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ニートの異世界交響曲  作者: 田上武人
第1章 始まりの国
10/27

その10"決着"

今回から"魔素"を"魔力"とします

その1からその9までの"魔素"はすでに"魔力"に

修正しました、ご了承ください

「へー、この力を見てもまだやる気あるんだ」

「当たり前だろ?

 そうしないと、ここから出れないからね」

黒い霧をまとい邪悪な力を持ったルイス

俺は冷静になって話をする

「僕は優しいから、君にチャンスをやろう

 ユーリカを置いていけば君達2人は

 ここから出て構わない、どうする?」

「ふっ」

「何がおかしい?」

笑った俺をルイスは鋭い目付きで見る

「だってさ、そう言うのはチャンスじゃないからさ」

「チャンスじゃない?

 人一人置いていけば命が助かるのに?」

「その人一人を置いていけないんだよ」

「ユーリカの事か?

 聞いた話だと君は侯爵になったらしいが

 だからか?」

「それは少し違うな」

「じゃあなぜだ?

 数日前に知り合ったのに

 なぜお前はユーリカを守ろうとする」

俺は突然この世界に来てしまった

状況が突然変われば普通ならとても戸惑う

だが俺はそこまで戸惑わなかった

なぜ俺が戸惑わなかったのか

それは自分が"無"だから、そう思っていた

そんな時に

ユーリカ王女やポールさんに出会い

そこからまた

カサブランカ王やクリティカと出会った

人と関わったのが久々だからか

彼女達との日々が新鮮だった

そして少しは自分が変われたと思った

まだ出会って数日しかたってないけど

心から出会えて良かったと思えた

そんな事を思いながら言葉にする

「俺は昔に大切なものを失ってしまった

 だから、もう失うのは嫌なんだよ」

「ユーリカが大切と言いたいのか?」

「そうだ、ユーリカ王女もクリティカも

 俺にとって大切な存在だ」

「カガミさん」「カガミ」

ユーリカ王女とクリティカは小さく呟いた

「そうか、なら力ずくでユーリカを僕のものにする」

「そこまでユーリカ王女が好きか?

 結婚はお互いに愛していないと成立しないぞ?」

「ユーリカも僕の事を愛しているさ」

「ユーリカ王女どうですか?」

「私は、結婚するならカガミさんが良いです」

予想外の言葉にルイスと俺は固まった

「えっ」

「わ、私もあなたが好きよ」

クリティカまで言い出して訳がわからなくなる

「クリティカまで何を?」

頭の整理ができなかったため

1度切り替えてルイスの方を見る

「ユ、ユーリカは、僕のものだ!」

ルイスは黒い霧を大きくしながら言った

(まずいな、あいつのレベルが上がったぞ)

フォースアイで確認したところ

ルイスのレベルは80から84に上がっていた

(世界最高は64じゃないのか?

あの黒い霧の影響だとして、勝てるか?)

レベルが100だとしても

戦った経験が少ないため不安になる

「お前を殺してユーリカを僕のものにしてやる

 [爆裂]エクスプロージョン」

(考えてる暇はないか)

「[反射]リフレクション」

ルイスの[爆裂]エクスプロージョンを

[反射]リフレクションで跳ね返す

跳ね返した[爆裂]エクスプロージョンは

勢いよくルイスに直撃した

「ハハハハハハハハ、効かないなぁ」

(ダメか、どうする?)

俺は必死になって考え1つの作戦を思いついた

「[吹雪]ブリザード」

水属性魔法[吹雪]ブリザードを唱えた

考えた作戦、それは全ての属性魔法を試すこと

弱点がわからなければ決定打に欠ける一撃ができない

フォースアイを使っても弱点はわからない

そのため手探りでやるしかなかった

(見た感じ効いてないな)

「死ねぇぇぇぇぇぇ」

ルイスは黒い霧を触手のように変え攻撃してくる

(そんな使い方ができるのか

しかも避けると後ろの2人に当たるかもしれない)

「[防護壁]プロテクション」

俺は[防護壁]プロテクションを展開し

ルイスの攻撃を防ぐ

「今度はこっちの番だ[放電]ハイボルテージ」

「だからぁ効いてねぇよ」

ルイスはバカにしながら言った

(これもダメか

てかあいつ、だんだん言葉づかい悪くなってないか?)

