第5話
前回。
クエスト道中、なんやかんやで幼女をパーティーに入れました。
1
「さあ、もう少しだぞ。」
その時、俺と希里花、そして先ほど仲間に加わった幼女は、クエストをする場所にいた。
……そういえば彼奴の名前聞いてなかったな。
そう思い、俺は幼女に名前を聞くことにした。
「おい。幼女。」
俺がそう聞くと、
「はいっ!」
と幼女が大きな声で返事をした。
「そういえば、お前の名前、聞いてなかったよな。なんて名前だ?流石に戦闘中に『幼女』と呼ぶのも萎えるしな。教えてくれ。」
俺はそう聞いた。
「あ、はい。イリシア……。イリシア・ルーク・ソデルアと言います。」
イリシア・ルーク・ソデルア……イリシアルークソデルアか。
「そうか。……じゃあイリシア。今日のクエスト……、ガルディア討没は……。」
するとイリシアは驚愕した顔で言った。
「ガルディア!? 今ガルディアって言いました!?」
「あ、ああ。確かにそう言ったが。」
「ガルディアって、中級モンスターですよ! こんなパーティーじゃ、すぐに死んでしまいます!」
「え?なんで?」
「お兄ちゃんレベル1の剣士でしょ!? で、お姉ちゃんは――多分その格好から見て、あとステータスから見て、レベル16の魔法使いでしょ!? 」
イリシアはそう言った。
「いやいや、俺レベル1だけど双剣士クラス24だぞ。」
それに対し、その様に喋った。
「私もレベルは14だけど大魔法使いクラス16よ。」
「ぴゃっ!? え!? ええっ!?ど、どういうこと!? 双剣士や大魔法使いは、レベル97以上の職業ポイント分からしかなれないはずなのに!」
「……まあ、イリシアちゃん。」
「は、はい.!」
「あなたは、そこら辺の雑魚モンスターでも倒して、レベルアップすればいいわよ。」
「はい。」
「ま、私達の戦闘を邪魔する生き物を倒してくれればOKよ。ただし、人間は駄目よ。人間は(経験値かっさられるかもだから)……そうね。生殺しか半殺し程度にしといて頂戴。」
希里花さん!? 今なんて言いました!?
「分かりました。」
2
クエスト場所
「よし。着いたぞ。」
目的地はこの大きな城。
「それにしても大きいわね!」
「おっきーですっ!」
二人は城を見上げて言った。
「つーかここって何なんだ? ガルディアってのもどこにいる?」
という俺の質問に、希里花は答えた。
「あ、ここはね、この王国の中心で、この城に住んでる国王がこの国を治めているの。でもなぜか最近、ここの地下にモンスターが湧いてるらしいの。でも、どうしても地下に行けない事情があって、それが――」
「ガルディアってわけだな。」
「ですね。」
と、俺とイリシアが希里花の声を遮り言った。
「ちょっ二人とも! なんで言うのよ! 私が言いたかったのに!」
「ヘヘッ。ごめん、ごめん。」
「ごめんなさいです。」
「ま、それでね。いつも入り口でやられちゃうらしいの。……ほんっとこの国はバカよね! なんでレベル1の剣士しか雇わないのかしら。」
と、希里花のその言葉に対して、イリシアが言った。
「経費削減のため、だらしいですよ。」
「……なんであんたが知ってるのよ。」