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ニートの異世界交響曲  作者: 田上武人
第1章 始まりの国
11/27

その11"決意"

俺たちが[転移門]ゲートで戻ってきたのは

王城の中、授与式をした場所

「あれ?誰もいない」

今ここにいるのは俺とユーリカ王女、クリティカ、

そして眷獣の月影とシリウスだけ

どうしようか考えていると

後ろからドアの音とともに声がした

「ユーリカ!」

全員が後ろを向く、そこにはカサブランカ王がいた

「お父様!」

先に言ったのはユーリカ王女だった

「ユーリカ、大丈夫か?とても心配したぞ」

「はい、カガミさんのおかげで大丈夫でした」

「そうか、カガミ殿助かった

 君たちがいなくなってから

 今の今まで不安でしょうがなかった」

カサブランカ王はそう言って頭を下げた

「いえいえ、ただ今回は少し焦りましたよ」

「本当にありがとう、あと、疲れている所悪いが

 詳しい話を聞かせてほしい」



ユーリカ王女、クリティカと別れ

カサブランカ王と話をするため別の部屋にいく

「早速だが、何があった?」

「そうですね、簡単に言えば

 ホージィ.ルイスと言うこの国の元貴族が

 ユーリカ王女を自分のものにしたいと

 今回の事件を起こしたようです」

「ホージィ.ルイス?、ルイス家の事か

 まったくそんな理由で私の娘を」

カサブランカ王は拳を強く握り言った

(完全に怒っているな、まぁそうなるか)

「それで?そのホージィ.ルイスはどうした?」

「邪神の力を取り込んでいたため

 拘束しようにもできず、その、あれです」

「なるほど、わかった」

(察してくれたか、ありがたいな)

「ちょっとまて、邪神の力と言ったか?」

カサブランカ王は

俺も気になっていることを聞いてきた

「やっぱりそこですよね、

 私もそこが気になっています、

 邪神について何か知っていますか?」

「少しならな、

 遥か昔に邪神によって

 世界が滅ぶ寸前までいったほど

 強大な力を持っているらしい」

「滅ぶ寸前?」

「あぁ、オリガミ.ユウトと言う勇者に

 邪神が封印されたらしい

 それが、2000年前位だ」

「!」

その話を聞いて俺は驚いた

(オリガミ.ユウト?

どう考えたって日本人の名前だよな

まさか、2000年前にも俺みたいな奴がいたのか?)

「ちなみにその方の名前はご存じですか?」

「ユウトだが?」

(まさか本当に日本人なのか?)

「その方の出身は?」

「名前が後にくるんだから

 四天国カルテットに決まってるじゃないか

 あと今さらだが、カガミ殿はどこ出身なのだ?」

(なんだ、日本みたいに名前をつける国があるのか

それにしてもどうしようかな·······仕方ないか)

「私も四天国カルテット出身なんですよ」

「やはりか、

 セイトは珍しい家名と思っていたが

 セイトが名前か」

「ええ、そうです」

「では、セイト殿と呼ばせてもらってもいいか?」

「もちろん良いですよ」

「セイト殿、

 ちなみにメリーに呪いをかけたのは

 ルイスなのか?」

カサブランカ王は急に真剣になる

カサブランカ王はこうも家族の命が

立て続けに狙われている事を心配していた

「いえ、メリー王妃に呪いをかけたのは

 ルイスではありません」

「そうか」

(やっぱり、メリー王妃の事気になってるよな)

「本当、セイト殿には助けてられてばかりだな」

「いえいえ、

 僕の方こそ色々とお世話になってますから」

「あれから少し経つが、君の願いは決まったのか?」

「いえ、これと言ってないですね

 なんならそちらで決めてもらってもいいんですが」

「そうか、セイト殿のおかげで私の家族は

 3度も命を救われている

 そこまでしてくれたセイト殿に

 もう1つだけ頼みたいことがある」

再び話をするカサブランカ王は

今までよりも真剣で何か決意をしたようだった

「私にできることなら」

俺は直感的にかなり重大なお願いだと思った

「率直に言うとユーリカの事を······」

コンコン、と

カサブランカ王の話を遮るかのように

扉を叩く音がした

「誰だ?」

カサブランカ王は扉に向かって言った

「私とユーリカとクリティカです、

 入ってもよろしいですか?」

そう言ったのはメリー王妃だった

「ちょうど良い、入ってくれ」

(メリー王妃がいったいなんの用だろう?

それに、ユーリカ王女とクリティカがいるってことは)



あらためて話を始める、と思っていたが

1番初めにしゃべり始めたのは

ユーリカ王女とクリティカ

しかも、恥ずかしげな表情をしている

「お父様、お母様、私このカガミさんと

 その、けっ、結婚をさせていただきたいのです」

「私もユーリカ姫と同じくカガミさんと

 結婚させていただきたいのです」

そう言った2人は顔を赤らめて立っている

カサブランカ王とメリー王妃は

何かを考えているように静かだ

俺は下を向きながら色々と考えていた

(やっぱりその事か

まさか、ここまで本気とは思ってなかった

こんな展開になった時はどうするべきか)

「そうか、そうか」

カサブランカ王は笑顔でそう言った

「私も君にユーリカの事を守ってくれと

 頼みたかったのだ」

カサブランカ王がそう言うと

ユーリカ王女とクリティカは

少し落ち着きを取り戻した

「私たち2人は

 セイト殿と君たちの結婚に反対はない」

カサブランカ王はそう言っているが

俺は少し納得していない

「ちょっと待ってください」

ここで俺は話を止める

「カガミさんは私たちの事が嫌ですか」

ユーリカ王女は声を小さくして言った

「別に嫌ではありません

 むしろ、嬉しいです

 ですが、たった数日前に会った私を

 親であるカサブランカ王とメリー王妃は

 なんでそこまで信用できるんですか?」

「それはね、ユーリカとクリティカが

 あなたを信用してるからよ」

メリー王妃はそう言ったが

正直な所、なんで?と思った

しかし、2人がそこまで信用してくれているなら

これ以上疑うようなことはできなかった

「ですが、私の住んでいた町では

 男は18、女は16になるまでは

 結婚してはいけない決まりでして

 私は18ですがユーリカ王女は13少し早いのでは?」

「聞いたことのない決まりだな

 しかし代々コバルト家の人間は

 遅くても15までには婚約者を決め夫婦となる」

俺の質問にカサブランカ王はそう答えた

「と言っても、結婚は人生に大きく関わる

 重大な事だ、すぐに決めることじゃないし

 お互いに関係をしっかり築く必要がある

 そこで、ユーリカが15になるまでの2年間

 2人と共に過ごしお互いの関係を築くのはどうだ?

 それでも無理ならこちらも強制はしない」

カサブランカ王の話を聞いて1つ思ったことがある

(ユーリカ王女やクリティカ事を知る前に

まず、自分の事を知る必要があるよな

それに、俺に何かを守る事なんて、)

「よろしくお願いいたしますねカガミさん!」

「これからよろしくねカガミ」

2人はとても良い笑顔で言ってくれた

何故か、この2人といると心が落ち着く

この感情はなんだろう?自分自身わからなかった

だが、

この笑顔を見ると悩みとか吹きどぶような気がする

「カサブランカ王、メリー王妃

 ユーリカ王女とクリティカ

 2人の事は私が全力で守らせて頂きます

 そして、絶対に幸せにしてみせます」

俺は決意をした

唐突に始まった新たな生活いや新たな人生

きっとこの先、色々な事がある

しかし、どんなことがあろうと守ると

今回も読んで頂きありがとうございました


次回で第1章も終わりです

第2章もよろしくお願いします

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