第4話
今回は最初希里花目線で行きます。
1
翌日。
「……ちょ、なんなのよこれ!」
私はその声で目が覚めた。
「あ、メイアンちゃん? それに妹ちゃんたちも……。ごめんね?」
私はその声の主を見て、そう言った。
「『ごめんね?』じゃないわよ! ほどきなさいよ! ……クソッ。平均レベル36程度の魔王パーティーごときにやられて、その上拘束されるなんて……飛んだ屈辱だわ。……まあ、そんなことはどうでもいいわ。あなたたちが私たちを助けた……。いや、誘拐した理由は何? 仲間の住処を教えろとか? 言わないけど。」
メイアンちゃんからそんな質問が飛んできた。
「いやいや、そうじゃないわよ。ただ、助けたかっただけ。」
私はそう返した。
「じゃあ、なんでロープと手錠をつける必要があるのかしら?」
ふたたびメイアンちゃんが、そう質問した。
「あなたたちが何も知らずに襲いかかってくる可能性があるからよ。……今外すわ。」
私はそう答えた。
そして、ロープと手錠を外した。
「……ありがとう。」
メイアンちゃんがそう言った。
「そういえば、戦ってる途中、『魔王に裏切られた』的な事言ってたわよね。あれって本当なの?」
私はメイアンちゃんにそう聞いた。
「ええ。本当よ。」
メイアンちゃんはそう返してきた。
「……最低ね。妻はおろか子供まで置いていくなんて。いくら魔王でも許せないわ。」
「あなただって魔王じゃない。」
「まあ、今はね。その魔王にかけられた呪いさえ解ければ、魔王じゃなくなれるんだけど。」
「え、あなた自分から魔王になったんじゃないの?」
メイアンちゃんがそんなことを言い、首を傾げる。
「そんなのなりたくないわよ。私は平和主義なの!」
私はそう答えた。
「……で、解く方法を探してる訳なんだけど……。」
「見つからない?」
「うん。いろいろ調べてるんだけど、なかなか見つからなくて。」
「……良かったら、協力してあげてもいいけど……。」
「本当に!?」
その言葉を言った瞬間、グーキュルルーと、お腹から情けない音がした。
「……まずは、朝食を取りましょう……。」
「そうね……。エリー、ベル、マル、セルナード。付いてきて。」
2
「えーと。今日のご飯……、これだけ?」
僕は始めにそう言った。
「すみません。急に人が五人も増えたものですから、食材の用意が出来なくて……。」
まあ、そうか。そりゃこうなるわな。
いきなり人が10人に増えれば。
「あ、そうだ、さっき捕ったニゲムノ大鳥があるんですが、これつかえばどうですか?」
イリシアはそう言って、羽をむしりとった鳥を、宿の従業員に渡した。
「わわっ! これはありがたい! さっそく料理させていただきます! では十分ほどお待ち下さい。」
宿の従業員はそう言って、部屋から出ていった。
「……とりあえず、食おうぜ。」