「じゃぁこれは?[暴風]ストーム!」

「おらぁっ」

ルイスは黒い霧で[暴風]ストームを散らしてしまった

(あの霧には魔法が効かないのか?

···············あれ?、まてよ)

ここで俺は大事なことを思い出した

(仮説が正しければ·······勝てる)

「[聖剣]ホーリーソード」

右手に光の剣を作り出した

「何をしても無駄、さっさと死ねよ」

ルイスは再び触手を俺に向け攻撃してくる

「無駄だって?どうかな」

[聖剣]ホーリーソードを横に一振り

すると触手が次々に消えていく

「なんだとっ」

(やっぱりか、

どのゲームでも闇属性、悪属性とかには

光属性、聖属性が有効だった

あの邪神の力も同じようなもので良かった)

「お前、何をした!」

理解できていないルイスは怒鳴りながら言った

「それがわからないなら俺には勝てない」

「なん····だと、ユーリカは僕のものだ!

 お前なんかに、取られて、たまるか

 お前なんか、お前なんか

 ·····················殺してやる」

ルイスは黒い霧を一点に集めだした

「今度はなんだ?」

「ふふふふふふふふふ、

 これはお前でも防ぎきれないだろ」

集めた霧は禍々しい球体となり

ルイスはそれを放った

(そうきたか、なら俺はこうする)

俺は魔方陣を展開する

「そして、[複製]コピー」

魔方陣は2つになった、また[複製]コピーを発動させ

2つの魔方陣は4つになった、それを繰り返し

魔方陣の数は、128となった

「[全充填]フルチャージ」

全ての魔方陣に光属性の魔力をためる

魔方陣は白い光で包まれる

「これで終わりだ、[砲撃]キャノン!」

俺がそう唱えると

128個の魔方陣から光のレーザーが放たれた

この攻撃によって禍々しい球体は消え

ルイスに直撃する

「ぎゃぁぁぁぁぁ

 こんな、所で、ユーリカ、は、僕の」

ルイスはそう言いながら消えていった



「はぁ、はぁ、はぁ、終わったか」

ようやく休める、そう思ったが

休む間もなくユーリカ王女とクリティカが

抱きついてくる

「カガミさん!」

「カガミ!」

そう言った2人は泣いていた

「なんで、泣いてるの?」

「だって、もう少しであなた死んでたわよ」

クリティカは泣きながら怒った

(俺の事を心配してくれたのか、)

「2人とも、ありがとう」

「あの、カガミさん

 先ほどのお話しなのですが、」

ユーリカ王女は顔を赤らめて言った

ユーリカ王女がそう言うとクリティカも顔を赤らめる

(そういえば、結婚するなら俺と言ってたな

それにクリティカにも告白されたし)

「その話しはとりあえず、城に戻ってからで

 月影とシリウスもありがとう」

「いえ、主こそ素晴らしい戦いでした」

月影がほめてくれたので少し照れる

「そうかな?あっ、そうだ

 月影、魔法を妨害する結界はどうなった?」

「なくなってますね

 おそらく、ホージィ.ルイスが

 結界の鍵だったのでしょう」

「じゃあ[転移門]ゲートが使えるな

 ユーリカ王女、クリティカいこう

 [転移門]ゲート」

[転移門]ゲートを唱え城に帰った

(はぁ、ようやく戻れる)

今回も読んでいただきありがとうございます

やっと決着がつきましたね

あと2回くらいで第1章を終わらせる予定です

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