第4話
1
クエストへ行く最中。
「ロリ魔女っこー。ロリ魔女っこー。ロリ魔女っこは要りませんか?」
と言いながら、幼女がこっちへ向かってきた。
この道には今この幼女と、俺達しかいないため、どう考えても俺達狙いである。
「あっ。そこのお兄さんとお姉さん、ロリ魔女っこは要りませんか?」
当然、俺は幼女などに興味は無いためその場を素通りした。
……しばらく経って。
それを見兼ねた希里花が。
「ちょっと! 加賀谷くん! 可哀想じゃない! あの子裸足だったし、服もボロボロだったわよ! 子供だからって、それはないでしょ!」
「ええ~っ。そう言われましても、無双しようと思ってませんし、幼女に興味ありませんし……」
と俺は言い訳をした。
「幼女に興味がないとか、無双しようと思ってないじゃなくて、ただ可哀想だからパーティーに入れてあげてって言ってるの!」
「は~い!分かりましたぁ~っ!」
このままでは希里花さんからの株が落ちそうだったので、その幼女を引き取りに向かった。
2
「フヒヒヒ。おじょーちゃんどこに行くのかな?」
俺達が幼女の元へ行くと、その幼女の周りに、いかにも盗賊みたいな格好をしたおっさんが何人もいた。
「やめて下さい!離して下さい!」
幼女が抵抗しながら声を上げる。
と、そこに。
「止めなさい!」
救世主……、希里花さんが立ち向かった。
「おいおい、また美少女だ。」
「くっくっく。殺っちまおうぜ。」
「まさかこんなお嬢ちゃんが、俺たちを倒せると思ってるとはな。」
などという死亡フラグを吐きながら、盗賊のような風貌をした男達は希里花に近付く。
「これでも喰らえやーーーっ!」
と言いながら、そいつは剣を振り下ろした。
しかし。
「ガキーン!」
という音を立てて、刃が折れた。
「ヒエッ!?」
「おいこいつ、魔力で結界作ってやがった!」
盗賊のような男たちは、驚いた。
「お前ら~~~っ!」
「ヒイッ!」
「女をナメるんじゃ、ねぇーーーっ!」
「逃げろ! 逃げろぉ~っ!」
「巻き起これ、風よ! 炎の精霊、我に力を与えよ! 」
呪文の詠唱を終わると、希里花はもう一度大きく息を吸う。
そして。
「黒煙纏いし炎の風!!!!!」
炎風が、巻き起こった。
……
「おねーちゃん!ありがとう!」
「いいのよ。ところで……。」
「何?」
「私達のパーティーに入らない?」
「入る!」
そしてこの日、俺たちのパーティーにもう一人の仲間が加わったのだ。