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第14話②

3


それにしても……またかなりの勢いで飛んできたな。

今のもギリギリで避けたぞ。

……そしてそのゼリー状の何か。

いや、スライムの体液は、ベチャッと音を立てて、壁に叩きつけられた。

ノロノロと、何かの通路からゆっくり出てくるキングスライム。

その姿はまるで……。

「ところてんか!」

と、思わず突っ込んでしまう程、ところてんに似ていた。

さて、そんなことはさておき、討没に移る。

だが、その矢先。

こいつ、めちゃくちゃHPが高い。

ざっと100000HP以上はあるのだ。僕たち五人のHPの平均の5倍……、それ以上はある。

流石にキングを名乗るだけはある。

……っていうか。

「なあ、結衣奈、前にダイヤモンドスライムを倒した時、水使って溶かさなかったか?」

「あ、そう言えばそうね。じゃあ、ちょっと撃ってみる。」

結衣奈はそう言って杖をスライムに向け、呪文を唱えた。

「……あれ?」

「……どうした?」

「魔力……他の魔法バンバン撃ちすぎて、足りない、みたい。」

「マジかよ。っていうかさっきからお前の魔法当たってんのか?」

「100発中7発は当たったわよ! バカにしないでよ!」

「バカにするわ!」


4


クソ……どうしたら良いんだ。

今こうしてる間にも、みんなのHPがどんどん削られていく。

既にHPは半分まで下がっているのだ。

まあ、キングスライム(むこう)のHPも、半分くらい減っているのだが。

……とりあえず、一旦様子を見よう。

もし1人でもHPが……勿論僕もなのだが、6000以下になった時は、希里花さんに回復魔法(リロード)を頼もう。

そんな事を考えながら戦っている間にも、双方のHPは既に、更に半分まで下がっていた。

残りの僕達のHPは、大体5000である。

そろそろ希里花さんに回復魔法(リロード)を頼もう。

僕は希里花さんの居る方向へ顔を向けた。

「希里花さん! そろそろ回復魔法を!」

「う……、うん! ……リロード!」

その言葉と共に、全員の体力が、戦闘前の体力に戻った。

ついでに痛みも無くなった。

スライムのHPは……あと約30000。

大丈夫だ、これなら十分勝てる。

そして、僕と希里花さんが同時に攻撃を放ち、その攻撃で30000ダメージ……どころか50000ダメージを加え、一匹目の討没は完了した。

そして、また階段を上り、次の二匹目の討没へと向かうのだが。

「ねえねえ! こんな所に回復の泉があるよ!」

「え……マジか。」

「やっほー!」

結衣奈はそう言って泉に顔を沈めた。

「何!? 水を飲めば良いのよね!」

と、希里花さん。

「入ってもいいんだよ希里花お姉ちゃん!」

このレズガキが。

……とりあえず、回復してから向かおう。


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