第6話
1
城に入った。
「うわあ! キレイー!」
というイリシアの第一声。
それに対して希里花がこう言った。
「そうかしら?私はクリスマスのイルミネーションの方が綺麗だと思うけど。」
するとイリシアは、
「え? いるみねーしょんってなに?」
そっか。この世界はイルミねーのか。
そうだ。そういえばなんでモンスター沸いてるんだろう。
イリシアに聞いてみよう。希里花はまだこの世界に来たばかりだし、何も知らなそうだしな。
「なあ、イリシア。」
「何ですか?」
「モンスターって、なんで湧いてくるんだ?」
「うーん。詳しいことはよく分かりませんけど、私はあの岩? が原因だと思います。」
イリシアが指を指した場所……、すなわち窓の外には、透明度が高い、紅色の岩のような物があった。
「私があなたがたと出会う前、モンスターが湧いてる場所何個か見付けまして、そこの周辺には大体あれがよくありましたから。」
「あれって壊すことは出来ないのか?」
「今まで国がレベルMAXの最高職の人を何回も派遣しましたが、全員壊すことが出来なかった、それどころか傷も付かなかったと、新聞に書いていました。」
「……つまり、無敵ってことか。」
「とりあえず、私はレッドダイヤモンドと呼んでいますが……。」
「なあ、希里花。あれ壊してみないか?」
もしかしたら、モンスターが湧いてる原因、本当にあれかもしんねえし。
「え!? ちょ、多分ムリですよ!? 今まで誰も壊した事無いんですから!」
「そうね。一回やってみましょうか。」
2
「それじゃあいくぞ。」
俺が剣を振り、希里花はある魔法を唱える。
「肉体強化!」
そう。書いてある通り、肉体強化魔法だ。
ガキーン!
鈍い音が鳴る。
「まじかこれ!全っ然傷もつかねえ!」
「だから言ったじゃないですか。ほら、ガルディア討没行きますよ。」
「ここが地下への扉だな。」
俺はその扉を開けた。
そしてイリシアが中の様子を見てこう言った。
「うーん、この様子をみると階段まで少し廊下があって、そのどこかにガルディアが居るみたいです。ほら。何かの吐息、聞こえますよね。」
「確かに、少し唸り声も聞こえるしな。」
「はい、二人とも。位置について。」
「OK。」
「はい。」
「クエスト開始よ。」
希里花はそう言って、コインを投げた。
コインが空中を舞い、地面へと落ち始めた。
そして……
チャリーン!
と、音が鳴った。
それと共に、足音が聞こえて来た。
「グアアアアア!」
雑魚モンスターたちの襲来だ。
続いて……
「ガルルルルルル…」
ガルディア、そしてその他の中級モンスター達がやって来た。