第8話
1
さて。
それから数分がたち、未だに僕たちは、あっけらかんとした表情で、天を見つめていた。
「……な、なんで女神さま? それに“ラブコメ”って一体なんなの?」
希里花さんがそう呟く。
「とりあえず、……ありがとう。女神さま。」
僕は希里花さんがそう言い終わったのを見計らい、こう、声を上げる。
「……さーてと、なんだかんだで戦闘もやり終わった(?)わけだし? 一旦メイアンたち連れて帰ろう。」
「……そうね。」
誰かが、そんな返事をした。
っあー。
未だに情報が纏まらない。
なんで女神さまが?
普通そういうのって……。
<説明が長くなるので省略
2
そんなことがあった夜。
「……やべえ! ギルドに今回の報酬貰い忘れた!」
そんなことを言いながら、僕は走っていた。
暗い街中にある道を、真っ直ぐに進む。
そんな時、路地裏から謎の男の声と、聞き覚えのある声が……というか、さっきまで聞いていた声が響いた。
《「は……離して下さい!」
「金を貸せっつってんだよ! 聞いてんのか? クソ女! ……ギャンブルで一発当てて、返してやるつってんだろ!?」
「信用できません……、っていうかあなたはギャンブルでこれから当たることはありません!」
「ああ!? バカ言ってんじゃねえよ! このクソ×××! 何があなたは当たりませんだ! 俺は今まで100発100中なんだよ!」
「嘘吐かないで下さい! 私はあなたの人生を見れるんです!あなたが当たったのは59051回中75回! でも大きく当たった事なんて、一回もありませんよね! 当たってもほとんど10とか20位しか賭けてない時でしょ!?」
「グ……ッ! んなわけねえだろ! 大体そんな事分かるわけねえんだ! ああ!?」》
ああ、もう。これは助けに行かなきゃダメみたいだ。
「女神さま、あぶn……」
「……ああ。もう。しつこいです! ヴァーニング・サングラスタ!」
「ぬわあああああああ!」
「……あ、勇一くん。」
出る幕、ありませんでした。
……めっちゃ恥ずかしい。
「いやあー。ごめんねぇ? ちょっと、居るのに気が付かなくってさー。」
「まあ、状況が状況でしたからね……。」
……めっちゃかっこよく助けに出ようとしたら、出る幕すらないって……。
これ、どうなの。
「……っていうか、何で女神さま、まだここに居るんですか? さっき、帰ったはずじゃ……。
「門限過ぎて、閉め出されちゃったの。」
……女神にも門限ってあるんだ。
「……って、女神さま、何歳なんですか!?」
「あ、普通女子にそれ聞くぅ……? まあ、16歳だけど……。人間でいえば11200歳よ。」
「ああ……、ごめんなさい。」
……まあ女神なんだし……、それくらいはいくよな……。




