺のイメージとはだいぶ違っていた
レベルはほとんどが、20前後
それ以上だと、30くらいで
最大は、キング.シャルロット騎士団長の56
騎士団と言うのは、
民からすれば憧れの存在で
毎年、入団試験には多くの人が集まるそうだ
実際、このパストラル王国は
長年他の国と友好的にしていたため争い事がない
争い事がないのはとても良いことだし
国王である、カサブランカ王の人徳の賜物だと思う
確かに今思えば、この国は平和そのもの
種族だって、俺たち人族だけじゃなく
ドワーフ、吸血族
犬人種や猫人種などの獣人族も多く見かけた
つまり、種族による差別がない
他の国だと
差別が酷くて奴隷として扱っている国もある
パストラル王国は
奴隷制度を全面的に禁止しているが
裏で奴隷商売が行われてしまっているらしい
そう、考えると来た国がここで良かった。
しかし平和ボケして
だらだら訓練している所は見たくない
練習場に着き、
しっかりやっているのが見えて安心した。
だが一目見てわかった簡単には答えがでないと
何故なら、剣、槍、双剣、弓、斧など
様々な武器を用いて訓練している
騎士達の姿がそこにはあった。
つまり、選択肢が多い
武器によって長所、短所が違い
使い手によって向き不向きがある
スキルを習得できれば
話が変わってくるらしいが
俺の場合、スキルは関係無く
どの武器を使うか、これが問題なのだ
(う~ん、どうするべきか·····
基本の剣か、リーチのある槍か、
素早く立ち回れる双剣か、
遠距離からの攻撃ができる弓か、
攻撃特化の斧か、見れば見るほど悩むな)
実際、俺の理想はとりあえず素早く立ち回れる武器
しかし、双剣だと両手が使えないし
リーチが短くて攻撃がしにくい
どれも、理想とは程遠い
「ある程度リーチがあって、片手が使えて
ある程度素早く立ち回れる武器······」
脳をフル回転させ理想に合う武器を考える
が、何一つ思い浮かばない
俺は昔から興味があるものしか
覚えようとはしなかった
ここに来て、
武器の事について考えるとは思いもしなかった。
知識が無いわけではないが
知ってるとしても、武器の種類や名前だけで
武器の特徴なんて見てわかる程度しかわからない
「まったく、どうすれば·······」
そう、考えていると後ろから俺を呼ぶ声がした
「そこで何をしている?」
「少し、騎士団の様子を見にきただけですよ
キング.シャルロット騎士団長
一応、カサブランカ王にも言ってありますから
ご心配無く」
そう、声をかけてきたのは
騎士団長キングシャルロットだった、
数時間前、魔獣の討伐に行ったらしいが
もう帰ってくるとは、流石騎士団長だな。
「君、名は?」
「カガミ.セイトと申します」
「!」
シャルロット騎士団長が驚いた顔をしているが
俺はそんなに驚かれるほどの有名人か?
「あなたが、あのカガミ.セイトですか」
「ええ、そうですよ」
そう言うと、いきなり頭をさげた
「ユーリカ姫の件、感謝する。
姫を守るのは本来我々の役目······
あなたがいなければ、」
「頭をあげてください
ユーリカ姫になにも無かったのですから
それで、良いじゃないですか
あなたが頭をさげる事は無いですよ」
「そうですか、ところでここには何をしに?」
(この様子だと婚約の話は知らないな
それだと、旅に出るからとは言えないな。)
「ギルドに冒険者登録してあるのですが
武器らしい武器を持っていないので
どのような武器があるかを見にきたんですよ」
「武器?レベルが100もあれば
武器は必要ないと思いますが」
「いえいえ、魔法だけが全てではありませんので
それに、魔法よりも武器で攻撃した方が
早い事もありますしね」
「おいお前‼
騎士団長に向かって馴れ馴れしいぞ!」
後ろの方から、怒鳴り声が聞こえた
するとシャルロット騎士団長の横から
一人の騎士が出てきた。
「やめろ、ジーク」
シャルロット騎士団長がそう言って黙った
その時、フォースアイで確認した
どうやら、彼の名はジーク.シャルロット
シャルロット騎士団長の息子らしい
レベルは37、13才でこのレベルは逸材と言える
スキルも、剣術+3、矛砕+1
騎士団の中でも数少ない実力者だろう
が、俺がフォースアイを持ってることは
知らないだろうし、一応聞いておこう
「この方は?」
「ジーク.シャルロット私の息子です」
「そうでしたか、で、何のようかな?」
「俺は、お前が気に入らない‼」
普通初対面でそんな事言うかな?
「ジーク、彼はこの国の侯爵だぞ
言葉を慎まないか」
「父上は黙っていてください
俺はお前を侯爵とは認めない
姫を守るのは俺たちのやること
お前じゃなくとも、誰でもできた!」
「やめないか!」
シャルロット騎士団長の一喝で
その場が静かになる
そこで俺は言葉を発した
「確かに君の言う通りだ
俺自身、侯爵になったのだって
いまだにおかしいと思っているし
認めない人がいるのだって知ってる
だから、そこは気にしてない。
だけどな、ユーリカ姫を助けるのを誰でもできた?
これを言うのは騎士団の皆さんに申し訳ないが
ユーリカ姫が魔法で転移されそうになった時
あの場で、君たちは動けたか?
別に騎士団が悪いとは思ってない
が、俺は間違った行動をしたか?」
「くそ、俺と勝負しろ!」
納得しなかったのか、勝負を挑んできた
「なんでそうなるの?別に良いけどさ」
「決まりだ、下に行くぞ」
シャルロット騎士団長がとめているが
ジークはやる気十分みたいだし
俺も少しだけ腹が立ったから、受けてたつ
それに、武器は実際に使うのが一番良い
今回も読んで頂きありがとうございます
次回は、カガミVSジークから始まります
そして、カガミはどの武器を選ぶのか?